安全工学
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45 巻 , 6 号
安全工学_2006_6
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
会告
巻頭言
海の環境と安全特集
  • 今津 隼馬
    2006 年 45 巻 6 号 p. 364-369
    発行日: 2006/12/15
    公開日: 2016/11/30
    ジャーナル フリー

    海難審判で審理される事故として最も多い事故は,船舶間の衝突事故である.その原因については,海難審判採決やニアミス事例調査などを通して明らかにされている.ここではまず,衝突事故の原因について紹介し,つぎにレーダやARPA(自動レーダプロティング装置)等の船舶への搭載等,これまでに採用された衝突事故防止策について説明する.しかし,このような対策をしたにもかかわらず,衝突事故は相変わらず多い.そこで,現在プロトタイプを製作し,その評価試験を進めている,新しい衝突防止のための支援機器について紹介する.

  • 大貫 伸
    2006 年 45 巻 6 号 p. 370-377
    発行日: 2006/12/15
    公開日: 2016/11/30
    ジャーナル フリー
  • 小倉 秀
    2006 年 45 巻 6 号 p. 378-385
    発行日: 2006/12/15
    公開日: 2016/11/30
    ジャーナル フリー

    四面を海に囲まれたわが国は,海洋とりまく多様な自然環境に恵まれるとともに,そこに存在する豊かな漁場から多くの恩恵を受けるなど,海洋環境と密接な関係の中で国民生活が営まれている. このようなことから,万一,有害物質・危険物質の流出事故が発生した際には迅速かつ効果的な対応を取り,海洋環境の保全,ならびに生命および財産の保護が求められる. 本稿では,有害物質・危険物質事故時の対応について,現状と問題点について述べる.

  • 広瀬  誠・田島 賢治
    2006 年 45 巻 6 号 p. 386-389
    発行日: 2006/12/15
    公開日: 2016/11/30
    ジャーナル フリー

    原燃輸送(株)は,原子燃料物質等の輸送を専門に行っているが,その大半は使用済燃料および低レベル放射性廃棄物の海上輸送である.1978 年に使用済燃料の輸送を開始して以来約30 年間,一度の事故も経験していない.これは,放射性物質輸送法令に定められた厳しい要件に適合する輸送容器および専用運搬船によるハード面での安全性確保と品質保証,安全管理体制の構築といったソフト面での安全性確保の両方により維持されている.本稿では,その概要について紹介する.

  • 功刀 正行
    2006 年 45 巻 6 号 p. 390-398
    発行日: 2006/12/15
    公開日: 2016/11/30
    ジャーナル フリー

    人為起源有害化学物質による海洋汚染が話題に上るようになってずいぶんと経過している.かつては水俣病に代表される水銀などの重金属による魚介類の汚染,近年ではいわゆる環境ホルモンによる生態系への影響が注目を浴びた.こうした有害化学物質による海洋汚染はどうなっているのであろうか.ここでは,最近条約が締結された残留性有機汚染物質の現状を紹介する.

  • 岡村 秀雄
    2006 年 45 巻 6 号 p. 399-407
    発行日: 2006/12/15
    公開日: 2016/11/30
    ジャーナル フリー

    船底防汚剤は海で意図的に使用される化学物質の代表格である.長い間,防汚剤の主役であった有機スズ化合物は水環境に対する悪影響が顕在化したため,先進諸国では1980 年代の終わりから防汚剤としての使用を厳しく規制してきた.しかし規制から15 年以上経過した現在でも,多くの港湾域に有機スズ化合物が残留している.この有機スズ化合物の規制と同時に,代替品の開発が行われてきたが,わが国では 2004 年になってはじめて代替防汚剤の情報が公開された.はたして,これらの代替防汚剤は環境に対して安全で,われわれの生活にとって安心な化学物質なのだろうか? 化学物質による環境問題の歴史は代替物質の歴史でもあり,防汚剤の過去,現在,そして未来を見渡してみたい.

  • 楠井 隆史
    2006 年 45 巻 6 号 p. 408-414
    発行日: 2006/12/15
    公開日: 2016/11/30
    ジャーナル フリー

    日常的に使用する化学物質の流入による海洋環境への影響を評価し影響を未然防止するためにバイオアッセイ(生物評価法)の活用が期待される.その役割は,①化学物質・製品の毒性評価,②混合物の毒性評価,③環境モニタリングの三種類に大別される.陸域で使用される化学物質の事前審査,海洋の環境基準策定の根拠となる毒性データ作成,海上で使用される化学製品などの毒性評価などがすでに行われている.廃水や底質評価などの複合物の評価はバイオアッセイの長所であるが,わが国での実績は少なく,海洋生態系保護の観点からも今後の活用が期待される.高感受性種やバイオマーカーを用いた海洋環境モニタリングは,水産資源保護や食品の安全性確保の観点からも今後,一層重要となると考えられる.

  • 高橋 康夫
    2006 年 45 巻 6 号 p. 415-420
    発行日: 2006/12/15
    公開日: 2016/11/30
    ジャーナル フリー

    東京湾,伊勢湾,瀬戸内海については,昭和53 年度の水質汚濁防止法等の改正により,COD,窒素およびりん(第5 次より)を対象に水質総量規制制度が導入され,これまで5 次にわたって実施されてきた.その結果,東京湾等の水質の改善や瀬戸内海での赤潮発生の抑制など,一定の効果が見られた.今後の総量規制については,平成17 年5 月の中央環境審議会答申「第6 次水質総量規制の在り方について」を踏まえ,平成21 年度を目標年度に,東京湾,伊勢湾および大阪湾では,さらに水環境改善のため負荷削減を図り,大阪湾以外の瀬戸内海については,海域の水質が悪化しないよう現在の施策を維持することを基本に,継続して実施することとなった.また,各海域とも,干潟の保全・再生を進めることとされた. 更に,海域の目標とすべき水質等の検討,水質汚濁メカニズムの解明とより効果的な対策の在り方の検討等を含め,豊かな沿岸環境の保全・回復のための,中長期的な視野に立った取組みが課題となっている.

  • ―日本の閉鎖性海域はどう病んでいるか
    松田 治
    2006 年 45 巻 6 号 p. 421-431
    発行日: 2006/12/15
    公開日: 2016/11/30
    ジャーナル フリー

    わが国の沿岸海域,特に閉鎖性海域の環境や生態系は,高度経済成長期の大量生産・大量消費・大量廃棄という社会経済体制のもとに,著しく損なわれてきた.しかし,海の環境は主として水質によって評価され,生態系の評価基準はほとんど整備されていなかった.このような状況に対し,最近になって,海の環境や生態系のあり方を「海の健康診断」として包括的に評価する手法が提案された.わが国の閉鎖性海域の健康状態を概観するため,「海の健康診断」の一次検査の手法を88 閉鎖性海域に適用した結果,「生態系の安定性」,「物質循環の円滑さ」のいずれの観点においても,悪化状態が著しいことが判明した.

  • 中村 由行
    2006 年 45 巻 6 号 p. 432-438
    発行日: 2006/12/15
    公開日: 2016/11/30
    ジャーナル フリー

    沿岸域の環境修復において,水質や底質の改善を目指した物理・化学・生物学的手法が提案され実用化されてきたが,最近では,干潟・藻場などのまとまりのある生物生息空間の整備に方向がシフトしつつある.さらに,要素技術の組み合わせ方や,さまざまな技術の空間配置の仕方などにも注目が集まるようになってきた.また,自然再生推進法に明快に打ち出された「順応的な取組み」手法のように,修復事業における一連の手順のシステム化,という新しい流れがある.本稿では個々の修復技術を分類・整理するとともに,それらの技術要素の組合せや空間配置,修復の計画段階から管理に至る修復手順のシステム化,という課題について概説する.

  • 辻 禎之, 関谷 直也
    2006 年 45 巻 6 号 p. 439-444
    発行日: 2006/12/15
    公開日: 2016/11/30
    ジャーナル フリー

    2006 年8 月11 日フィリピンのタンカー沈没事故では,重油の大量流出によりギマラス島周辺の広い範囲が汚染され,自然環境への被害のほか,漁業や養殖にも重大な被害をもたらした.日本国内においても海上での重油や毒劇物等による汚染事故が度々発生している.近年では,日本に接近する台風および上陸する台風の数が以前よりも増加しており,台風による船舶の座礁や漏洩事故も度々発生している. 自然災害の分野では,地震や河川氾濫等では直接被害より間接被害が大きい場合が多く,間接的な経済的被害の評価への注目が高まっており,調査研究が進められている.国内の風評被害への補償事例としては,ナホトカ号重油流出事故で風評被害による海産物への補償が行われており,JCO 臨界事故では風評被害による海産物や農産物への補償が行われている.国内における海産物のブランド化(価値向上)や間接被害への関心の高まり,途上国における権利意識の向上等によっては,海上汚染事故による風評被害が,補償問題を含めて現在よりもより重大な問題となる可能性もある. このような背景を受けて,本稿では,海上汚染事故に伴う風評被害を中心として,風評被害による経済的損失の評価モデルや被害の低減について考察する.

  • ―機動防除隊について
    横浜機動防除基地
    2006 年 45 巻 6 号 p. 445-453
    発行日: 2006/12/15
    公開日: 2016/11/30
    ジャーナル フリー

    海上保安庁には,海上流出油事故や有害液体物質・危険物の流出事故の対応を専門に行っているチームが存在する. この組織は,事案発生頻度は低いが,専門知識・技術がなければ対応が困難な海上災害への対応を目的としてつくられたものであり,これまで,ナホトカ号油流出事故,ダイヤモンドグレース号油流出事故等大規模な油流出事故への対応や,タンカー旭洋丸衝突火災事故,ベンゼンタンカー中毒死亡事故等の海難処理にあたっている.

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