安全工学
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34 巻, 2 号
安全工学_1995_2
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
安全への提言
総説
  • 原田 幸明
    1995 年 34 巻 2 号 p. 78-85
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2017/06/30
    ジャーナル フリー

    ライフサイクルアセスメント(LCA)はISOによる国際標準化の検討も進み,製品などのライフサイクルを通じて与える環境への負荷の評価技術として定着しようとしている.本稿ではLCAを実行する際の技術的な手順とポイントを整理し,その中でも特に取扱いが難しいアロケーション,リサイクルなどの方法上の課題について説明を加えた.

  • 高橋 英明
    1995 年 34 巻 2 号 p. 86-93
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2017/06/30
    ジャーナル フリー

    幸福な生活を送る権利が,日本国憲法第25条「生存権,国の社会的使命」によって定められている.これを本質から脅かす脅威,すなわち「幸福への脅威」ないしは「無事であることの破綻」には,「安全」が大きく関係している,この安全を脅かす要素には内的なものと外的なものがあり,内的要素としてがんなどの疾病,外的要素として自然災害や交通事故などの不慮の事故がある. 本稿は地域を対象としたリスクマネジメントの概念を紹介し,さらにすべての外的危険要因である「不慮の事故および犯罪」による被害を考慮することで,地域の危険度の指標化を試み,総合的な観点から地域の安全に関する問題を提起したものである.リスクマネジメントや危険度マップの概念・および文化的視点からの安全の把握は,地域を対象とするばかりではなく,企業や設備,さらに個人の安全問題を明確にする手段となりうるものと思われる.

報文
  • 吉田 美樹・河村 祐治, 瀬瀬 満
    1995 年 34 巻 2 号 p. 94-101
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2017/06/30
    ジャーナル フリー

    可燃物タンクヤードにおける火災時に,隣接するタンクや設備に対して火災からの熱放射の影響を予測しておくことは,設計ならびに防災対策上重要なことである.本報ではモンテカルロ法を用いたプール(タンク)火災における熱放射伝熱解析の第1段階として,既往の解析値と照合し適用性を検証するとともに熱放射体の火災モデルとして使用されている,平板モデルと円筒モデルについて解析し,比較 検討した. 本手法により計算した局所値は理論解析値と良好に一致し,適用性が認められる.また本手法では適正な計算条件を設定すれば,1回の計算によって受熱対象面の局所値の分布が得られる.火災モデルとして平板モデルと円筒モデルを比較すると,一般に平板モデルのほうが大きい値を示すが,多くの場合大差ない.ただしタンク火災ではタンクに近接している受熱面に対しては円筒モデルの使用が勧められる.

  • 大塚 尚寛, 関本 善則
    1995 年 34 巻 2 号 p. 102-106
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2017/06/30
    ジャーナル フリー

    道路粉じんが道路端からどの程度の範囲にまで影響を及ぼレているかを明らかにする目的で,降下ばいじんの水平,垂直方向の分布を測定するとともに,粉じんの拡散理論計算により影響範囲の推定を行った.スパイクタイヤ使用規制以前には,冬期の道路端で降下ばいじんが大幅に増加する傾向がみられたが,道路から離れるに従って降下ばいじんは急激に減少する傾向を示した.降下ばいじんの拡散式として,粒子の沈降と,地面での反射がないものと仮定して誘導した理論式が,降下ばいじんの距離減衰傾向とよく一致することが明らかとなった.降下ばいじんからみた道路粉じんの影響範囲は,測定結果と拡散理論計算のいずれからも,道路から30~40mの範囲内であると判断された.

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