安全工学
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15 巻, 2 号
安全工学_1976_2
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
総説
報文
  • 湯本 太郎, モロー J.P.
    1976 年 15 巻 2 号 p. 79-82
    発行日: 1976/04/15
    公開日: 2018/05/31
    ジャーナル フリー

    直径1mの二つのオープンタンクを用いて,無風時におけるタンクからタンクヘの延焼過程を知るための研究が行われた.タンク間火炎伝ぱ速度,隣接タンクが火災になるまでの時間および隣接タンク液面温度が測定された.その結果,次のようなことがわかった. 1)石油タンク火災が起こり,隣接タンクに延焼するかしないかは,二つのタンク間火炎伝ぱを行うに十分な可燃性蒸気が隣接タンクから発生するかしないかで決まる. 2)直径1m,ガソリンの入ったオープンタンクの場合,タンク間火炎伝ぱ可能な限界距離は約0.6mである. 3)上記2)のタンクの場合,タンク間火炎伝ぱに必要な隣接タンクの無次元蒸気圧とタンク間距離との関係はタンク間距離O.30~0.58mの範囲で,P/PL=62.7S2.4で表わされる.

  • 泊康雄,堀良万,村上芳男,坂野哲正
    1976 年 15 巻 2 号 p. 83-87
    発行日: 1976/04/15
    公開日: 2018/05/31
    ジャーナル フリー

    徳山湾の比較的水銀含有量の多い海底泥の浚渫に先立ち,二次汚染防止上その含有重金属の基礎的性質を明らかにするため,水銀その他の重金属イオンの海底泥への吸着挙動について調べた結果次のことが判明した.(1)海底泥には重金属イオンがよく吸着され,その吸着量は,平衡濃度0.04ppm付近でHg(Ⅱ)>Cr(Ⅲ)>Cu(Ⅱ)>Zn(Ⅱ)>Cr(Ⅵ)>Cd(Ⅱ)の順となり,最大のHg(Ⅱ)で約8mg/g,最小のCd(Ⅱ)で0.2mg/gであった.(2)Cu(Ⅱ),Zn(Ⅱ),Cd(Ⅱ),Cr(Ⅲ,Ⅵ)の泥への吸着率はpHの影響をうけ,pHが高くなると,Cu(Ⅱ),Zn(Ⅱ),Cd(Ⅱ),Cr(Ⅲ)では大となるが,Cr(Ⅵ)では逆に低下する.一方,Hg(Ⅱ)はpHの影響をあまりうけなかった.(3)吸着は,25℃においてFreundlich型の吸着等温式にほぼ従ったが,Cr(Ⅵ)は従わなかった.(4)海底泥への重金嘱イオンの吸着機構は単純ではなく種々の吸着様式が混在し,Hg(Ⅱ)は硫化物を,その他の金属イオンは主として水酸化物を形成して海底泥の表面に共沈吸着されているものと思われる.ただし,Cr(Ⅵ)は主としてアニオンとして静電気的に吸着されていると推定される.

資料
  • 内藤 道夫
    1976 年 15 巻 2 号 p. 93-100
    発行日: 1976/04/15
    公開日: 2018/05/31
    ジャーナル フリー

    今回の新版では付録として,定義,計算例,技術者のチェックリスト,規格類,参考文献が紹介されている.このうち計算例は旧版の本文中に示されており,対象プラントもエチレンからアルコールを製造するプラントで同一であり,反応ユニットについては抄訳-(1)に紹介した.今回はそのなかのユニット5種類が新たに示されている.なお,その他の項目はすべて新規のものである.特にチェックリストは広い範囲にわたって示されており,実用的で参考とすべき点が多いように思われる.

  • 小林 義隆
    1976 年 15 巻 2 号 p. 101-104
    発行日: 1976/04/15
    公開日: 2018/05/31
    ジャーナル フリー

    最近,アメリカその他の国において塩化ビニルモノマーの製造または取扱い工場において,労働者が肝血管肉腫で死亡した例が報告され問題になっているので,わが国の職業がん対策専門委員会の報告書を中心として,発癌物質としての問題点について紹介した.また,塩化ビニル工業協会のアメリ力調査団がアメリカの関係官庁,工場などを訪問して得られた知見について併せてのべた.そのほか動物実験による肝血管肉腫の発生実験および工場環気中塩ビ濃度の規制,測定条件などについてもわが国の現状について紹介した.

  • 小田仲彬,井戸原満,堀江良男, 広野 好彦
    1976 年 15 巻 2 号 p. 105-110
    発行日: 1976/04/15
    公開日: 2018/05/31
    ジャーナル フリー

    選択性重金属固定剤ALM-600系3種によるカドミウム汚染土壌中のカドミウム(銅,亜鉛,鉛)の稲への移行防止を目的とし,国内の大気汚染型,水汚染型およびアルカリ性の3種の汚染土壌を用いて稲のポット試験を行った.その結果,ALMを0.1~0.5%添加することにより玄米中のカドミウムは最高83%まで抑制された.またALMの作用は,大気汚染型よりも水汚染型において一層有効であり,水汚染型の土壌ではALM-648,0.1%の添加で玄米中のカドミウムは83%まで抑制された.また,ALMの添加による収量への影響や米の味への影響はともに認められず,ALMは汚染田の改良に有効に使用できる可能性のあることを認めた.なお,玄米中への銅の移行抑制率は若干認められたが,亜鉛と鉛の抑制効果は認められなかった.

  • 加勢範雄,関宏次,相田忠亮
    1976 年 15 巻 2 号 p. 111-115
    発行日: 1976/04/15
    公開日: 2018/05/31
    ジャーナル フリー

    メタン-酸素バーナを主体として,純酸索バーナの特性である火炎温度,火炎速度,熱解離,窒素酸化物の生成などについて記述し,最後に強制対流伝熱係数を推算した.メタン-酸素バーナ(CH4,150Nm8/H,O2,300Nm8/H)の炉外燃焼テストでの各特性値を算出した結果,火炎速度はバーナ先端より0.75mの位置で約185m/sec,1mの位置で約124m/secを得た.火炎温度は炉内火炎として計算し,2534°K(2261℃)を得た.また強制対流伝熱係数はパーナ先端1m のところに直径0.1mの鉄棒に火炎を当てる条件で計算して,365kcal/m2hr degの値を得た.以上のことから純酸素バーナが高温における熱伝達上,効果酌であることがわかった.

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