安全工学
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35 巻, 2 号
安全工学_1996_2
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安全への提言
総説
  • 中村 林二郎
    1996 年35 巻2 号 p. 118-123
    発行日: 1996/04/15
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー

    阪神大震災で危機管理が叫ばれているが,ここで述べるリスクマネジャーはもちろん危機管理も担当するが災害の事前予防がおもな仕事である。まずなにが起こるかわからない初めての事故例を取り上げ,いかなるシステムがどんな対応をしたらその事故は起こさずにすんだかを考察し,実際リスクマネジャーがいたら事故は防げたか否かを検証した.つぎにプラントの計面・建設から運転・保守に至る間にリスクマネジャーがいかに安全上大切かを述べた.しかし,リスクマネジャーも自己の安全性判断には甘くなる恐れがあるので安全性の判断は第三者機関に轟たらせる.損害保険との連動があればさらに効果がある.プラント関係の過去の大事故もリスクマネジャーの活用で防げた可能性が大きい.安全と性能や経済とはトレードオフの関係にあるため本来同一人の任務とするのは不適当であり,ラインから切り離した組織としてリスクマネージメント部を設ける必要性がある.現行の安全規制は技術導入時代にはおおいに役に立ったが,制度疲労を起こしており,さらに,初めての事故防止には無力であるから,企業側の自主保全体制が整った段階で新しい制度に切り替える必要がある.

報文
  • 黒田 英司, 永石 俊幸
    1996 年35 巻2 号 p. 124-128
    発行日: 1996/04/15
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー

    ボロンと13種類の酸化剤の混含系について静電気感度試験を行った.それらの感度の最小値は,発火確率50%の発火エネルギーで約10μJから320mJと広範囲にわたった.ボロンー酸化剤混合系の最小50%発火エネルギーは,約100mJを境にして二つに分類された.一つは,それより高い発火エネルギーで,試験電気回路は50kΩよりも大きい直列抵抗と0.9mmよりも長い電極間隙長で鋭感な混合系である.もう一つはそれよりも低い発火エネルギーで,20kΩよりも小さい直列抵抗と0.2mmよりも短い電極間隙長で鋭感な混合系である.

  • 大塚 尚寛, 関本 善則, 芳賀 渉
    1996 年35 巻2 号 p. 129-135
    発行日: 1996/04/15
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー

    土-壌中のBaP含有量の季節変動にっいて調べる目的で盛岡,釜石両市内の土壌を期別に採取して分析を行った.土壌中のBaP含有量は,冬期>春期>秋期>夏期の順であり,特に夏期のBaP含有量がほかの季節と比較してかなり低くなる季節変動がみとめられた。その原因の一つとして,紫外線によるBaPの分解が考えられることが,紫外線強度の測定およびBaP含有量の経日変化の測定から明らかとなった.土壌中のBaP含有量を測定することにより,その地域のBaPによる大気汚染状況をおおむね把握することが可能である.ただし,夏期においては,土壌中のBaPはほかの季節に比べて低くなっている事実から,大気中のBaP濃度を必ずしも反映していないことが考えられる.

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