ベンゾ(a)ピレン(B(a)P)は,紫外線により光分解することが報告されているが,その反応過程や分解生成物について完全に解明されたとはいえない.そこで光照射によるB(a)P 構造の変化過程を解明するため,異なる光源下(太陽光,水銀ランプ,ブラックライト)における光分解生成物の同定と生成割合について検討した.また,半経験的分子軌道法(MOPAC)によるB(a)P 光分解過程の推定を行った. 光分解実験の結果,多環状炭化水素化合物,含酸素化合物,直鎖状アルカン類の生成が確認された.多環状炭化水素化合物は光照射とともに減少するか一定で推移する傾向,含酸素化合物は増加する傾向,直鎖状アルカン類は構成炭素数の多い化合物ほど増加する傾向が認められた.また,半経験的分子軌道計算の結果,B(a)P ラジカルと酸素分子の反応で1,6─B(a)P キノンが生成し易いことが推測された.
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