安全工学
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19 巻, 5 号
安全工学_1980_5
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
総説
  • 上原 陽一
    1980 年19 巻5 号 p. 249-257
    発行日: 1980/10/15
    公開日: 2018/03/31
    ジャーナル フリー

    工学的事故の防止については,各分野において真剣に取り組まれているが,この聞題は狭い領城の学問では解決できず,総合的,学際的な対応を必要とする.本論文では各分野における事故データからの安全レベルの現状,事例研究やリスク解析による事故原因の解明や安全対策の提案,客観的危険と主観的危険,安全に対する投資の効果,人間のエラーの扱い,さらには社会からの安全の要求などの検討を通じて,各分野に共通する安全の原理を確立する試みについて 述べる.

報文
  • 湯本 太郎, 小堀衛,半田隆
    1980 年19 巻5 号 p. 258-265
    発行日: 1980/10/15
    公開日: 2018/03/31
    ジャーナル フリー

    タンク上部部分燃焼における燃焼性状を知るために,屋根中央部に円形の開口部を持つ直径1mの鋼製タンクおよびそれと同じ開口部直径を持つ鋼製オープンタンクを用いて,無風時に開口部直径10~60 cm,初期フリーボード長さ1~80cmの範囲でヘプタンを燃焼させ,燃焼速度,周囲への放射熱タンク屋根裏面温度,燃料液面温度等を測定した. その結果,部分燃焼の燃焼継続限界初期フリーボード長さと開口部直径の関係,初期フリーボード長さの増加に伴う燃焼効率の低下が分かった.また,部分燃焼と全面燃焼における炎から燃料内への種々の伝熱量の比較から,タンク屋根の役割,關口部直径の大きさによる部分燃焼と全面燃焼の燃焼速度の違いを明らかにした.

  • 原山美智子,大谷英雄,平野敏右,秋田一雄
    1980 年19 巻5 号 p. 266-271
    発行日: 1980/10/15
    公開日: 2018/03/31
    ジャーナル フリー

    空間内に可燃性気体を噴出することにより発生した可燃性混合気の濃度の不均一性が,ガス爆発特性におよぼす影響を調べた.実験は,円筒形密閉容器の中に小円孔からメタンを噴出し,その円孔直径,噴出速度および噴出開姶から点火までの時間を変化させて行なった. 実験結果として,局所的に可燃性気体の濃度が可燃範囲内にあると推定できる場合には着火し圧力上昇があること,可燃性混合気の濃度の不均一性がある場合にも最大上昇圧力は近似的に噴出した可燃性気体の量の関数となることなどを示した.これらの結果から,噴出した可燃性気体の量が少量であり空間の平均濃度が可燃下限界より低い場合にも,濃度が不均一であればガス爆発を起こし,その圧力は被害が発生しうる値に達することがわかる.

  • 井上紘一,幸田武久,熊本博光
    1980 年19 巻5 号 p. 272-278
    発行日: 1980/10/15
    公開日: 2018/03/31
    ジャーナル フリー

    自動火災警報装置に代表されるような安全監視システムでは,その構成要素であるセンサの取りうる状態として一つの正常状態および二つの故障状態があり,またシステム全体としてもそれに対応して一つの正常状態および二つの故障状態(誤報と欠報)がある.本報文は,この種のシステムの信頼性解析問題へFTA(フォールトツリー解析)の適用を試みたものである.センサシステムの誤報と欠報を,FTを用いて統一的に記述する.また,定性的・定量的解析を行ない,種々のセンサシステムの優劣を比較検討する.

技術ノート
  • 川崎市コンビナート安全対策委員会
    1980 年19 巻5 号 p. 280-283
    発行日: 1980/10/15
    公開日: 2018/03/31
    ジャーナル フリー

    昭和54年2月17日,川崎市の危険物製造所内,真空蒸留部門の還流ポンプより,火災が発生した.原因は,オイルリングが破損していたことから,潤滑油の供給切れにより,軸受が,焼付きを起こしたためと推定したが,青銅鋳物であるオイルリングのフラクトグラフィー的研究やポンプ運転時のオイルリングの挙動が明らかでないことから,このオイルリングについて,疲労試験,SEM観察,各種実験を行ない,フラクトグラフィー的観点からオイルリングの疲労について検討してみた.この結果,青銅鋳物のオイルリングは,種々の疲労因子が重なれば,疲労破壊するという知見を得たものである

資料
  • 次郎丸 誠男
    1980 年19 巻5 号 p. 284-290
    発行日: 1980/10/15
    公開日: 2018/03/31
    ジャーナル フリー

    ISO/TC21でハロゲン化物消火薬剤,泡消火薬剤等消火薬剤の国際規格原案(DP)が作定され,現在審議がなされているが,このうちハロゲン化物消火薬剤については国際規格案(DIS)としてISO事務局に登録された.このように消火薬剤の国際規格を制定すべく作業が進められているが,一方ガットスタンダードコードが批准されたため,我が国をはじめガット加盟国は国際規格が制定された場合はこれを尊重することが義務づけられているため,日本も国際規格制定作業に積極的に参加しているところである.

  • 河内 勇
    1980 年19 巻5 号 p. 291-294
    発行日: 1980/10/15
    公開日: 2018/03/31
    ジャーナル フリー

    沖縄石油基地(株)原油貯蔵設備の一期工事が完成し操業を開始したが,大規模原油貯蔵基地としての防災対策並びに公害対策にどのように配慮がはらわれているかその構要を紹介する.一期工事では備蓄タン ク容量約2100千klが建設され,将来は総計約5000千klの容量に増備される計画で敷地も総面積約60万坪の用地が既に確保されており,今後の大規模原油貯蔵設備のあり方の一つの参考になれば幸いである.

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