せん断抵抗強度を使用して, 多平面安定解析(沖村1982) を行ない, 「擬安全率」を求め, その擬安全率を使用した解析により以下の結果を得た。
1) 6サンプル地区の各斜面について崩壊・非崩壊の区分が実際に生起した崩壊事例と一致するように, 斜面の集水面積(
S) , 潜在崩土層の厚さの関数(γ) を変数として擬安全率の値に関する判別関数を求めた。求めた斜面毎の判別関数の値は, 「限界擬安全率」となり, 適中率は73%~100%となった。
2) 3サンプル地区でせん断抵抗強度値は30%変化させても, 各斜面の崩壊・非崩壊の判定結果には1地区の2斜面を除き変化はない。また, そのときの各斜面の「崩壊得点」(=(限界擬安全率-擬安全率) ×100) の変化は, 絶対値平均で1. 8~2. 5となった。このことは, せん断抵抗強度値に拘らず崩壊・非崩壊を判定できることを意味する。
3) 各斜面に, それ以上の降雨があれば崩壊が起こるという「限界実効雨量」を定義できる。その限界実効雨量を
S, γ, 擬安全率をパラメータとして求めた結果によると, 限界実効雨量決定の誤差は8%程度になっている。
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