安全工学
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14 巻, 6 号
安全工学_1975_6
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
総説
報文
  • 小谷将彦,植竹和彦,崎川範行
    1975 年 14 巻 6 号 p. 398-402
    発行日: 1975/12/15
    公開日: 2018/06/30
    ジャーナル フリー

    有機過酸化物は加熱により容易に分解,燃焼,爆発を起こす危険な物質であることが知られている.しがし,これらの急激熱分解に関しての研究はあまりなされていない.そこで熱分解ガスクロマトグラフィ一を用いて,有機過酸化物の急激熱分解および分解生成物の定性,定量を行い,あわせて,その反応経路の推定を行った.その結果,従来知られている溶媒中の緩慢分解とは分解状態を異にすることが明らかとなった.一方,有機過酸化物の一般的定量法であるヨウ素滴定法は分析上の誤差を多く含むため,簡便,迅速かつ精度の高い新たな方法として,ガスクロマトグラフィーによる分析法を検討したところ,良好な結果が得られた.

技術ノート
  • ポリ塩化ビニルの燃焼性に関する研究(VI)
    吉永俊一,松本勝,永石俊幸
    1975 年 14 巻 6 号 p. 403-407
    発行日: 1975/12/15
    公開日: 2018/06/30
    ジャーナル フリー

    アンチモン化合物は難燃剤として知られている.アンチモン化合物の一種であるSbOClをPVCに添加してPVCの熱分解に及ぼす影響を検討した.その結果,PVCから塩化水素が離脱される210℃付近でSbOC1とSbOClの加熱によって変化したSb4O5Cl2と反応する.反応式は2HCl+SbOCl+SbCl3+H2O,HCl+Sb4O5Cl2→SbCl3+5H2Oで示される.このため離脱する塩化水索は減少する.この生成されたSbCl3は80℃で融解,250℃から蒸発するため,系の温度を降下させ,また気相においてハロゲン化物としての燃焼抑制効果が考えられる.

  • 柳生 昭三
    1975 年 14 巻 6 号 p. 408-411
    発行日: 1975/12/15
    公開日: 2018/06/30
    ジャーナル フリー

    発火温度は安全工学上重要な数値であるが,可燃性物質全般についてはデータがまだ不備であり,現状では適切な予測方法がないので,今後も実測に頼らざるをえないと考えられる.著者は発火温度データを整備し,さらにはその推算法を探求するため,基礎的物質について一連の実測を行なっている.その測定結果の今回は20回の報告である、 この報告の連載は今回で終了とする.なお,測定したが本稿に収録しなかった分と近く測定を予定している分を合せると,さらに100物質近くになるので,それらのデータは別の機会にまとめて公表したいと思う.

資料
  • 内藤 道夫
    1975 年 14 巻 6 号 p. 412-420
    発行日: 1975/12/15
    公開日: 2018/06/30
    ジャーナル フリー

    ダウケミカル社のプロセス安全マニュアルとして,1966年8月,Chemical Engineering Progress誌上に発表されたプラントの火災・爆発危険性の評価とその安全対策についての定量的な考慮の改定版(第3版)が1973年にアメリカ化学工学協会より紹介された.この新版は旧版の内容とかなり異ったものとなっており,火災・爆発災害による損失防止を第一義としていて,たとえば物質の危険性についても,内蔵するエネルギーを相対的な数値で示し,発災危険性の評価を与えていないこと,また対策面でも,被害拡大防止について重点をおくなど目標をしぼり,すっきりした表現となっている.しかも旧版より中味をさらにきめこまかいもめとして,プラント安全対策に役立つと思われる.そこで新旧の相違を対比しつつ新版を抄訳して紹介する.

  • 小林昭夫,吉田昌弘
    1975 年 14 巻 6 号 p. 421-428
    発行日: 1975/12/15
    公開日: 2018/06/30
    ジャーナル フリー

    高度成長の影に種々の弊害が残り,河川の汚濁もその1つである,具体的な対策として工場廃水規制,下水道の整備などがとられているが,都市近辺の河川を昔に戻すには,今後一層の努力が必要である.河川の自浄作用には酸化などの溶存酸素が要因となるものと,沈澱などのそれ以外のものに分類できる.汚濁物が河川の自浄能力以上になると溶存酸素量が少くなり,魚の生息どころか悪臭さえ発散するよう になる.それらの浄化対策としては,沈澱した底泥はしゅんせつによって取り除き,化学的・土木的・機械的な方法で,再曝気をはかる必要がある.その実施例として,和歌川のしゅんせつ,山谷堀川築地川の悪臭防止をとり上げ,酸素による河川浄化法について説明する.

  • 兼丸 敞
    1975 年 14 巻 6 号 p. 429-432
    発行日: 1975/12/15
    公開日: 2018/06/30
    ジャーナル フリー

    わが国における環境汚染問題は,特に水銀を塙矢として社会的に注目を引き,有害物質を含む産業廃棄物は,法によって適正な処理が義務づけられている.なかでも含水銀産業廃棄物のばい焼法の処理は,環境の保全並びに資源の再利用の面から最も適切な処分方法といえる.

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