安全工学
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36 巻, 3 号
安全工学_1997_3
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
安全への提言
報文
  • 黒田 英司, 永石 俊幸
    1997 年 36 巻 3 号 p. 146-152
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー

    水素化ジルコニウム(ZrHx)はジルコニウムと同じく,空気中の酸素と反応して,発火し,燃焼する.そのために試料量と試料の状態,特に,試料内部の空気含有量が50%発火エネルギー(E50)に大きく影響する.ZrHxのE50はxが小さくなるほど,また,電極間隙長が短くなるほど低くなった.ZrHx と各種酸化剤の混合系でも,成分のZrHxのxが小さくなるほどE50は低くなり,混合系の混合比とE50の関係では,ZrHx,100%のときが最もE50が低く,コンデンサ容量,ZrHxと酸化剤の種類,および酸化剤の粒度によって,化学量論比混合近くでE50の低下が認められる場合があった.ZrHxが80~95%混合のときは酸化剤は希釈剤として作用し,また,混合系の放電開始電圧を変化させ,E50が異常に高くなる場合があった.このような静電気感度特性はジルコニウムと酸化剤混合系の感度特性に類似している.

  • 弓田 有紀枝, 広本 雅美, 中川 良三
    1997 年 36 巻 3 号 p. 153-158
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー

    魚を多食する人の頭髪中水銀濃度は比較的高いことが知られている.最近,国外では,魚類中の水銀濃度が増加していると報告されている.しかし,魚の消費量は増加しているが,規制基準を超える水銀量を含むマグロなどの大型魚類の対処水準は日本においては規制対象外である.そのため,日本人が食品から摂取する水銀量は不明である.本研究の目的は日本における環境から摂取する水銀量を見積ることである.食品の水銀調査には,市販されているものを用いた.調査の結果,食べる状態の食品から摂取する水銀の1週問摸取量は0.15mgであった.環境から摂取する水銀のほぼ100%が魚類の喫食によるものであった.総水銀の75%をメチル水銀と仮定すると,週間摂取メチル水銀量0.11mgは厚生省の定めた暫定的週間摂取量限度0.17mgの約62%に相当した.

資料
  • 松崎 憲四郎
    1997 年 36 巻 3 号 p. 159-167
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー

    油流出事故を未然に防止し,万一事故が起こった場合に油防除・処理体制の検討・立案を行うためには油汚染源のみではなく,自然環境,社会環境,油防除資機材など多岐にわたる調査が必要である. 油汚染対策の一環として流出油の挙動,拡散範囲,漂着域などを予測し,流出油の防除体制ならびに処理体制の検討,流出油による周辺環境への影響予測・評価などを行う手段としての流出油シミュレー ションについて紹介する.

  • 信川 益明
    1997 年 36 巻 3 号 p. 168-174
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー

    医療廃棄物は,医療に使用したもので人に対し感染の恐れおよび損傷性のある廃棄物,ならびに環境を汚染する恐れのある有害化学物質である.医療廃棄物の分別,保管,収集,運搬,中問・最終の処理・処分等についての学際的な研究が,社会の安全確保を図るために急務である. そこで,医療廃棄物の排出,処理等における安全に関して,医療廃棄物の現状,救命救急センター(24時間体制で重篤な救急患者を受け入れるための高度な診療機能を有し,各地域の救急医療の要を担うもの)における医療廃棄物に関する実態調査(1995年2月に全国120か所を対象とし質問紙法により実施,回収率71.7%)と分析結果,医療廃棄物に関する取組みの事例(杏林大学医学部付属病院)を感染予防 対策の観点から報告する.

  • 宮村 鐡夫
    1997 年 36 巻 3 号 p. 175-182
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー

    損害賠償に関する責任法理の一っである製造物責任は,不法行為責任法理を過失責任から製品欠陥責任に原則転換した制度である, わが国の製造物責任法では,適用要件として①製造物,②製品欠陥,③損害を定めている.ここでいう製品欠陥は単なる品質上の毅疵ではなく,当該製品以外に損害が拡大して発生していることを前提に安全性の視点より判断される.製造物に限定している背景としては,人間がすでに存在している有体物に手を加えて作り込んだ欠陥の未然防止義務を指摘できる.

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