前回に引続き本編においては地震による被害に関する解析ならびにパイプラインの事故未然防止対策について記球する.過去の大地震による被害についての解析の結果,鋼管を使用して最近の進歩したパイプライン建設技術により設計施工されたパイプラインは大地震によってもほとんど損傷を受けることなく安全であることが判った.また過去に地震および地震以外の1次原因により漏洩事故を発生したパイプラインにはいずれも潜在要因が存在しており,設計,建設,操業の各段階においてこれらの潜在要因を無くすように措置することが取りも直さず事故の未然防止対策となる.
燃焼容器の直径が25~50cmの小型実験装置により液化メタン,液化プロパン,液化プタソおよび比較のための他の数種の可燃性液体の重量燃焼速度と輻射照度を求める実験を行い,次のような結果を得た.(1)液化メタンの重量燃焼速度はガソリンとアセトンの中間に位置するが,液化プロパンとブタンのそれはガソリンとほぼ同じで,容器直径増大とともに大きくなる.(2〉液化メタンの輻射照度はガソリンよりも小さく,アセトンよりもわずかに大きい,液化プロパンとブタンはほぼ同程度の輻射照度を示し,ガソリンよりも小さいが,トルエンよりわずかに大きい.
熱基礎方程式と,熱的および反応速度論的定数を用いて,小スケールおよび実大容器における高度さらし粉の熱発火プロセスのコンピュ一タシミュレーションを,Crank-Nicholson法で行った. このとき限界発火のみならず,短時間加熱での発火条件も検討することとし,併せてその実験を行った. その結果は,発火のプロセスおよび限界温度ともに実測値とよく一致した.また短時問加熱も温度そのものには若午の相違が見られたが,発火がまずどの部分から起るかという点については明確な知識を与え た.これらのことから,コンピュ一タシミュレーションは,種々の条件下における高度さらし粉の発火限界およびそのプロセスを予測するのに,非常に有用な方法であることが明らかになった.
本報告は,稼動状態にある回転機器の振動を分析して,機器の異常を予知しようとする技術において,挨動データの処理にパイスペクトル法を導入して,機器寿命の診断精度を高めようとする研究に関するものである.論文にはパイスペクトルの定義,計算方法の調査結果,さらにはこれを実際の機器,部品の診断に応用した実験結果が述べられ,考察が加えられている.
世界の12か国における最近の粉じん測定法と評価法,特に法規制または標準的と考えられているものを調べた結果をまとめた.この結果次のような傾向がある. コニメータなどによる計数法がまだ広く行われているが,暴露濃度と環境濃度,全粉じんとしレスピラブル粉じんについて計測しようという傾向が強くなって来た.同時に測定計画の計量化の傾向がみえて来た.
昭和51年10月東京で約70名の日米防火関係者を集めて開かれた標記合同会議の概要を,とくに分科会活動を中心に迩べている.分科会の主題はガス毒性,建築システム,人間挙動,煙制御,火災モデリング,火災感知・煙性状の6課題であり,各分科会における日米双方からの研究の展望,それに関連する意見交換,今後の共同処理事項が要約されている.
赤外線ガス分析法の応用分野を広げる目的で,複数箇所の同時測定を可能とするガス濃度測定機器について紹介する.この赤外線ガス測定器は,設置スペースの減少,1測定点あたりの設備費用の軽減を可能としている.赤外線を発する光源,赤外線を周期的に遮断するためのチョッパ回転板とその駆動用モータ,および受光素子は,各1箇ずつ使用するのみで,複数箇所のガス濃度を測定することができる構造のため,容易な保守を可能とし,かつその費用も低減することがどきる. このような新しい赤外線ガス測定器の構造,動作概要,いくつかの機能試験の結果,およびその仕様と適用例についてのべる.