設備診断め調査方法には,演繹的および帰納的な二つの方法があり,本稿では帰納的方法に限定しながら,各種の管理要素を検討して行く個別的な設備診断にっいては軽く触れ,設備に発生した異常,故障および事故について,レビューをする,と言う診断に重点を置いた、それらは,工場あるいは装置全体のシステムのうち何らかの欠陥が露呈したもの,という見方に立ち,総合的な観点から診断ができることを述 べている. 化学装置の場合,診断への二一ズは非常に1111111111111111111多いが,歴史は極めて浅く,将來に多くを期待しなけれぼならない現状である,とくに,欠陥や損傷の検出あるいは測定技術1コンピュ}タ利用技術と相まって,総合化された評価技術を育ててゆかなけれぱならない.
化学反応の暴走や不安定性は,熱や反応性に富んだ化学種等を介した正帰還ループを含む反応機構によって生じると考えられる.酸性溶液中の銅の腐食はCu2+を介した正帰還のかかる反応機構であることを理論的に示した。この理論から,銅の腐食機構は白已加速型反応であると結論される、理論的な予想を実験により証明した.自己加速型反応は装置の突然の破壊を引きおこす可能性がある.従って,これらの反応を考慮することは安全工学上重要であると思われる.
化学プラソト,原子力発電所では,異常時にプラントを停止するために緊急しゃ断回路が設置されている.このシステムには,2個の離散値を有する変数が含まれているため,ツリー作成が困難である.ここでは,2値変数を含むシステムのフォールト・ツリーを作成するアルゴリズムを開発した.反応器保護計装システムを例として,故障モードブロック線図の表示,ツリー展開のアルゴリズムおよび制約条件を明らかにした.このアルゴリズムを用いたツリー作成例も示した.
PC-メンブレン式低温貯槽の安全性を検討する目的で,56.5m3の半地下式貯槽を用いてメンブレンの構造特性試験を行ない,次の結果を得た. メンブレンの伸縮作用をコルゲーションで吸収させることができ,応力集中個所が確認できた.応力の大きさは,冷却,昇温速度に関係なく温度に対応した.引張と圧縮を同時に受けるクロスコルゲーションで,ひずみ値が3000μ以上になった部分では変形現象を起こした、メンブレン・コルゲーション部の変位量と応力の関係を,簡易弾性解析で近似計算できた.
これまでに行なわれた石油火災実験から得た炎の高さおよび炎からの放射熱に関するデータをもとに,大規模石油火災からの放射熱を推定する際の形態係数および放射発散度を検討している. その結果にもとづき,火災規模に応じた放射発散度を使い,風速10m/sの場含の直径50mガソリンタンク火災,100m×100mおよび200m×200m防油堤火災からの放射照度が4000kcal/m2・hとなる地点を推定し,これらを無風時に従来の放射発散度を使って推算した値と比較している.
最近,医薬品中闇体,有機過醗化物等熱的に不安定な物質の製造,取扱時に大きな爆発災害を引き起こしており,その設備上の安全対策・不安定物質の危険性評価等が問題となっている.この熱不安定物質に対する危険性評価のための試験法については,現在統一的なものが出されていないが,最近熱分析をその 手段の一つとして使うことが注目され出している.ここに抄訳したASTMの試験法ほ,DTAまたは DSCを用いて反応速度因子を求め,定温実験の結果ともあわせて熱不安定物質の危険性の評価を行なう一手法である.
1980年9月25日,午前2時54分,千葉県中部を震源地とする震度4の地震が発生した.この地震により川崎市内のある事業所の150kl重油タンク1基が座屈し,当該破口部分より,重油約11・5klが防油堤内に流出する事例があった.また,隣接の同型タンク1基も,わずかに座屈していたことが,事後調査の結果発見された.原因は,ドレンノズル付近の側板下方が,同ピットのコンクリートリングで局部的に支持されていたため,応力集中による高い応力の発生と,側板下部外面が,腐食により著しく減肉していたところに,地震による衝撃力を受け,座屈・破口に至ったものと推定した.
長期間無事故で通してきた車両修理工場の焼付乾燥窒で平常通りの作業中に突然爆発,事故が発生した,調査の結果,爆発に関係した物質としては,塗装中の自動車燃料タンク内のガソリン以外には考えられなかったが,ガソリンがどこからどのようにして乾燥窒内に漏洩したのか不明な点もあった. 本件は再三にわたる綿密な現場調査と実験的検討からガソリン漏洩の箇所,その経過などの点を究明し事故原因を明らかにした事例である.