安全工学
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31 巻, 3 号
安全工学_1992_3
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
安全への提言
総説
  • 岡本 寿夫, 森 祐行
    1992 年 31 巻 3 号 p. 144-151
    発行日: 1992/06/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー

    自動車のエンジンを始動してアクセルを踏む.エンジンの回転数を上げていくにつれて,それまで,軽快でスムーズだったエンジン音がある点を境に不協和音を発生し,それがだんだん大きくなっていき,車体も振動を始める、これはカオスと関係があるのだろうか. 近年,カオスの発見をきっかけとして,非線形力学は新たな発展を遂げつつあり,カオス現象は物理学,工学のみならず他の多くの分野でも大きな関心を呼んでいる,ここでは,カオス現象の理解およびその応用(予知と制御)に資するために,カオス状態を実現できる最も簡単な力学系として強制振り子を例にとり,カオスカ学の基礎を解説する.あわせて,カオス状態ではエネルギー散逸率が減少する事例を述べ,不安定制御や安全管理への応用の可能性を示唆する.

  • 國枝 正春
    1992 年 31 巻 3 号 p. 152-158
    発行日: 1992/06/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー

    工業製品で安全性が問われる振動事故の原因調査結果によると大半は非線形振動で,流体関連の自励 振動が多い。 振動事故原因究明のためには,まず現象をモデル化することが必要である.これは振動診断の第一歩で,いわゆる逆問題を扱うことになる. 的確な診断を行うには順問題としての振動学の多くの知識が必要である.ここでは診断のための予備知識として非線形振動を含め振動の分類法を記し,事例を掲げ,典型例につき説明した.

報文
  • 木山 保・成田 孝, 塩田 莞爾, 出口 剛太
    1992 年 31 巻 3 号 p. 159-167
    発行日: 1992/06/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー

    炭鉱坑内において,ガス湧出量を増加させるため,ガス抜きボーリング孔に水圧破砕を行った.水圧破砕実施後,ガス湧出量を連続計測し,無処理のボーリング孔と比較した。その結果,水圧破砕を実施した孔は長期間ガスが湧出する傾向が認められたが,積算ガス湧出量は無処理のボーリング孔より少ない孔もあった。そこで水圧破砕で発生したき裂の閉塞を防止するため,注入水に砂を混入し水圧破砕を行った。砂を混入した場合,明らかに積算ガス湧出量およびガス湧出速度の増加傾向が認められた.また水のみの場合と同様に,長期間ガスが湧出し,ガス湧出速度の減衰も小さいことが分かった.

  • 柴田 俊忍
    1992 年 31 巻 3 号 p. 168-174
    発行日: 1992/06/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー

    平成3年5月14日滋賀県甲賀郡信楽町において発生した信楽高原鉄道の列車と乗入れのJR西日本 鉄道の列車の正面衝突事故は,死者42名,負傷者470名という犠牲者をだす大惨事となった.同種事故防止の観点からこの事故の問題点を考察したので報告する.司法責任についてはこれを論ずる立場にないので,あくまでも管理と技術上の基本的な問題点に限定して論じ,また,細部のハードについてもまだ知ることはできないので新聞などに報道された内容を基に考察した.

技術ノート
  • 福田 隆文, 清水 久二
    1992 年 31 巻 3 号 p. 175-178
    発行日: 1992/06/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー

    ガスケットは多く使用されているにもかかわらず,その選定には一般的な指針がなく,試行錯誤的に行っているのが現状である.このような場合,関連している因子のシール性能に関する影響度の大きさの序列を明らかにできれば・以降の対策が容易となる・本報では比例ハザードモデルを用いて,ガスケットの材種,厚さ,ボルト締付けトルクがシール性能に与える影響度を評価することを試みた,その結果,今回行った実験範囲では,材種,厚さに軽微な影響が認められるが,ボルト締付けトノレクの影響はないことがわかった.合わせて分散分析を行い交互作用の有無を調べたが,それは認められなかった.

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