最近の工場の大きな火災や爆発の発生は,企業が,法令による監督指導に頼り,当局もそれによって目的を達成し得るかのように信じていて,しかも一起きた災害は違法ではない,という例が多い,安全工学的にこれを見れば,火災爆発予防の具体策について,法令は完全な回答を与えることができない本質をもつ.企業は,安全工学の自発的勉学にょって自主的に災害予防対策を開発し,体得し,実施することにより,災害のため被るべき損害から自身を守るという企業経営のための活動の一環としで予防方法を身につける よりぼかに方法がない.
現行の炭鉱用電気機器の防爆構造に定められている狭隙防爆構造は狭隙板層に薄い金属板を用いるため,製造と保守に難点があり,実際に利用されることは少ない.この欠点を除き,かつ,狭隙防爆構造の利点を十分に備えた狭隙素材としてエキスパンドメタル(以下EXMと略称)利用の狭隙板を開発しだEXMとは鋼板を展伸して金網状としたもので,とくに機械的強度に優れている.このEXMを積層して狭隙板を作り,これを容器の1~4側面に取付け,メタン,エチレン,水素および炭じんに対する防爆効果について検討を行なった結果,容器内での爆発圧力は耐圧防爆構造に比較して,水素,エチレン,メタ ンの順に1/10,1/100,1/1000のオーダーであることを見出した.また,狭隙防爆構造の素材であるEXMの最適の積層法および接着法などを見出した.
横型爆発試験筒の上半分にメタンー空気混合気,下半分にハロン(1301)-空気混合気を流して不均一濃度分布の層状混合気を形成させて,試験筒の開放端で点火し,ハロン(1301)の火炎伝播抑制効果について実験し,火炎伝播抑制ハロン濃度を得た. 本実験条件の下では,火炎伝播抑制ハロン濃度のピーク値は約4.6%あった.
前報に引続いて鉄粉あるいは鉄くずの活1生化過程の基礎研究を行なった.複雑さをさけて活性化過程の基本卵な要素を抽出するために比較的純度の高い軟鉄を用いて実験を行なった・従来・塩化物が活性化過程を促進することは知られていたが,それらをふくまない水による活性化の可能性はあまり研究されていなかった.本研究では800時間におよぶ浸潰試験を行なったところ,長時間ののちには塩化物を含まない水によっても,鉄の不働態化皮膜は破壊され,活性化することを見い出した.これは堆積されている鉄くずや鉄粉が雨水や結露水によって活性化することを意味し,危険性も広い範囲にわたることがわかる,本実験で,さび汁が,自己触媒的に働くことを見い出した.以上の知識に蓋づいて対策を検討した.
噴出ガスの拡散性状を知るため,無風状態で空気より重いガスを鉛直上向きに放出し,その速度と濃度を測定した,放出口での流れが乱流になるよう放出速度を決めた、濃度および速度の測定箇所は地表面や壁面の影響を受けない範囲とした、この結果,放出ガスの速度および濃度分布は次式で表わせることが分 かった.
多くの化学プラントはしゃ断回路,安金弁および他の安全装置からなる保護計装システムにより保護されている,本論文は通常の制御回路(フィードパックまたはフィードフォーワード)と保護計装システム(しゃ断回路,安全弁)の結合系に対するツリー作成のアルゴリズムを提案する・このアルゴリズムは第2報と第3報を拡張したものであり,その作成方法としては,下位サプツリーのトップ事象を」二位サブツリーの外乱の項に代入することにより,結合系のフォールト・ツリーを作成することができる・このアルゴリズ.ムを保護計装システムを有する流量制御回路と発熱反応器系の二例のツリー作成に応用した.
本報告は米国エネルギー省の依託によって行なわれた実験に関する報告書“Control and Extinguish ment of LPG Fires”(Contract No.DE-ACO5-78EVO6020)”(D.W.Johnson,W.E.Martisen,W.D.Cavin,P.D.Chilton,H.P. Lawson,J.R.Welker著)のExsecutive Summaryを著者の諒解のもとに訳したものである.主文は既に第37回安全工学講糊会における資料として紹介してあるので,協会事務局に問い合わせられたい.