安全工学
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14 巻, 3 号
安全工学_1975_3
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総説
報文
  • 武田久弘,秋田一雄
    1975 年 14 巻 3 号 p. 131-136
    発行日: 1975/06/15
    公開日: 2018/06/30
    ジャーナル フリー

    円筒形容器に充填した炭素粉末の発火の実験を行ない,発火におよぼす酸素の拡散の効果を検討した.その結果,極めて低い温度で加熱した場合と逆に極めて高い温度で加熱した場合は,いずれも拡散の影饗が少ないのに対し,発火限界の温度を中心にその前後の領域では拡散の影響が顕著で,従来の熱発火の理論では見られない特徴的な様相が観察された.こうした特徴的な現象は,熱収支と酸素収支の式からなる連立偏微分方程式を数値解析することにより検討され,その結果は実験とかなり良い一致を示した.また,温度分布の時間的変化を詳細に観察した結果,発火の規準としては温度分布曲線が放物線形を維持できなくなる限界をとるのが最も良いという結論に達した.

  • 小木曾 千秋
    1975 年 14 巻 3 号 p. 137-142
    発行日: 1975/06/15
    公開日: 2018/06/30
    ジャーナル フリー

    スメルトが水と接触することにより生ずる爆発,スメルト-水爆発は蒸気爆発の1つである.この種の蒸気爆発の機構において,微細化は重要な問題である.この微細化に及ぼす因子の中で,スメルトの表面張力は主要なものであると考えられる.本研究は,種々の組成の溶融塩を用いて,その表面張力と蒸気爆発の関係を明らかにしたものである.すなわち,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,硫酸ナトリウムの単純塩は表面張力が大きいが,これらの溶融塩に塩化ナトリウムや塩化カリウムが加わると,表面張力が急激に減少する.表面張力の大きな溶融塩は,微細化が起こりにくいために,蒸気爆発を生じないが,表面張力の小さな溶融塩は微細化が起こるために,蒸気爆発を生ずる.さらに,表面張力の値によっても微細化のプロセスが異なることがわかった.

  • 若林嘉一郎,冨田悟, 早川 三郎, 大野 崇
    1975 年 14 巻 3 号 p. 143-150
    発行日: 1975/06/15
    公開日: 2018/06/30
    ジャーナル フリー

    廃棄物処理センターの運転には多くの不確定因子(廃棄物の形状や性状のランダム性,処理装置の高故障率など)が介在することに着目して,待ち行列理論により系内滞留廃棄物量に関する確率密度関数を求めた.ここに,処理センターヘの到着廃棄物ロットの大きさは処理ロットのそれの実数倍(1より大)とおかれた.

    結果1:廃棄物貯蔵ヤードの容量が過小なときは,処理装置の機能を十分に発揮できない.危険率s(ヤード容量が不足する権率)を規定して,貯蔵ヤードの容量を決定した.s=0.05とおいた場合の計算例を紹介したが,この手法はs≠0.05の場合にも適用できる.

    結果2:廃棄物処理装置の運転停止の頻度は,一般の製造プラントのそれに比して高いと推定される.この運転停止に伴う損失(この損失は4分類して評価された)を廃棄物処理原価に組み込む手法を求めた.

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