安全工学
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43 巻, 1 号
安全工学_2004_1
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
会告
安全への提言
土壌汚染の現状と対策特集(2)
  • 谷口 紳
    2004 年 43 巻 1 号 p. 2-11
    発行日: 2004/02/15
    公開日: 2017/01/31
    ジャーナル フリー

    最終処分場の逼迫,産廃課税の広がり,産業界全体としてのリサイクルの方向性,この三者があいまって,土壌処理も,掘削産廃処理から原位置処理に大きく変わろうとしている.現在,数多くの地下水浄化処理が進められているが,環境基準値の達成は極めて困難で,終点の見えない設備の長期運転が続いている例が多い.生体へのリスク低減の観点からも,汚染源の早期浄化が強く望まれる. ここでは,有機化合物および有機塩素化合物で汚染された土壌,地下水を対象とした熱的および,生物化学的原位置浄化技術を紹介する.技術概要,トリータビリティテスト結果,採用された経緯,施工方法,浄化運転状況,モニタリング結果等実際の修復例を用いて解説した.

  • 今村  聰・小松  寛
    2004 年 43 巻 1 号 p. 12-19
    発行日: 2004/02/15
    公開日: 2017/01/31
    ジャーナル フリー

    揮発性有機塩素化合物,炭化水素化合物,および油分等の有機化合物による土壌・地下水汚染に対する対策は,これらの物質が分離・分解し易いという特性があることから分解あるいは除去するといった浄化技術が中心となっている.この浄化技術には,生物分解あるいは化学分解に代表される原位置分解技術や土壌ガス吸引法に代表される原位置抽出技術による掘削を伴わない「原位置対策」,掘削した土壌あるいは揚水した地下水から分解・分離技術により汚染物質の除去・回収を行う「処理対策」がある.土壌・地下水汚染対策を行うに当たっては,対象となる土地の汚染状況,土地利用状況等の社会的な条件を考慮しつつ,その技術の適性に応じた浄化対策を選定し,より合理的かつ経済的な土壌・地下水浄化を行っていくことが重要である.

  • 志田 慎太郎
    2004 年 43 巻 1 号 p. 20-27
    発行日: 2004/02/15
    公開日: 2017/01/31
    ジャーナル フリー

    米国のスーパーファンド法は,世界で初めての土壌汚染対策法である.この法律の執行過程は試行錯誤の連続であったが,20 数年の経験を経て,ようやく所期の目的を実現しつつある.スーパーファンド法は,わが国の土壌汚染対策法の立法に当たって,その長所・短所とも検討の材料とされており,また今後の運用にも参考になる.汚染地情報の整備・公開,汚染対策技術の開発,不動産取引への配慮など,米国の優れた対策に倣い,わが国においても土壌環境の改善が進むことが望まれる.

  • 佐藤 雄也
    2004 年 43 巻 1 号 p. 28-32
    発行日: 2004/02/15
    公開日: 2017/01/31
    ジャーナル フリー

    土壌汚染の顕在化の状況と土壌法施行以前の自主的対策の状況を解説.土壌法の成立の経緯と土壌法の施行状況をもとに市場規模の動向を左右する要因として,土壌法施行の効果,浄化件数・金額の実績,指定区域に対する市場の評価,土壌法への事前対応の観点から今後の市場規模について考察を行った.なお,当センターが推計した土壌汚染調査対策費用の推計は土壌法の市場規模を推計したものではない.

  • 千葉 亮
    2004 年 43 巻 1 号 p. 33-38
    発行日: 2004/02/15
    公開日: 2017/01/31
    ジャーナル フリー

    わが国の土壌汚染関連連ビジネスについて,土壌汚染調査・分析業界だけでなく,これに関連する業界について解説する.

技術ノート
  • 歌川  学・小杉 昌幸
    2004 年 43 巻 1 号 p. 39-43
    発行日: 2004/02/15
    公開日: 2017/01/31
    ジャーナル フリー

    岩石破壊靭性試験(モードⅠ型,引張破壊)における寸法効果について,乾燥状態と湿潤状態の2 種類の条件において,稲田花崗岩と来待砂岩の二つの岩石において検討を行った.湿潤状態における試験は,水の供給は実験時のみとし,実験前の試験片の水への浸漬はとくに行わなかった.破壊靭性はISRM(国際岩の力学会)が三点曲げ試験で提案している方法を用い,湿潤状態にも準用した. その結果,乾燥状態と湿潤状態の2 種類の条件において,稲田花崗岩と来待砂岩の二つの岩石において,いずれも試験片直径が50 mm 以下の範囲で求めた破壊靭性が大きく変化し,50 70 mm の範囲では変化がなかった.このことから,稲田花崗岩,来待砂岩の破壊靭性試験においては,乾燥状態,湿潤状態を問わず,おおむね50 mm 以上の直径を有する試験片を用いる必要があると考えられる.

資料
  • 伊藤 豊治
    2004 年 43 巻 1 号 p. 44-49
    発行日: 2004/02/15
    公開日: 2017/01/31
    ジャーナル フリー

    総務省消防庁は,「阪神・淡路大震災関連情報データベース」を構築し,平成13 6 1 日から継続し運用している.阪神・淡路大震災の被害や当時の活動記録に関するデータのほか,震災以降の国,都道府県,市町村,消防機関等の防災施策・事業や消防団等の防災活動の実施過程で蓄積されたデータを幅広く収集・整理し,登録している. 本データベースの基本的コンセプトは,1)「消防・防災」の視点に立って,防災業務を支援する有用データを地域防災計画の体系に基づき整理,登録した.2)震災直後の活動体制,情報収集・伝達など初動対応(危機管理)の経過や今後のあり方に重点をおいてデータ化した.3)インターネットにより公開し,多方面の利用に供していることなど.

  • その4:爆発圧力放散指針 NFPA 68 の主な改訂内容
    板垣 晴彦
    2004 年 43 巻 1 号 p. 50-53
    発行日: 2004/02/15
    公開日: 2017/01/31
    ジャーナル フリー

    乾燥機や集じん機などの汎用装置はさまざまな産業分野で使用されているが,これらの装置での爆発災害が繰り返し起きている.爆発災害を未然に防止するにはいくつかの方法があるが,技術的・経済的な問題もあって,完全に防止できないことがある.このような場合には,未然防止対策とともに万一装置内で爆発が起きたとしてもその被害を最小限に抑える対策を講じる必要がある.爆発圧力放散設備はそのひとつであるが,具体的方法や技術的指針が明確ではなかった. 産業安全研究所では,爆発圧力放散設備の実用化と普及のため「爆発圧力放散設備技術指針」を作成し公表した.本資料では,この技術指針の内容を中心に設計法の概要を紹介する.また,主要な参考文献のひとつであるNFPA 68 2002 年に改訂されているので,その内容についても触れる.

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