安全工学
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29 巻, 5 号
安全工学_1990_5
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
安全への提言
報文
  • 若生 彦治, 平野 敏右
    1990 年 29 巻 5 号 p. 320-325
    発行日: 1990/10/15
    公開日: 2017/09/30
    ジャーナル フリー

    地中において低圧で漏えいしているガスの拡散範囲を予測するために濃度分布式を導出した.家庭用LP(液化石油)ガスが空問率εの均一な地中において漏えい点より一定の流速Qで漏えい拡散している場合,漏えい開始t 時問後において漏えい点からの水平距離L の地中における濃度値ρは次式より 予測される.

    ここで,D は拡散係数であり,この式の導出の過程においてD の値は一定であると仮定した、 この導出式の精度を確めるため,漏えい口の水平方向の位置にレーザ型ガス濃度計をあらかじめ埋設してからLPガスを比較的急激に漏えいさせ,その位置における測定濃度値および導出式より算出される予測濃度値を比較した.予測値と測定値がほぼ一致することより,εの均一な地中における漏えいガスの濃度分布は上式を用いて予測できることがわかった.

  • 福田 隆文, 湯本 伸一, 清水 久二
    1990 年 29 巻 5 号 p. 326-331
    発行日: 1990/10/15
    公開日: 2017/09/30
    ジャーナル フリー

    半導体技術などの発達に伴い,より高性能な真空機器が求められるようになった.真空機器の気密性という品質特性は設計,組立に関する多くの構造要因が競合した結果として決まるから,気密性に与える重要度の高い要因を見つけだし,それを制御すれば,効率的な気密性の改善が行える,構造要因と気密性の関係は確率プロセスであるので,比例ハザードモデルを用いて解析することを試みた.0リングを用いた真空タンクで実験を行い,Oリングの仕様,ボルト締付けトルクなどの要因の影響を解析した。 その結果,気密性は0リングの材質に最も大きく影響されるなど,各要因の重要度を定量的に明らかにし,ランク付けすることができた,すなわち,比例ハザードモデルを用いれば品質特性の評価が可能なことがわかった,解析において影響度の小さい要因の説明変数は削除できることも示した.

  • セタ密閉式引火点試験器を用いた実用的手法
    長谷川 和俊, 樫木 恵三
    1990 年 29 巻 5 号 p. 332-340
    発行日: 1990/10/15
    公開日: 2017/09/30
    ジャーナル フリー

    実用上の観点から,上部引火点を簡易に測定できる方法を見いだした,セタ密閉式引火点試験器の2 個の観測小窓を密閉して,保持時間を5分間とすることによって,気液平衡状態下での上部引火点の測定を可能にした.33種類の化合物と3種類の石油製品の上部引火点を決定した.測定された上部引火点Ts〔℃〕から可燃上限界温度Tf〔℃〕を5.25℃の精度で推定する実験式Tf=Ts+6.42をえた.感度の良い細線熱電対を用いると,冷炎の温度域の測定も可能であった.

資料
  • 北川 浩, 西川 光一
    1990 年 29 巻 5 号 p. 341-346
    発行日: 1990/10/15
    公開日: 2017/09/30
    ジャーナル フリー

    OECD環境委員会“危険性物質にかかわる事故に関する専門家アドホックグループ”の主催により,西独ベルリン市で開催された「優良安全管理」と題するワークショップについて紹介する. 業界の安全と事故防止に対する最新の管理のあり方を探ろうとするもので,11のセッションごとにパネリストの発表と討議が行われ,結論がまとめられた.著者らの発表したわが国の状況も評価され結論 の中に取り入れられた. その内容は安全管理の理念,目標,ラインとスタッフの責任と役割,安全活動,評価など全般にわたる.

  • 村上 悦三
    1990 年 29 巻 5 号 p. 347-352
    発行日: 1990/10/15
    公開日: 2017/09/30
    ジャーナル フリー

    安全装置は人間を危険から防護し,そこで働く人たちが安心して作業が継続できるようにするのが目的であるから,その機能に故障や破損が生じても「危険回避または防護機能1を喪失することがあってはならない.このためには安全装置の機能を構成するソフトやハードについて信頼性のみにたよることなく,あらかじめ装置が故障やトラブルを起こした場合をきめ細かく検討し,どのような事態が発生しても安全装置としての目的を果たすことができるように決定論的な検討を行うことが重要である.

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