安全工学
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50 巻, 4 号
安全工学_2011_4
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
会告
安全への提言
提言
  • ―高圧ガス保安等保安管理体制の確立とコンプライアンス活動
    山崎 正宏
    2011 年50 巻4 号 p. 200-210
    発行日: 2011/08/15
    公開日: 2016/08/31
    ジャーナル オープンアクセス

    本稿は,日本ゼオン(株)が2003 年以来社長を先頭に,『全社コンプライアンス活動マスタープラン』を環境安全とコンプライアンス活動の基本実行計画とし,『だろう,はずだは止めよう』,『金を出すから知恵を出せ』,『決めたことは守る,守れないものは変える』,『ミスをしても事故にならない,現場が楽になる仕組みつくり』など何をやるのかをわかり易い言葉で経営の意志として示しながら,本社経営と工場現場が一体となって進めた環境安全改革を具体的にご紹介しています. この改革を振り返り改めて感じますのは,いかなる困難に直面しようとも,経営トップが明確に方向を示し,決断し,責任を取り,経営資源を配賦し,先頭に立って組織を鼓舞し進めれば,組織は見事に課題を解決するということです. これこそ,前号にて斉藤氏,小野氏が述べられた『プロセス産業の安全に対する社長の役割の重要性』を提言する事例に相当するものではないかと思います.

総説
  • 高木 元也
    2011 年50 巻4 号 p. 211-218
    発行日: 2011/08/15
    公開日: 2016/08/31
    ジャーナル オープンアクセス

    建設業は第11 次労働災害防止計画では災害多発業種に指定されるなど,労働災害防止が喫緊の課題で ある.特に,低層住宅(概ね高さ10m 以下の住宅)建築工事は,労働災害発生率は高い傾向にあり,重点的な労働災害防止活動が必要とされている. 本稿では,労働災害データの収集・分析により低層住宅建築工事の典型的労働災害を抽出し,それら典型的労働災害とヒューマンエラーの原因との関わりを分析するとともに,低層住宅建築工事会社の安全担当者,資材・工具メーカー等に対し再発防止策に関するヒヤリングを行い,それらを基に,典型的労働災害に対するヒューマンエラー防止の観点からの再発防止策を提示した.

  • 戸塚 英雄
    2011 年50 巻4 号 p. 219-225
    発行日: 2011/08/15
    公開日: 2016/08/31
    ジャーナル オープンアクセス

    阪神・淡路大震災(平成7 年),千葉県北西部の地震(平成17 年)では,多数のエレベーター閉じ込め事故が発生した.地震発生時の被害想定の変更や都市型災害として対策が各分野で進められているが,大規模,あるいは複合災害発生時には,自力脱出の手段を確保する必要性について考察した.最近の,対応技術の進展,関係法令の改正,長時間閉じ込め事例の検討,防災計画の教育例などを含めて,閉じ込め事故と人命安全対策について報告する.

  • 真の排出者は“試験・研究者”―
    藤井 良仁, 丸山 健一
    2011 年50 巻4 号 p. 226-230
    発行日: 2011/08/15
    公開日: 2016/08/31
    ジャーナル オープンアクセス

    誤った取扱いにより有毒ガスの発生や火災・爆発等の事故を引き起こす危険性を持つ化学薬品や試験・研究系廃棄物は,適切な管理のもと安全に廃棄処分されるべきであるが,試験・研究機関内外において,未だ事故やトラブルが後を絶たない.その原因は排出者の安全に関する自覚不足や後工程である廃棄物処理業者への廃棄物に関する情報伝達の不十分さに起因している. これらの安全や情報伝達の責任は廃棄物の化学的危険性をもっとも熟知している当該廃棄物を排出する試験・研究者にあると考える.しかし,その責任所在や廃棄の際の注意事項,何を情報として伝えなければならないのかが,十分に周知されていない.そのため事故等を予防するためには,排出事業者と廃棄物処理業者が連携し,情報伝達をシステム化することが不可欠である. 本稿では廃棄物処理業者から見た試験・研究系廃棄物の抱える安全,情報伝達などの諸問題を述べる.

  • ―その6:最終回 食品防衛の必要性と我国における食品防衛の考え方―
    佐田 守弘
    2011 年50 巻4 号 p. 231-235
    発行日: 2011/08/15
    公開日: 2016/08/31
    ジャーナル オープンアクセス
災害事例分析
  • ―その2:災害発生までの経過,実験
    八島 正明
    2011 年50 巻4 号 p. 236-243
    発行日: 2011/08/15
    公開日: 2016/08/31
    ジャーナル オープンアクセス

    その2 では平成14 年10 月28 日の試運転から翌年8 月14 日と19 日の災害発生までの経過を示す.また,原因究明のための実験を行った.実験では,①RDF の寸法,②含水率,③吸湿性,④比熱,⑤発熱性,⑥発生ガスの分析,⑦発熱性に及ぼす不活性ガス添加の効果,⑧高温熱面上に堆積した場合の着火温度,⑨燃焼挙動(燃え拡がり速度,層内の温度変化,発生ガスなど),⑩消火性,⑪ガス溶断における火花の飛散,⑫くすぶり燃焼における爆発性を調べた.①から⑩の結果は研究所の安全ガイドNIIS-SG No.3(2004)で既に報告した.ここでは⑪と⑫について,アセチレン- 酸素のガス溶断による炎とサイロ内に飛散した火花が着火源となりえること,RDF がくん焼する状況では,新鮮な空気の流入,拡散によっては裸火などの着火源を近づけると気相に滞留した煙に着火,爆発することを明らかにした.

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