センサを色々な面から考証して,その位置付けと特徴付けを行った。センサの有用性を特に,保全工学の立場から論じた.センサの統一的な取扱い方に対する提案を行った.またこれに基づいてセソサを開発する際の指導原理を示した.次に最近のトピックスを総説した.最後にセンサについての考察および最近の動向を踏まえて,.今後の課題を論じた.特にイソテリジェントセンサの出現を期待した.
石油パイプラインの漏洩検知法として最も重要な流量差検知法において発生する誤差のうち,最もやっかいなものは長時間休止後に送油を再開した場合,管内油温分布が定常状態になるまでの過渡期において油温変化によって発生する誤差である,この誤差は長時間にわたって発生し,他の誤差に比べてかなり大ぎな値になる可能性があり,かつ,その値が季節的に著しく変動する、 本研究は,このよ5な原因に基づく流量差の発生機構を理論的に解明し,発生流量差を予測するための理論式を確立して漏洩検知精度の向上を期することを目的とするものである・まず第1報においては,パイヅラインの全線にわたって管壁からの伝熱抵抗を一定とし,管内油温と管周囲溢度とが平衡になっている状態から起動した場合の過渡現象について述べる.
フォールト・ツリー解析は,化学プラント・原子力発電などの大規模システムの確率論的危険度評価に応用されているが,ツリー作成はぎわめて因難な問題である.著者らは,これまでに故障モードブロック線図を用いたツリー作成のためのアルゴリズムを提案Lた.ここでは,このアルゴリズムを複雑な構造を有する化学プラントに応用し,ツリーを作成した.例とLて,硝酸冷却システム及び化学反応プラソトの緊急しゃ断回路を用いた.これより,本手法は複雑なシステムのフォールト・ツリー作成に十分実用的で あることを示した.
有機過酸化物の製造時における危険性評価方法の一つとして,放熱速度の異なる簡単な反応装置を用いて発熱挙動と放熱挙動を別々に測定する方法を考案した,製造工程を原料仕込み時と熱成時の二つに分け,過ネオデカン酸かブチルについて測定を行った結果,放熱速度の小さい反応系および原料仕込み時の危険性が著しく高いことがわかった。また,熱爆発に関するセミョーノフの関係式を適用レたところ,臨界温度および臨界浴澱を計算で求めることがでぎた。朧界浴温については計箕値と実験により予想される値とがよく一致した. このようにして得られた危険性パラメーターは製造時における危険性とその隈界についての知見を与え,反応温度の制御や異常事態への対応などに役立つものと思われる.
“シュッと一吹ぎで火災が消せる”という謳文句でスプレー式の消火器(正式名称はエアゾール式簡易消火具)が市中に出回ってきた. 従来このような消火具の販売は認められていなかった.それが認められた経緯,その鑑定基準,そして従来の消火器と比較しての消火能力や適用火災について述べ,最後に使用上の問題について解説を行う.
消費の世界では,標準品,規格品を中心とするマスプロ,マスセールスの時代から,個性化を前面にだした多品種少量生産,選択消費の時代へすでに転換している。このため,多種の原材料,パーツ,中間製品および完成品を保管する倉庫の大規模化,近代化が急速なテンポで進んでおり,他の建物と比べ著しく価額が集積するという傾向を示している.したがって出火危険は小さくても万一倉庫に火災・爆発が発生した場合は火損害をこうむるばかりでなく,製品や原材料などの流通停止につながり,企業基盤そのものに与えるダメージも極めて大きい,本稿では,自家用倉庫等で一般可燃物を収容するいわゆる一般倉庫について,火災統計,火災事例を分析しとりまとめた火災危険と防火対策を紹介する.