公共の構造物・施設を建設するための土木工事には,人間とのかかわり合いについて,入間の誤りによる労働災害と,人問の誤りに基づく物件の災害の二つがある,わが国建設業全体と大阪地下鉄工事の労働災害の統計と特色,製造業における人間の誤りの特色を紹介し,更に大阪市内で発生した労働災害の統計分析結果を論じた,次に,Blockley提案の人間の誤りの定義と分類を紹介し,それに基づいた橋梁事故の解析を行なって支配的な人間の誤りを論じた.人間の誤りを定量的に把握するために種々の研究が行なわれているが,一つの興味ある研究として,土留構造物破壊におよぼす人間の誤りの影響を論じ,人間の誤り係数を用いた山本・Ang の方法を紹介した.最後に,設計技術者・現場技術者と安全工学研究者との共同研究の必要性を強調した.
化学物質が,その使用,廃棄に伴って環境中に入った場合,環境中で微生物分解しにくく,長く残存するものは蓄積Lて,人をはじめとする環境中の生物等に.悪影響を与える危険性が大きい,本総説では,化学物質の環境安全性の評価方法の中でも煎要な位置を占める微盤物分解性試験方法について,従来行なわれている各樋の方法を,a)分解させる微生物の種類や化学物質との接触方法,b)酸素供給状態や温度,微生物濃度,化学物質濃度,無機栄養塩濃度,pHなどの分解条件,c)分解量や残存量の定量方法およびd)測定結果の評価方法の違いによって分類し,それぞれの方法の特徴と聞題点を整理して示した.
ポリ容器の中に入っているチタン箔の切屑を動揺させながら投棄していたとぎ発火事故が発生した. 発火原因は静電気の発生にあると推定されたので,チタン箔の着火エネルギーを通電法によって調べた.その結果,チタン箔は着火しやすく,着火エネルギーは雰囲気,箔の形状および供給電圧に依存し,これらの間には一定の関係式が成り立つことがわかった.関係式の原式は着火起点が箔の中央帯に形成されるとするモデルを使って導くことができた.
先に比較的弱い爆発威力をもつ物質の爆発性評価に優れた性能をもつことを示したMkⅢD弾動臼砲 試験について,ガラス製試料容羅および銅製のスペーサー,ゴム栓などを使用する標準的試験方法を考案し,その方法をさまざまな爆発威力をもつ固体あるいは液体の化合物および酸化剤と可燃物の混合物に適 用した. その結果,この標準化法により実験精度が向上した,また,試料量と臼砲の振れ幅の間に償接的な関係があることがわかった.さらに,こめものの種類によって弾動臼砲値Bが変化することや,不活性物質による希釈の影響などに関する知見が得られた.
火炎検出羅に使用されている熱電対の焼損形懇を調べた,焼損形態は金属顕微鏡,EPMAとオージェ電干分光装置を使って観察した.電極材料はNi-Cr(低),Ni-CrおよびFe-Cr合金に分類され,還元炎に延1032時間さらした,腐食は溶接部/電極の境界層に近い電極端で発生した.腐食はCr濃度の低い材料よりCr濃度の高い材料で大きく現れた,この原因はCr2O3膜が高温COガスで還元破壊されることにあると考えられた.Fe-Cr系電極はしょう油(食塩)の付着で激しく腐食された,Ni合金電極にはSが偏析した,このSの発生源は燃料中の付臭剤であると考えられる,このように腐食形態は電極材料の主成分と雰囲気ガスに強く依存し,商温酸化,浸炭腐食と高温腐食(酸化硫黄と塩が介在)に分類でぎた.
薬品保管の現状の把握と,不用薬品を廃棄し実験室をより安全にすることを目的として,東京大学の二部屋の化学実験室で薬品の実態調査が行なわれてきた.第1回目の調査では,100ml以上の容量の容器の薬品が実験室に約3800本存在することがわかり,その3/4の薬品は廃棄された,4年後の第2回目の調査時には,薬品が再び増え,第1回目の調査時よりも多くなっていた. 不用薬扇は,1)消費,2)大気中放出,3)土中埋め立て,4)下水放流,5)中和,6)燃焼廃棄,7)爆発廃棄,8)環境安全センターに処理依頼,9)廃棄法を考慮中,に分けた.これらの薬品は,不明物を除 いて,廃棄された。
硫酸等の電解質は電気の良導体なので,石油類やゾラスチック類のような絶縁体とは異なり,一見静電気など帯電しそうにない物質の部類に属するように見られるかも知れない.ところが,ソーダエ場にて用いられるPVC製塩素乾燥塔ほ,水分を含んだ塩素ガスを乾燥させるために,塔内上部より硫酸を降らせる構造を有するものであるが,実態調査ならびに硫酸滴下実験の結果,その内部の,とくに硫酸が滴下することのあり得る,空間にて静電気を帯びていることが明らかとなった・したがって,それに基づき常時発生し得る放電火花がこの種の塔の爆発事故の発火源となる可能性が大きい.そこで,今後塔の爆発事故を根絶するために,その静電気帯電を防止するには,塔本体を硫酸と共に完金にアース電位に保持し得るように,耐酸性導電材にて搭を構築すべきであると考えられる.