原子力施設から発生する各種放射性廃棄物の管理の概要を紹介する.放射性廃棄物の管理は,廃棄物中の放射能成分を分離濃縮し,残部を環境へ放出すること,放射能成分の濃縮体を固型化し容器に収納すること並びに容器入廃棄物固化体を保管または処分することからなる.それぞれの過程で採用されている既存技術の概要および内外における技術開発の傾向を紹介した.また放射性廃棄物管理に係わる法規制についても要点を紹介した.
石炭,亜炭,木粉,農産物など自然界の炭化水素化含物の粉じん雲の爆発特性について実験的研究を行った.この結果JISの石炭類の工業分析法で定義する揮発分値と粉じん雲の爆発発生圧力の最大値および爆発圧力上昇速度との間には規則性のある関係が見出された.このことによって,自然界の炭化水素化合物の粉じんについては,揮発分値と粒度を知ることによって,その粉じん雲の爆発発生圧力,圧力上昇速度および爆発威力を推定することが可能であることが判った.
1975年2月16日,大協石油四日市製油所で発生した灯油タンク火災を調査検討し,出火原因についてー応の結論を得た.この製油所では公害防止のため各装置からの廃水中の悪臭成分を除去する目的で,灯油プラント中に臭水処理装置を設置し,灯油で廃水中の硫化水素等悪臭成分を抽出していた.この硫化水素等を抽出した灯油をタンクに蓄えておいたため,硫化水素が揮発し,タンク空間部に滞留し,タンク壁面,ビーム類等を腐食させると同時に,可燃性混合気を形成した.これらのことより,このタンク火災は天侯急変等が引き金となり,ビーム類が落下し,その衡撃により硫化水素を含む可燃性混合気が着火し,さらにその火炎により,タンク壁面の腐食層にしみ込んでいた灯油が着火し,ついで液面燃焼へと発展し たものと考えられる.