安全工学
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45 巻, 4 号
安全工学_2006_4
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
会告
巻頭言
総説
  • 梅崎 重夫・清水 尚憲
    2006 年45 巻4 号 p. 204-211
    発行日: 2006/08/15
    公開日: 2016/11/30
    ジャーナル フリー

    現在,日本ではISO 12100 を始めとする機械安全規格にしたがって,産業機械の設計・製造を行うのが常識となりつつある.この具体例に,本質的安全設計方策や安全防護物(ガード,保護装置)の適用がある.しかし,現実には,機械停止が困難な危険点近接作業や複数作業者が広大領域内で行う作業のように,これらの方策だけでは適切なリスク低減が期待できないものもある.実際,著者が日本で発生した産業機械による死亡労働災害(挟まれ・巻き込まれ災害と激突され災害に限る)を分析したところ,危険点近接作業に関連した災害が44.2 %,生産ラインなどの広大領域内で発生した災害が35.7 %,他の作業者が誤って機械を起動したために発生した災害が12.4 %であり,これらのいずれかに関連した災害が 65.1 %を占めていた.このため,本報では,機械停止の困難な危険点近接作業と複数作業者が広大領域内で行う作業を対象に,災害防止手法の明確化を試みた.以上の結果は,ISO 12100 やISO 11161 を補完する戦略としても活用できると考える.

  • 丸山 真弘
    2006 年45 巻4 号 p. 212-219
    発行日: 2006/08/15
    公開日: 2016/11/30
    ジャーナル フリー

    2001 年から2002 年にかけてのエンロンやワールドコムの経営破綻を受け,米国では内部統制やガバナンスに関する制度の見直しが行われた.本稿では,エンロンとワールドコムの経営破綻の状況を振り返りつつ,制度面から見た問題点と対応の動きについてとりまとえめたうえで,日本の状況との比較を行う.

  • 今市 重道
    2006 年45 巻4 号 p. 220-227
    発行日: 2006/08/15
    公開日: 2016/11/30
    ジャーナル フリー

    東燃ゼネラル石油は,安全マネージメントシステムとしてエクソンモービルが開発した,安全・健康・環境の側面を統合した包括的なマネージメントシステムOIMS を1993 より導入している.OIMS は,企業活動の基盤として安全,健康,環境面の実績向上に大きく貢献している.導入依頼13 年が経過したが,安全マネージメントシステムの導入で安全をすべて達成できないことを経験上学んだ.「事故ゼロ」の達成と維持に向けて,マネージメントシステムを補強するBBS(behavior based safety),つまり作業者の行動に視点を向け不安全行動を排除し事故の発生を防止するシステム化された安全活動を導入し展開している. 本報では,東燃ゼネラル石油の安全,健康,環境管理のマネージメントシステムの成果,BBS 導入の現状,そして今後の課題について紹介する.

論文
  • ―医療インシデントへの適用
    清水 洋孝, 飯田 修平・柳川 達生・佐伯 みか, 佐藤 吉信
    2006 年45 巻4 号 p. 228-241
    発行日: 2006/08/15
    公開日: 2016/11/30
    ジャーナル フリー

    医療事故は,医療従事者の不注意だけでなく,医療機器の不具合,教育や院内体制の不備,過酷な労働条件等さまざまな要因が複雑に絡んで発生することが多い.医療は,人が人になす行為である以上,医療事故にゼロリスクは有り得ない.医療事故を防止するためには,当事者は当然のことながら組織としても発生したミスや事故に積極的に学ぶしかない. 医療事故と産業事故とは共通面があり,共通した事故防止の方法論を用いることができると考えられる.本論文では,著者が提唱する「t―m―SHEL モデル―RCA ハイブリッド分析手法」を提案する.また,これを医療インシデント事例に適用し,インシデントに係る人的要因を各時間軸での状態遷移において明らかにすることが可能であることを示した.さらに,提案分析手法を用いてインシデントの直接要因,および根本要因について分析を行うことも可能であることを示した.

資料
  • 星野  崇・越  光男
    2006 年45 巻4 号 p. 242-245
    発行日: 2006/08/15
    公開日: 2016/11/30
    ジャーナル フリー

    近年,世界各地で爆薬を使ったテロ事件が頻発している.特に空港,駅などの不特定多数の人が集まる場所において一般市民を狙った事件により多くの人が犠牲になっている.また,これまでの検出機器では検出しにくい新型爆薬が使われる傾向があり,かつ誰でも容易に製造できるような爆薬による事件が多くなっているのが特徴的である. 本研究はこれらの爆薬を空港や駅などの入口で素早く検知し,そして検出された爆発物を安全に保管・処理できるシステムを開発することを目的としている.すなわち爆薬の超高感度検出装置と,検出した爆薬の処理装置を統合した爆発物検出・処理統合システムを爆薬の学理に基づき開発する.爆薬検出・処理技術の基盤となる爆薬の分子構造論的な特徴と起爆機構を化学反応論の立場から明らかにし,爆薬の同定法,爆薬類の不爆化・威力低減化の手法を確立しようとするものである.

  • 若倉 正英
    2006 年45 巻4 号 p. 246-249
    発行日: 2006/08/15
    公開日: 2016/11/30
    ジャーナル フリー

    安全工学会,化学工学会が主体となって製作を進める,化学安全のための初級技術者を対象にした電子教材を紹介する.この教材は物質安全やプロセス安全,化学安全管理,化学安全教育の基礎を事故例を織り交ぜながら学習するもので,それぞれの分野の第一人者が制作に当たっている.この事業は18 年度も継続されており,プラント機器と安全に係る教材を制作する予定である. 制作された教材は科学技術振興機構のWeb ラーニングプラザとして,インターネット上で公開され,自由に学習することができる.

  • ―その4:変更管理は“変える”が対象,では“変わる”は?―
    小林 光夫
    2006 年45 巻4 号 p. 250-257
    発行日: 2006/08/15
    公開日: 2016/11/30
    ジャーナル フリー

    化学関連の事故にかかわらず状況が変化したときに事故が起こりやすいことは,よく知られていることであろう.状況変化には意識的に“変える”と無意識に“変わる”がある.このうち“変える”が変更であり,変更管理が重要だと言われている.これらの“変える”“変わる”について実際の事故例,失敗例から考えてみる.なお,装置のスタート,停止,銘柄の変更なども変化している状態であるが,変化している状態であることが強く意識されていると考えられるので取り上げない.

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