安全工学
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37 巻, 6 号
安全工学_1998_6
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
安全への提言
総説
  • 酢屋 ユリ子
    1998 年37 巻6 号 p. 370-377
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2017/04/30
    ジャーナル フリー

    O-157などや環境問題,有害化学物質等が社会問題化している.病院においてもこれら社会事象への対応は無縁ではなく,危機感すら覚える.ところが,医学は進歩していくにもかかわらず,環境管理にはあまり関心が示されなかったため,複雑多岐にわたる対応に多くの課題が山積している.病院の環境管理は,医療を支援する基本的機能と位置付け,病院経営との調和を図って,院内感染防止対策を核に,労働衛生,環境衛生,廃棄物対策などを合理的,効率的,総合的に実施し,質の高い医療サービス を提供していく必要がある.

  • 村田 勝
    1998 年37 巻6 号 p. 378-384
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2017/04/30
    ジャーナル フリー

    医療事故・医療過誤訴訟が急増している。この理由として高度医療の増加やインフォームドコンセントや電子カルテの出現による情報公開など医療に対する愚者の意識変化などが要因と考えられている.このため,医療の標準化,医療の質の評価,医療事故予防活動など医療事故を予防するため,病院のリスクマネジメントを実践することが求められている.メディカル・リスクマネジメントの先進国である米国の医療機関の各種活動と比較しながら,日本の医療機関の現状を検証する.

  • 池田 卓也
    1998 年37 巻6 号 p. 385-391
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2017/04/30
    ジャーナル フリー

    今や医療機器なしには存在し得ない最新医療は,その安全性を医療機器に大きく依存する.安全を目的の機器さえ安全を脅かす虞れは,医療に限らず高性能機器に共通する.患者・職員・環境への安全には,機器自体以上に人的要因の関与が大きい.サリドマイド以来の医療の安全への世界的な流れに,臨床工学技士の育成・モニタ制度の強化・医療の質的評価など,わが国も健康被害事故の反省に立ち,ようやく欧米に倣って医療機器の安全への枠組みを整えた段階である.これが本格的な医療の安全に繋がるには,医療安全工学の研究と教育が必要である.

  • 芦澤 直文
    1998 年37 巻6 号 p. 392-400
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2017/04/30
    ジャーナル フリー

    麻酔という医療行為は,本質的に危険を伴うものであり,麻酔を実施するということは,患者を麻酔状態に導き,引き続き全身管理・危機管理を実践することにある.麻酔の安全性には,麻酔担当医の能力,患者の全身状態,手術,薬剤,機器の設備とその保守点検の状況など多くの因子が関与している。 麻酔の安全性を確保・向上させるためには,人的・物的資源を適正・有効に活用できるようなシステムや制度を,おのおのの医療施設や教育機関,学会などが構築する必要がある.個人の過失はシステムの欠陥に起因するという発想が肝要である.

  • 竹内 博樹
    1998 年37 巻6 号 p. 401-407
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2017/04/30
    ジャーナル フリー

    石油化学プラントのような巨大連続プロセスと異なり,医薬品製造はセミバッチ,バッチプロセスで行われることから,事故の規模はそれほど大きくないと考えられがちである.しかし,一歩間違えれば大きな事故につながることは,いろいろな事故の例をとるまでもなく明らかである.事故を防止するため,当社の医薬品開発から生産に至る過程において実施している危険性評価,安全対策等について述べる.

  • 酒井 糾
    1998 年37 巻6 号 p. 408-410
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2017/04/30
    ジャーナル フリー

    北里大学病院における25年にわたる院内感染対策について紹介した.本院ではチーム管理を基本とし,昭和48年に委員会を立ち上げ月1回の割合で討議を重ね,その都度問題となることについて対応してきている.また昭和50年以来マニュアルを作製し,2年ごと改訂を行ってきた.今までに12版を数えているが,度重なる改訂で厚さを増し,今では変形A4判200頁に達している.これからの院内 感染対策のあるべき姿について,病院環境整備という広い視野での取組みについて紹介した.

  • 統合的な安全システムの構築
    渡辺 昇
    1998 年37 巻6 号 p. 411-416
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2017/04/30
    ジャーナル フリー

    最近院内感染防止対策と医療廃棄物の処理が関連して論じられるようになってきた.当然といえば当然のことなのだが,今までは別の問題として取り扱われてきたきらいがあり,同じ感染の恐れがある物を扱いながら,対応に大きな違いがあって特に安全対策の点がめだっていた. なおこの点については,安全工学,Vol.29No,6(1990)誌上で,医療廃棄物の排出動向と処理における安全対策として,多少触れ院内外の安全対策を抱括的に考えるべきであることを示唆している,

  • 白戸 四郎
    1998 年37 巻6 号 p. 417-424
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2017/04/30
    ジャーナル フリー

    日本で体系的に取り上げられることのほとんどなかった「医療職員の安全管理」についてアメリカのガイドラインを紹介し,具体的事例として抗悪性腫瘍剤(細胞毒性薬剤)の問題を解説した。抗悪性腫瘍剤は絶望のさなかへの一筋の光として期待されることが少なくないが,反面取り扱う人の被曝という深刻な問題を内包しており,欧米では職域ごとに詳細なガイドラインを作成し,官民の協力で対応している.本稿では医療職員が知識不足のために被曝しないよう,被曝防止の方法を設備的対応を含めて解説した.癌化学療法は欧米では病院から在宅医療へと急速に移行しっつあり,それに伴う環境汚染も憂慮されている.生物存続の設計図であるDNAを傷害する物質としての細胞毒性薬剤を正しく認識し,当事者自身の安全と地球環境の保全を追求することは今日の緊急的課題といえよう.

  • 堤 寛
    1998 年37 巻6 号 p. 425-431
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2017/04/30
    ジャーナル フリー
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