安全工学
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30 巻, 2 号
安全工学_1991_2
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
安全への提言
報文
  • 原 泰毅・秋吉 美也子・中村 英嗣, 佐藤 俊一
    1991 年 30 巻 2 号 p. 84-87
    発行日: 1991/04/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー

    脂肪族硝酸エステルの安全性の基礎的なデータを得る目的で,その沸点,蒸発熱,引火点,熱分解温度および発火温度,熱分解の速度パラメータを求めた. 硝酸エステルの沸点はその炭素数の増加にともない直線的に高くなる。蒸発熱も同様であるが,その関係は炭素数5で2つの部分に分けられる. 引火点と沸点とには炭化水素と同様に直線関係がみられた, 熱分解温度は炭素数にほとんど無関係であるが,発火温度は炭素数の増加とともに高くなる.また,熱分解は1/2次式に従って進行し,活性化エネルギーと頻度因子の対数とは補償効果が認められ,いずれも類似した機構で進行する.

  • オーバークリティカルで回す回転体のつりあい検査装置の試作
    福田 隆文, 清水 久二
    1991 年 30 巻 2 号 p. 88-94
    発行日: 1991/04/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー

    オーバークリティカルで使用される回転機器はつりあわせを行った後・危険速度通過を試みる.加速中の外乱やノイズの重畳した振動から,つりあわせが完了し危険速度を通過してよいか,不十分で通過、を断念すべきかを見極めることは・熟練者でも困難である,このような状況から,これをオンラインかつリアルタイムで判定する装置の開発が望まれる.そこで,不確定な変動がある場合でも正しい判断が可能なように予測モデル(カルマンフィルタ)を用いた監視システムをパソコン上に構築し,モデルの妥当性の検討とセンサの比較を行い,つぎに他の監視手法と比較した.本監視システムは,危険速度43 rpsのロータ系に対し,約20rpsの時点でつりあいの状態を判定することができ,振動値で判定する手法より優れていた,以上の結果から,予測モデルを用いた本システムは高い監視能力を有することがわ かった.

技術ノート
  • 村永 浩太郎, 呉 建洲・田村 昌三・吉田 忠雄
    1991 年 30 巻 2 号 p. 95-98
    発行日: 1991/04/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー

    過塩素酸カリウムー木粉混合物は消防法第一類の燃焼試験における標準物質である.しかしながら,上記混合物は間欠燃焼を起こすため燃焼時問の測定が難しいとされている。そこで,今回は硝酸カリウム不活性物質一木粉混合物において標準物質と同等の燃焼秒時を持ち,かつ安定した燃焼をする配合を見つけることを目的とした、この結果,過塩素酸カリウムより優れた配合を見いだすことは難しいことが示された.

    また,点火用ニクロム線の温度および円錐型堆積のかさ比重の燃焼時問に及ぽす影響について調べた.

資料
  • 阿賀野川水銀中毒事件についての化学的一考察一
    中川 良三, 加藤 龍夫
    1991 年 30 巻 2 号 p. 99-108
    発行日: 1991/04/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー

    新潟水俣病事件は,昭和39年8月ごろから新潟県阿賀野川流域住民の問に発生した有機水銀中毒事件である,「農夫症」という説があったように,原因については昭和電工鹿瀬工場の排水説と地震で流失した水銀農薬説が論争された、現在,阿賀野川流域の環境試料の水銀調査を行っても,四半世紀前の事件の痕跡は皆無であった.しかし,当時の資料を化学的に検討した結果,水銀中毒事件の発生原因は,工場排水が直接の基盤をなしたとはいえず,新潟地震とその直後の集中豪雨によって流失した水銀農薬が 関与していたと推察された。 本研究の議論はあくまでも,公表された記録の数値と,永年,水銀の研究をしてきた著者らの経験を基に,推論したものであり,決して工場排水説を否定するものではない.いずれにしても,この事件を契機に,人々が水銀の毒性,環境汚染というものを理解したことは意義のあることであった.

  • 高津 熟
    1991 年 30 巻 2 号 p. 109-114
    発行日: 1991/04/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー

    音響パワーレベル測定方法は,無響室または残響室などの実験室での測定方法と一般の音場における測定方法とがある.これらの測定方法はISOの規格の整備に伴い,国内でも整備されたものである.無響室や残響室を持たない所でも実用または簡易的な音響パワーレベルを測定するものとして後者の「一般の音場における音響パワーレベル測定方法」JIS Z8733が定められ,その中では実用半自由音場法(A 法),簡易半自由音場法(B法),簡易拡散音場法(C法)とがあり,その程度により使い分けられてい る.

  • 西川 康二
    1991 年 30 巻 2 号 p. 115-116
    発行日: 1991/04/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー

    いささか旧聞と思われるが,1982年のEC理事会指令(いわゆるセベソ指令)についての紹介記事を安全工学協会から依頼されたので,本センターの特別の了解を得て,JETOC情報誌の抄録を転載するも のである(JETOC情報A,Vo1.5.No.1より.本誌はJETOC会員に限り配布するもので,一般に 公開されるものではないこと,および転載を禁じていることをお断りしておく,) このEC指令は,1976年にイタリァのセベソで発生した化学工場の事故が,ダイオキシンなどの毒物による広域汚染に発展したことに鑑み,かかる大事故の危険性とその影響を減少させることを目的として発せられたものである.EC加盟諸国は,それぞれの国の法律を整備して,この指令を実行してきた.いささか蛇足ながら,1984年に発生したインドのボパールの化学工場の事故で,多数の住民が死傷したことが契機となって,米国では,緊急時の対応と地域社会の知る権利に関する法律が制定された,この欧米における2つの潮流は,その後経済開発協力機構(OECD)の決議や,国連環境計画(UNEP)に おける国際的な検討へと,つながっていると考えられる. 以下の本文は,EC公報Aug.5,'82,L230,p.1の抄訳であるがその後,この理事会指令は1987年3月19日付87/216/EECおよび1988年11月24日付88/610/EECによって修正されている.

  • ナイロンプラント事故を契機に
    清水 久二
    1991 年 30 巻 2 号 p. 117-121
    発行日: 1991/04/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー

    ICIケミカル&ポリマー(株)のウィルトンエ場のナイロンポリマープラントで発生した事故を契機に,英国HSEにより発行されたコンピュータ制御された,化学プラントの防護系に関する指針の枠組につ いて解説した.

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