近年,EM機器,中でも医用電気機器の進歩は目覚しく医療のあらゆる分野に浸透し,医療の近代化に一役かっている.一方,この傾向は医療の機器依存性を増大させ,その結果として機器の信頼性・安全性は直接医療そのもののそれに影響を及ぼすようになってきて,これら機器の信頼性・安全性確保には多大の努力を払う必要が生じてきた.本文では,この問題を,法的規制,製造者の立場,使用者の立場のそれぞれの観点から概観し,医用電気機器の安全対策の現状と将来について論じた.
有機過酸化物嬉加熱によりはげしく分解するが,その状態は物質により異なる.ここでは圧力容器を改良してストレーンゲージ型の圧力容器として測定し,その分解曲線と破裂圧力から分解のはげしさを求めた.試料は各種タイプのもの18種とその希釈物を用いた.その結果,分解曲線の立ちあがり角度と昇圧度合および破裂圧力から,危険性の大小を判定することができることを認めた.
20種の有機過酸化物の熱に対する分解のおこりやすさを,熱分析法(TG-DTA,TG-DSC)を用いて検討した.その結果,分解のおこりやすさはDTA,DSCにおける分解開始温度から評価できる.分解ピーク温度と発火点との関係から,未測定過酸化物の発火点が推定できる.また分解のはげしさについても分解曲線の形状から推定でき,これは圧力容器試験での評価と対応していることがわかった.
電解中に粒状物質をおくと,物質どうしの凝集がおこる現象がある.この現象を利用すると,電界によって浮遊粉じんを抑制,消滅させることが予想される.ここではこの作用を粉じん爆発の防止や,鉱山の坑内浮遊粉じんの抑制に活用すべく,基礎実験を試み,その可能性について考察した.浮遊粉じんに電界を作用させると、これが凝集,消滅することは電気集じん機にも活用されているが,この研究では浮遊粉じん濃度200g/m3程度という高濃度の浮遊粉じんに対しても抑制効果があるかどうが実験によって試みた.また,この浮遊粉じんを抑制するこの方法が安全でなければならないので,浮遊粉じんとメタン-空気混合気(メタン濃度8.5%)中で電圧印加をし,安全性を確かめた. その結果によると,高濃度浮避粉じんに対しても電界によって安全に抑制,消滅させうることが判明した.
無鉛ガソリンを燃料に用いて,試験車を都市実走行させ,無鉛ガソリンのエンジンおよび触媒式浄化装置の耐久性に与える影響,および触媒式浄化装置の熱的挙動について検討した.2万kmの走行後においても,バルブおよびバルブシートのリセッションは発生しなかったが,加鉛ガソリンを用いた場合に比べ,シリンダ内部の堆積物が多く,気化器,排気バルブおよび吸気バルブの汚れが著しかった.また,オクタン価要求値は,走行距離につれて上昇する傾向にあり,1万km程度を超えてゆるやかになった.1万km走行における触媒式浄化装置の浄化性能は劣化せず,無鉛ガソリンの使用によりその耐久性は増加することを確認した.高速および登はん時にも,触媒式浄化装置の熱的挙動には,安全性上の問題は認められなかった,
高圧噴霧法の特徴は,少量の水によって高い粉じん抑制効果が得られる点にある.しかし適正水量を決定するに必要な定量的「標準」,または「基準」はなく,一般には現場担当者の「勘」にたよるか,現実の発じん状況を見ながら,水量調整をするといった状態である.本報告では,被破砕岩石表面に,散水によって付着した水分量と発じん量との間に関係ありと推定して,測定と検討を進めた結果を記述する.
前回1)では公害振動の種類,振動規制の変遷,振動測定量,振動に関する用語について述べたが,今回は公害振動関係の測定器および測定法とその評価について,条例に対応する合否の測定,被害者に対する影響調査と防止対策などの検討に必要な測定器の特性と測定方法などの手順について述べる.
水添脱硫装置の水注入部配管部に発生した破損事故例について述べると共に,その事故の原因を流動工学的な面から究明を行い,この事故は注入水に溶解した硫化水素による腐食と,流動水の潰食との共同作用によって生じた局部的減肉が原因していることを明白にした.