近年,爆発圧着や爆発成形など,各種の工業生産に爆薬のエネルギを利用することが多くなされるようになった.反面,爆薬は爆発によって大音響を発するし,地面に伝わる振動,水中あるいは空気中を伝わる衝撃波も大きなエネルギを有しているので,爆薬を利用する際には振動・騒音および構造物の耐爆安全性の問題に対して慎重な対策が講じられねばならない.爆薬を利用するのに爆発圧着などのように爆薬を直接試料に密着させる直接法と爆発成形のように爆発エネルギをいったん媒体の圧力エネルギ,運動エネルギに変換させてこれを試料に作用させる間接法がある.本稿ではこれらの各種の場合に関して,具体的に筆者らが直面した問題を引き合に出しながら,装置の安全性,爆薬の安全性の問題を取上げ,それらに対する解決についての対策を論ずることとする.
ヘキサン,ベンゼンおよびガソリンを水面上に流しながら燃焼させ,これら油の燃焼面積および炎から周囲へのふく射熱を測定した.その結果,次のようなことがわかった.1) 油の流出速度Qと燃焼油面半径Rとの関係は,R=αQβ で表わされる.ここにαとβは油の種類と流出速度の範囲によってきまる定数である.2) ふく射照度Eはタンク火災のときと同様,無次元距離L/Dが3以上ならば,E=γ(L/D)-2.0で表わされる.ごこにγは油の種類による定数で,タンク火災のときよりは小さな値をとる. 3) 燃焼速度の油面直径による変化は,タンク火災の場合のそれに類似である. 4) 油の流出速度が小さい領域での燃焼速度と油面直径との関係は,Spaldingの理論にかなりよく合う. 5) 流出燃焼の場合の燃焼速度は,タンク火災のそれより小さい.
フェロマンガン精錬炉から排出されるばいじんを防止する目的で,汚染調査を実施した.試料として工場を中心とした市内118か所で家屋樋中のばいじんを採取し,そのマンガン含量を原子吸光法により定量した.これによって降り積ったばいじんの濃度分布図を画くことができた.汚染域は南北4km,東西2kmにわたり,最高56000ppmの濃度であった.高濃度域は年間風配図に従った形をしていることがわかった.つぎに市内を3区域に分けて,浮遊ばいじん中のマンガン量を測った結果,分布図濃度に比例していることが示された.田土壌の分析では,マンガン量は自然土壌中の値を変えるほどではなく,作物などへの影響はなかった.汚染状況を綿密に調べることによって,排煙防止対策が順調に進められ,公害問題は解決した.効果的な汚染解析の例として報告した.
発火温度は安全工学上重要な数値であるが,可燃性物質全般についてはデータがまだ不備であり,現状では適切な予測方法がないので,今後も実測に頼らざるをえないと考えられる.著者は発火温度データを整備し,さらにはその推算法を探求するため,基礎的物質について一連の実測を行なっている.今回はその第11回として脂肪酸4種および脂肪族不飽和のアルコール,酸,エステル10種の測定結果を報告する.
酸素漂白設備は,従来の漂白設備から廃水汚染B.0.D,C.O.D Colour値を40~80%滅少されることができる.また,薬品費の節約は,パルプ品質を従来と同等がそれ以上に保って500~1000円/pulp tonが可能である.酸素段に新たにNaOHを使用する代わりに酸化白液を使用することができKP工場のアルカリパランスはくずれない.AmericaのChesapeake社,SwedenのMunksjo社,Billingsfors社と酸素漂白プラントが次々と稼動し始め,日本においても採用が決定した.これは酸素漂白のメリットが顧客におおいに認められたことを実証している.
多段流動層による溶剤回収の閉回路操作について,工業化のいきさつ,概要,特長および設計法を含めて総括的に述べた.この吸着プロセスは1960年,イギリスのCoventryにおいてCourtaulds Engineering 会社によって最も有害・危険性の高い溶剤CS2を安全かつ経済的に回収し,循環使用する閉回路操作として工業化に成功したものである.筆者も1951年,流動法による活性炭製造プロセスの工業化を完成し,技術的に相通ずるものがあり,また実地に見聞して深い感銘を受けたので,その結果を報告することにした.わが国の現状にかんがみ産業公害防除および災害防止に対しても広用範囲が拡大されることを期待する.
フォークリフトは近年めざましい普及をみせている反面,災害も増加している.フォークリフトの安全性について調査し,若干の考察を行なった. Ⅰ フォークリフトの運転席よりの視野 運転席よりの視野について,日常作業と同条件で4例設定し調査した結果,運転士が顔を固定し前面正視の場合,高さ方向で46~56%,地上で60~69%の部分が運転席より見えないという結果が出た. Ⅱ フォークリフトと歩行者の接触可能性頻度 フォークリフトと歩行者の接触の可能性の調査をもとに,工場内レイアウトを変更した結果,危険度が著しく減少した.
本論文は,爆発によって受ける損害を最小限にとどめるために用いる放爆構造と耐爆構造の建物の効用について述べたものである.ここで対象となるのは,混合ガスによる爆発,可燃性粉じんによる爆発,可燃性の蒸気およびミストによる爆発などであり,爆轟とか高圧装置の破裂については,防爆壁や土塁に関する論文で扱う方が適切と思われる.
地下鉄工事現場などで軟弱地盤の安定強化,漏水,湧水の防止のため,特殊な化学薬剤を土壌に注入して,地盤の地耐力,支持力の増加および止水を目的とした工法が盛んに利用されているが,これらの工事に使用する土質安定剤の中には危険物に該当し,あるいは薬剤などの混触により発火するものもあり,すでに災害事例も経験されているので,これを未然に防止するため,土質安定剤の種類,性状,使用法,火災事例,安全管理,その他についてその概要を紹介することとした.