安全工学
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38 巻, 2 号
安全工学_1999_2
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
安全への提言
総説
  • 内山 巌雄
    1999 年38 巻2 号 p. 70-77
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2017/04/30
    ジャーナル フリー

    内分泌撹乱化学物質(環境ホルモン)問題が国民の関心の的になってから2年がたつが,この間情報のあいまいさも手伝って大きな社会不安を引き起こした.内分泌撹乱化学物質問題は野生生物への影響では,DDT,PCBなど因果関係がはっきりしたものもあるが,人間への影響に関してはいまだ仮説の段階のものが多い。本稿では,内分泌撹乱化学物質問題のこれまでの概況を説明し,昨年京都で開催された国際シンポジウムでの最近の情報にも触れた.化学物質のこれまでのリスク評価が発がんに偏っていた点を反省するとともに,化学物質への暴露は少なければ少ないぽど好ましく,健康影響の未然防止を図るという立場を取りながら,着実な調査研究とリスク評価が行われることを望む.

  • 森田 昌敏
    1999 年38 巻2 号 p. 78-84
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2017/04/30
    ジャーナル フリー

    環境ホルモンとは,外来性の物質で生体内のホルモンレ・ベルに影響を与えることを通じて,生殖や神経系に対して悪影響を示す物質である.このような物質と関連しうる生態系および人体影響について記述するとともに,そのような物質のモニタリング手法に言及している.現在これらのモニタリングに用いられる計測法はGC/MSを中心とした化学計測であるが,同時にバイオアッセイの利用が求められる.環境ホルモンの中でも最も重要な物質の一っは,ダイオキシン類であり,その汚染源は主としてゴミ焼却と考えているが,汚染の現状等についても述べている.

  • 西原 力
    1999 年38 巻2 号 p. 85-92
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2017/04/30
    ジャーナル フリー

    内分泌撹乱化学物質(ED),いわゆる環境ホルモン問題の緊急課題の一っは多種類の流通化学物質の中から疑わしい物質をリストアップし,順次確認することである・そのためには迅速・簡便なバイオァッセイによるスクリーニング試験が必須である.そこで,現在開発されている代表的なスクリーニング試験について解説する.すなわち,動物固体を用いる亜急性毒性試験(修正案)や卵巣摘出マウスの子宮肥大試験,乳がん由来培養細胞増殖試験,組換え遺伝子を導入した培養細胞や酵母を用いるレポーター遺伝子試験などである.私たちは,酵母Two-Hybrid Systemを用いて迅速・簡便なレポーター遺伝子試験の一っを開発したので,その方法や結果もあわせて紹介する。そして,EDに限らず,化学物質のリスク管理には人の知識と意識が大切であることを述べてみたい.

  • 門上 希和夫
    1999 年38 巻2 号 p. 93-100
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2017/04/30
    ジャーナル フリー

    化学物質は,現代社会に不可欠なものであるが,環境ホルモンなど一部物質の環境汚染により人間の健康や生態系に悪影響がでている.本稿では,環境庁が実施している化学物質環境調査および著者らが行った調査に基づいて現在の日本の環境汚染状況を明らかにする.さらに代表的な環境ホルモンである有機塩素系物質が,地球規模で汚染を拡大し,海棲ほ乳類の体内に高濃度に蓄積されている事を示す,最後に,化学物質の安全性評価のためのリスクアセスメントの実施やその結果を国民に伝えるためのリスクコミュニケーションの必要性を指摘し,生態系を維持して持続的発展をするためにわれわれがどのように化学物質と共存していくべきか私見を述べる.

  • 安田 憲二
    1999 年38 巻2 号 p. 101-107
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2017/04/30
    ジャーナル フリー

    ダイオキシン類は「燃焼」を行わせるほとんどの発生源から発生している.これらの発生量は,各国における燃焼施設等の状況や排出抑制対策の内容によって異なる.日本では,ダイオキシン類の主要な発生源は廃棄物焼却炉であるが,廃棄物の処理・処分では焼却以外の資源化においてもダイオキシン類が排出されている.また,廃棄物焼却炉からのダイオキシン類の排出では・排ガス中よりも焼却灰および飛灰に多く含まれて環境中に排出されている.したがって,ダイオキシン類の環境に対する排出量を現状よりも少なくするためには,廃棄物の減量化や飛灰等からの排出抑制技術など,総量的に排出が抑制できる対策が求められている.

  • 香山 不二雄
    1999 年38 巻2 号 p. 108-112
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2017/04/30
    ジャーナル フリー

    内分泌撹乱化学物質(環境ホルモン)の自然界の生物への影響は,多くの例で動物実験等で証明されている.一方,環境ホルモンとの関連が危惧されている人の健康影響は.因果関係がまだ定かではない。食物エストロジェン,人の意図的なホルモン製剤の使用などさらに相互作用も含めて評価をする必要がある.しかし,問題点の重要さからも早急に,暴露量の評価と健康影響調査を行い,リスク評価手法を確立していかなければならない.

報文
  • 齊藤 貢・大塚 尚寛, 高橋 宏卓
    1999 年38 巻2 号 p. 113-121
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2017/04/30
    ジャーナル フリー

    固定発生源から排出される重金属成分濃度値をもとに風下方向の拡散予測を行い,大気中の実測濃度 値と比較した.風下1000m地点において実測濃度値と予測濃度値の比較を行った結果,Mg,Fe,Zn,Pbの4成分で濃度変動に類似性がみられ,高い相関が得られた.さらに,統計的手法を用いて拡散予測濃度値と実測濃度値の妥当性について検討した結果,クラスター分析および因子分析により,Fe,Zn,Pbは予測濃度値との整合性が高いことから,固定発生源寄与と判断された.一方,Mg,Ca は粒径10μm以上の粒子状物質中からの検出割合が高いことから,土壌巻き上げ寄与と判断された,実測データの統計解析でグループ化されたFe,Zn,Pbの3成分が.予測濃度値との比較において 高い相関が得られたことは,今回の拡散予測の妥当性を示す結果といえる.

資料
  • 鈴木 健司
    1999 年38 巻2 号 p. 122-128
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2017/04/30
    ジャーナル フリー

    当所(出光興産(株)兵庫製油所)では,1986年よりTPM活動(Total Productive Maintenance l 全員参加の生産性保全活動。当所では,MをManagementと置き換え,全員参加の製油所経営活動) を導入し,生産性の向上をはじめ経営全体に大きな成果を上げている。1995年には優秀賞,1998年には特別賞を受賞することができたが,その中から製油所の安全操業の基盤となる設備管理面の活動について紹介する.ここで紹介する『信頼性向上を目指した予測型設備管理活動』は,計画保全活動と自主保全活動で構成され,/992年を起点として6年間に及ぶ地道な活動で築いた予測型設備管理のしくみが,高圧ガス保安法に基づく4年連続運転の自主保安認定を国内最初に取得するべ一スとなった.

  • 高木 伸夫
    1999 年38 巻2 号 p. 129-136
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2017/04/30
    ジャーナル フリー

    プロセスプラントの事故は単一の原因によって発生することはまれで設計,施工,操作,設備管理などの複数の不備が複雑に絡み合って発生することが多い。このため,一つの側面のみからの対策では片手落ちになり総合的な対策,管理が必要となる,今回は,プラントの安全設計にあたって基本として認識しておくべき物質危険性ならびに操作危険性について概説する.

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