化学プラントにおいて起る災轡の中には,新しいプロセス系材料の導入にあたっての安全面からの検討が十分でなかったことに起因するものが少なくない.この事前の評価にあたっては,単に定性的なチェックにとどまらず,物質,装置の容量,操作条件などを定量的,かつ,総合的にとらえなければならない.この結果に基づいてハードおよびソフトの両面から対策を考えることが必要である.さらに,この対策について,同種のプラントあるいは設備における災害情報やフォルト・トリー方式を活用して再評価を行うべきである. 本稿は,このセーフティ・アスメントのすすめ方をステップを追って解説するものである.
直径1mの二つのオープンタンクを用いて,無風時における石油タンクからタンクへの延焼に関連して,隣接タンク液面の受ける火災タンクからのふく射熱,隣接タンクのガソリン蒸発速度などを測定し, その結果,1) 火災タンク定常燃焼時における,隣接タンク液面の受けるふく射熱とタンク間距離の関係 2)タンク間火炎伝ぱが起こるまでに,隣接タンク液面の受ける最大ふく射熱とタンク間距離の関係 3)タンク間火炎伝ぱが起こるまでに,隣接タンク液面の受ける熱量とタンク間距離の関係 4)隣接タンクのガソリン蒸発速度の時間によって変っていく様子,などを得た.
爆ごう波管中の平面爆ごう波を拡大管中の同じ組成のアセチレンー空気混合ガスヘ打ち込むことによって,拡大管中の球面爆ごう波の直接起爆限界エネルギを求めることを試みた.大気圧における球面爆ごう波の起爆限界管径のデータを等価のエネルギに換算するために,管中の爆ごう波による球面爆ごう波の起爆モデルを仮定した,結果はアセチレン7%から19%の濃度範囲で起爆限界エネルギは102~104Jとなった.化学量論組成濃度では103Jとなり,これは雷管で得られた文献値と一致した.最小値は102J となり,その濃度は燃焼生成ガスがCOとH20になる濃度に一致することが示された.
次亜塩素酸カルシウム70%を含む高度さらし粉の火災および爆発に関する基本的な性質を知るために,熱的特性,発火温度,衝撃および摩擦感度,起爆性などについて測定を行った. 高度さらし粉は約180℃で酸素を放出しながら分解し,発熱するので,有機物などの可燃性物質との混合物は,この温度に達すると発火し.いったん着火すると火炎は急速に伝ぱし,火災を拡大する.衝撃, 摩擦に対してはそれほど鋭敏ではなく,雷管起爆試験によっても,この物質だけでは起爆しないが,有機物と混合すると感度は上昇し,黒色火薬級の威力を示す.高度さらし粉の危険性として,一般に発火のしやすさと火災拡大の速さが重要である.
本年も日本産業衛生学会の許容濃度等の勧告について御紹介するが,日本産業衛生学会の刊行の遅れと,本誌の編集の都合のためにいささか旧聞めいたものになったかも知れない.今回決定または改正のあったのはカネミオイル以来有名になった(?)塩素化ビフェニルだけである.(須 藤)
排ガス中のダスト濃度測定法(JIS Z 8808)は,大気汚染防止法に規定するばいじんの排出基準の測定はもちろん,集じん率,排ガス流量の測定及びCd,Pb等の分析試料の採取にも広く利用されている. この測定方法は,これまでの測定実績及び研究結果から種々の問題点が指摘され,今回大幅に改正された.そこで,主な改正点につき旧規格と比較しながら,その内容と理由を解説し,測定業務にあたる入々への参考としたい.
1969年12月,アフリカ沿岸で3隻の巨大タンカーが,タンク洗浄中に原因不明の爆発事故をおこした.そこで,その原因の究明と対策の樹立を目ざして内外に研究組織が結成されたが,その結果,原因はタンク洗浄中の静電気現象にあることが推定されるに至った.本稿は,これらの報告書をもとに,タンク洗浄中の静電気現象の解明と,この爆発事故の発火原因の分析とを行ったものである.内容には,洗浄中の帯電現象,電荷の減衰,タンク内の電界と電位,放電とその関連事項を含んでいる.