昭和57年1月の川崎市下布田小学校の床下に生じたLPガス漏えい事故に端を発した埋設管の腐食原因が,従来の緩やかに進行するミクロセルでなく,急速に穴があく電気化学的なマクロセル腐食によるものであることを記し,その物理化学的内容の説明と腐食対策についての簡単な解説を行ったもので ある.
『エマルション燃料は,共役溶液燃料である』というモデルに基づき,エマルション燃料の引火点についての,いくつかの実験と計算をし,つぎの知見を得た. ○ 炭酸ジエチルを試料とした種々の水・油混合比のエマルション燃料の蒸気圧の実測値は,モデル を支持した, ○ エマルション化による引火点土昇は,油に溶解する水のモル分率に依存し,それらの間の直線関 係により,±2℃以内の精度で推定可能である. ○ このモデルによる引火点の推算には,活量係数をも考慮した気液平衡関係式による検討が必要で ある. ○ エマルション燃料の引火点と,水の飽和溶解した燃料の引火点はほぽ一致しており,引火点測定は,作製も測定も容易な水飽和燃料で代用することができる.
本質安全防爆構造のメタン着火限界における電源電圧と最小点火電流との関係は現在のところ,500 V程度までしか解明されておらず,IEC Standard79-11や日本工業規格JIS C O901も300Vを明示の 上限としている. 本研究は,300V~10000Vの高電圧領域における電源電圧と最小点火電流との関係を実験的に解明 し,高電圧微電流型の本質安全防爆機器開発の基礎資料を得ることを目的としている.
自己反応性物質の熱分解の激しさをより詳細に調べるために,オランダ式圧力容器に圧力素子と熱電対を取り付け,熱分解時の圧力変化および分解開始温度などを測定した,試験した試料は,過酸化ベンゾイル,アゾビスイソブチロニトリル,アゾジカルボンアミド,ジニトロソペンタメチレンテトラミン,α,α〆一ビスー(たブチルペルオキシ)覗一イソプロピルベンゼンの5つである.試験した結果,各物質について熱分解時の圧力変化の様子がわかった.しかしながら,今回の実験では,従来法との対応は明らかにされなかった.得られた最大上昇圧力,最大圧力上昇速度,および分解開始温度はほかの危険性評 価試験と相関があった.
石油タンク火災時には,周囲への熱移動が主として火炎からの放射熱伝達により行われており,防災上この放射熱量を推定することは重要である,本論文では著者らの提案している一要素モデルによる解析手法について詳細に述べるとともに,石油タンク火災における放射熱伝達特性を明確にした。実験値との比較の結果,簡単な計算式により放射熱量を見積もることのできることを示した.今後,この手法を10mを越えるような大型タンク火災からの放射熱の予測に適用する際に考慮すべき入カデータにつ いても述べてある.
研究室の安全活動が効果的に進むためのかぎは,ヒューマン・ファクターがいかに活動に織り込まれているかにある,本稿では,まず,研究室の災害が減ってきたことを述べ,その減らす秘訣が人的対策にあることを,理論と実際の両面により明らかにした.っぎに,研究室の事故のなかで最も多い火災・爆発を題材とし,危険予知活動の考え方と進め方を考究した。また,地震対策については,心理面を考 慮に入れ論述した.
1988年1月2日,米国ペンシルバニァで発生したタンク崩壊による大量流出油事故は,米国内で大きな問題となっている。現在までに米国の雑誌で判明している範囲で,この事故の概要,対応状況,原因,法規制動向にっいてまとめた, 日本においても,この事故を「他山の石」として,活かしたいと考える.