環境省が1998年に内分泌擁乱作用が疑われる化学物質約70化合物を発表してから今日までに,国や自治体を中心に,環境中のこれらの化含物の実態調査結果が多数報告されている.その中から河川水および地下水のデータをまとめ汚染状況を把握した.また,検出濃度および頻度の高いフタル酸ジエステル類,ビスフェノールAおよびノニルフェノールとその前駆物質についての環境中での動態に関する報告を紹介した.分解物の中には内分泌撹乱性が認められるものもあり,今後,さらに他の化合物も含めた環境中での動態の解明を進めるとともに,分解物を含めたモニタリングが必要であると考えられ た.
近年,QMS,EMS,OHSMSなどのマネジメントシステムの導入が各企業で進んでいるが,発電所 においても品質・環境・安全の継続的改善は,不可欠な要件である.しかし,品質・環境・安全はそれぞれ密接な関係を持っていることから,現場における活動を的確に行うためには,それらの連携と協調をはかることが必要である.例えば,電気設備の作業において感電が発生すれば,災害はもちろんのこと発電停止や環境設備の停止など,品質や環境への影響を伴うトラブルも想定されることから,リスクアセスメントは総合的に行わなければならない. 碧南火力発電所では,従来から取り組んできた安全や晶質,信頼に係わる活動を整理体系化し,リスクマネジメントシステムとして再構築した.同システムの運用を昨年11月から開始したので紹介する、
産業技術総合研究所と科学技術振興事業団が同事業団の研究情報データベース化事業により共同開発した「リレーショナル化学災害データベース」の開発経緯,概要,特長などについて紹介した.このデータベースの最大の特長は,過去に起こった事故と類似の事故を起こさないために利用者に役立つ情報の提供を目的として,化学災害の事故事例とそれに関連した物質の危険性データ,プロセスフロー図や反応式などの付帯情報,専門家によって解析された事故進展フロー図とがリンクされている点である,また,より利用しやすいデータベースとするために,最終事象,工程,装置,推定原因,被害事象にっいて専門家によるキーワード階層化を行い,多様な条件による事例検索を可能とした.
高圧ガス保安協会では平成元年から14年までに発生した高圧ガス保安法関係事故1613件を中心として,海外参考事故,国内他法令参考事故,液化石油ガス法関係事故を収録し,検索機能を有したデータベースを作成した。このデータベースは,例えば,高圧ガス保安法関係事故では事故個別番号,事故区分,事故名称,発生年月日,県名,死傷者数,物質名,現象,業種,設備区分,取扱状態,事故原因,着火源,事故概要を各事故ごとに収録しており,事故によっては,詳細事故報告書,関連する図,写真等も収録している.また,製造,移動中,消費先等の事故区分ごとの事故発生件数を一覧表として 表示している. 本稿では,高圧ガス保安法関係事故を例にとって,データベースの内容,検索方法を説明するとともに,死者数の多い事故の紹介をしている.
化学物質は豊かで快適な生活を送る上で不可欠なものであるが,一方で,環境汚染や健康被害をもたらす危険1生も有している.このような化学物質と上手につき合っていくためには,化学物質の有用性と使用される状態や量に応じて変化する危険性,すなわちリスクを評価し,管理していくことが必要とな っている. これまで独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)では,化学物質の審査および製造等の規制に関する法律(化審法)や,特定化学物質の環境への排出量の把握等および管理の改善の促進に関する法律(化学物質排出把握管理促進法,化管法)等の法律関連業務や経済産業省産業技術環境局知的基盤整備事業の「化学物質安全管理基盤整備」の一環として,化学物質の有害性情報を整備しデータベース化する事業を進めてきた.さらにこれらの知見を基に化学物質のリスク評価やリスク評価手法等に関する情報を拡充するとともに,化学物質を取り扱う事業者がそのライフサイクルの各段階で管理を行うため,またリスクコミュニケーションを支援するため等の総合的な情報発信機能をあわせ持つ中核的な機関を目指している.本編では,各種データベースの解説を中心にNITEにおける化学物質の総合安全 管理に向けた取組みについて紹介する.
「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化学物質審査規制法)」では,化学物質による環境汚染を通じた人の健康被害を防止するため,新たな工業用化学物質の有害性を事前に審査し,PCBやトリクロロエチレンのように,難分解性で,継続して摂取すると人への長期毒性のある化学物質について,その有害性の程度に応じた製造・輸入などの規制を行ってきた. 一方,欧米では,人の健康への影響と並んで動植物への影響にも着目するとともに,環境中への放出可能性を考慮した化学物質の審査・規制を行うことが主流となっている。このような状況の下,関係審議会での審議が行われ,その結論を踏まえ,動植物への影響に着目した審査・規制制度の導入,環境中への放出可能性を考慮した一層効果的かつ効率的な措置の導入等を内容とする化学物質審査規制法の改 正が本年5月に行われた.
乾燥機や集じん機などの汎用装置はさまざまな産業分野で使用されているが,これらの装置での爆発災害が繰り返し起きている.爆発災害を未然に防止するにはいくつかの方法があるが,技術的・経済的な問題もあって,完全に防止できないことがある.このような場合には,未然防止対策とともに万一装置内で爆発が起きたとしても,その被害を最小限に抑える対策を講じる必要がある。爆発圧力放散設備はそのひとっであるが,具体的方法や技術的指針が明確ではなかった. 産業安全研究所では,爆発圧力放散設備の実用化と普及のため「爆発圧力放散設備技術指針」を作成し公表した.本資料では,この技術指針の内容を中心に設計法の概要を紹介する.また,主要な参考文献のひとつであるNFPA68が2002年に改訂されているので,その内容についても触れる.
昭和63年に津軽海峡東口で発生した,ケミカル・タンカーからのスチレン・モノマー流出事故につ いて事例分析を行った. 海上における危険物流出事故対応には,陸上における事故とは異なる側面があり,対応策を検討するために更なる情報を必要とする. 海水温度,塩分濃度,海潮流,吹送流,風圧流,海水温度における流出液体の蒸気圧,密度,粘度といった情報が必要であることが判明した.