現在,一般に用いられている狭隙防爆構造は,外部よりの衝撃に弱く,容易にその防爆能力を失う欠点を持っている.この欠点を克服するために開発されたものがエキスパンドメタル式狭隙防爆構造であって,狭隙板の素材として用いられているエキスパンドメタルは圧延鋼板を展伸して金網状としたものであるため,機械的強度に優れている特徴を持っている. 防爆容器のテストは,通常,静止状態のガス中で行われ,ガスの流れの速度による影響を受けることはないが,狭隙容器はその構造上ガス流速の影響を受ける可能性が強い, 本報告はエキスパンドメタル式狭隙防爆構造について,爆発濃度のガスの通気流速の高低による狭隙防爆性能への影響とその対策について述べたものである.
改良型タイムープレッシャー法により,無機過酸化物一可燃剤系組成物の着火時の燃焼による圧力発生挙動からその燃焼危険性評価をした.酸素バランス0の燃焼速度が最大となる組成において,無機過酸化物セルロース系組成物の燃焼危険性を評価した.酸化剤として金属過酸化物を用いた場合は,ペルオキソ酸および過酸化水素付加物の場合より燃焼時の圧力上昇速度は大きく,組成物の燃焼時の圧力上昇速度に及ぽす粒子径の影響については,KC置oピセルロース組成物のように,燃焼時の圧力上昇速度の大きい系では,酸化剤の粒子径が小さくなるに従い圧力上昇速度が顕著に大きくなるが,炭酸ナトリウム過酸化水素付加物一セルロース,または炭酸ナトリウム過酸化水素付加物ソルビット系組成物のように,圧力上昇速度の小さな系では,酸化剤および可燃剤の粒子径の影響は顕著にはみられなかった.
最近の新しい構造材料として注目されているFRPなどの複合材料は,耐食性・成形性に優れ,軽量でもあるため利点が多く,その需要の伸びはめざましい、そこで,鋼構造物などと同じように,さまざまな外力に抗する広い分野への実用化も図られている.しかしながら,その力学的特性は,非線形な応カーひずみ関係を有していること,圧縮側と引張り側とで異なる弾性特性を持つなど,単純でない面がある.このような新材料について,動的問題も含めた座屈解析を試みたところ,従来の座屈解析で得られる結果と異なる座屈値が存在することが判明した.しかも,この値は,より危険な側の荷重値を与え,構造材料としての新材料は,その座屈強度にっいては検討すべき点があるという結果を得た.
磁気探傷法による鋼の表面欠陥の検出と,評価技術に関する基本事項,および検査の信頼性についての最近の成果と現状を述べた.表面開口欠陥からの漏えい磁場を磁気テープに転写し,それを精度のよい磁気ヘッドで電気信号に再生する録磁探傷法は,欠陥サイズの定量化と検査の自動化が可能な一つの 有力な技法である。 磁気探傷法による鋼溶接部の表面開口き裂の検出確率を支配する確率論的要因と,強度信頼性評価のための検出確率データおよびその取扱い方につき述べた.
本論文は,各種粉体の爆発危険性ならびに各種システムにおける粉じん爆発危険性の評価について述べたものである。また各種粉じんの爆発危険性の簡易評価法として爆発下限界濃度による方法を提唱し,その妥当性について検討した.その結果,米国鉱山局の着火感度によると同等の評価が可能であることがわかった.この評価法では爆発性粉じんを3ランクに分類し,爆発下限界濃度が30~40g/m3以下の 粉じんを“最も危険”,100g/m3以上を爆発性ではあるが“危険は小”とランク付けする.またこのランクと必要な防爆対策についても言及した,
ISOが1985年に発表した規格ISO6184/1,2,3,4のうち,第1部を紹介する.本規格は可燃性粉じん/ 空気の混合物の爆発強度を1㎥の円筒状容器内で測定する方法について示している、爆発時の容器内部圧力Pm,容器容積と容器内部の圧力の上昇速度より求まるκをおのおの爆発指数とし,その最高値を爆発の最大指数と定める、このうちKの値は粉じん爆発を評価する値として有用である.本規格には定めない容器による結果の評価法についても付記した.
疲労破壊を起こしたホイストの減速機歯車と,トラッククレーンの上部旋回体接合ボルトについて,破損解析を行った.その結果,歯車の疲労破損の原因は歯面の硬さが不足していることが原因で,またボルトは疲労限度以上の荷重が負荷されていたことが原因であることがわかった、フラクトグラフィと破壊力学を適用して,歯車やボルトに作用していた応力の推定を行ったところ,推定値は実機を用いて実測した応力値とほぼよく一致していた.