安全工学
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28 巻, 3 号
安全工学_1989_3
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
安全への提言
報文
  • 近藤重雄・堀口貞滋・浦野洋吉・岩阪雅二・徳橋和明・大谷英雄
    1989 年 28 巻 3 号 p. 132-138
    発行日: 1989/06/15
    公開日: 2017/10/31
    ジャーナル フリー

    分解爆発などにおける限界火炎温度の圧力依存性を,熱損失のある場合の層流火炎理論を応用することによって説明した.熱損失が容器壁への熱伝導による場合は,限界火炎温度Tと圧力Pとの関係は (P/P0n=(T0/T)exp{Ea/RT-Ea/RT0}また,熱損失が高温の火炎帯からの放射によって生じる場合は(P/P0n-m=(T0/T2exp{Ea/RT-Ea/RT0}で表される。ただし,T0は圧力がP0のときの限界火炎温度,Eaは活性化エネルギー,nmは0~1の定数である。 これらの式をアセチレン・酸化エチレンの分解爆発,エチレン,エタンの爆発限界などのデータに適用したところ,分解爆発および爆発上限界の実験結果はこの式でかなりよく説明できることがわかった.それに対して,爆発下限界のデータはこの式の予測するところとはかなり異なった挙動をすることがわかった。その理由についても考察を加えた.

  • 羽田博憲・高橋保盛・木山保・皿田滋・鍋谷弘
    1989 年 28 巻 3 号 p. 139-144
    発行日: 1989/06/15
    公開日: 2017/10/31
    ジャーナル フリー

    高電圧容量回路の本質安全防爆性について問欠回路でメタン点火試験を行った、その結果,約1.5kV 以上の試験装置の電極の形状は電界強度が強くなるように針状であることが必要である,試験ガスの相対湿度が高くなると点火しにくい,コンデンサ容量に対して最も点火しやすい電極間隔が存在する,安全率を含んだ点火限界値は11pFで4kVが最大値である,抵抗をバリアとして用いた場合,一部効果は あるものの最小点火電圧の増加はわずかであることなどが明らかになった.

  • 佐々木九郎・宮腰宏, 田中 克佳, 米持 十己博
    1989 年 28 巻 3 号 p. 145-151
    発行日: 1989/06/15
    公開日: 2017/10/31
    ジャーナル フリー

    光ファイバを用いて測定区域との間で計測光を送受信する本質安全な計測システムの構築を前提として,光ファイバを組み込んだ新たな圧力計測部の測定原理を明らかにし,その実施例として2種のモデルの試作結果を示した.測定原理1よ差圧によってダィァフラムが凹面状に変形することによる集光作用を応用したもので,理想化したモデル計算によって圧力計を構成するうえで考慮すべき変数間の関係を明らかにした.また,差圧測定範囲がダイアフラムの直径および張力などによって推定しうることを 示した.

技術ノート
  • 那波英文・長谷川和俊
    1989 年 28 巻 3 号 p. 152-156
    発行日: 1989/06/15
    公開日: 2017/10/31
    ジャーナル フリー

    引火点および燃焼点をより合理的かつ簡便に測定する方法を探るため,セタ開放式引火点試験器を用いる方法を取り上げ検討した。セタ開放式引火点試験器を用いてエタノール水溶液およびいくつかの純物質について引火点および燃焼点の測定を行い,これらの値はタグ開放式引火点試験器を用いて測定した値と比較して高いという結果を得た。この理由を明らかにするため,セタ開放式引火点試験器の試料容器内の試料表面の温度を測定した.試料表面の温度は引火点試験器の温度計の指示温度より相当低いことが判明し,それは試料の粘性による熱伝達の善し悪しおよび揮発によって奪われる熱量の大小に依存することを明らかにした、このことが両者で測定した引火点および燃焼点の差が生じるおもな理由であり,セタ開放式引火点試験器により測定された引火点および燃焼点の値は適当でないとの結論を得た.

資料
災害事例
  • 長谷川 和俊
    1989 年 28 巻 3 号 p. 167-175
    発行日: 1989/06/15
    公開日: 2017/10/31
    ジャーナル フリー

    昭和62年(1987年)に国内で発生した石油類貯蔵タンクの爆発火災3件の着火および爆発の原因について解析を行い,その予防対策を論じた.東京電力(株)大井火力発電所の原油と軽油の混合油の入って いた容量200klのコーンルーフ形貯蔵タンクの爆発火災,千歳基地のJP-4燃料を貯蔵していた容量300Oklの覆土式屋外タンクの爆発火災および帝石トッピング・プラント(株)頸城製油所の容量3000kl のコーンルーフ形原油貯蔵タンクの爆発火災は,いずれも気相大空間に可燃性混含気体が充満していたため,これにそれぞれ溶接作業,落雷および電気火花が関与して着火し,その結果爆発して火災に至ったものであることを明らかにした.最後に,石油貯蔵タンクでの気相大空問における可燃性混合気体の爆発を予防する種々の方策について議論した.

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