安全工学
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51 巻, 4 号
安全工学_2012_4
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
会告
安全への提言
総説
  • 角屋 由美子
    2012 年 51 巻 4 号 p. 206-214
    発行日: 2012/08/15
    公開日: 2016/08/31
    ジャーナル オープンアクセス

    米沢藩は,上杉謙信を家祖とする名門上杉氏を領主としていたが,米沢藩初代藩主となった上杉景勝は,関ヶ原の戦いで敗者となり,会津120 万石の大大名から米沢30 万石に減封となった.さらに三代藩主上杉綱勝の急死に伴う養子手続きの不手際により,鷹山が上杉家の養子となり家督を相続した時は,領知は15 万石まで激減していた.鷹山は,財政難に苦しむ米沢藩の藩政改革に生涯をかけて取り組み,成功に導いた藩主であった. 平成23 年3 月11 日,東日本を襲った大震災に混迷する社会を反映し,鷹山ならどのようなリーダーシップを発揮しただろうと,鷹山に対する関心が高まっている.鷹山の数々の施策を,水害・飢饉・火事など米沢藩領内の災害について,その備えや対応の視点から歴史的立場で報告する.

  • 中村 昌允
    2012 年 51 巻 4 号 p. 215-222
    発行日: 2012/08/15
    公開日: 2016/08/31
    ジャーナル オープンアクセス

    厚生労働省・中央労働災害防止協会では,化学工業および自動車製造業の元方事業者・関係請負人の安全衛生管理マニュアルをまとめた.そこで強調された安全管理のポイントは,①経営トップの安全管理に対する姿勢,②親会社による関係請負人を含む統括管理体制,③リスクアセスメントの徹底である.その内容を紹介する.最近の製造現場の事故を見て感じることは,標準通りに行動することの難しさと対応能力の低下である.これをカバーするための技術者の責任と役割が重要になっている.

  • Sachiko Hirakawa and Mari Takizawa
    2012 年 51 巻 4 号 p. 223-228
    発行日: 2012/08/15
    公開日: 2016/08/31
    ジャーナル オープンアクセス

    東日本大震災では比較的軽症者の医療需要が大きかったことや避難期間が長期化したことなどから,救急用医薬品のほか,日常的な医薬品に関する課題が顕在化した.特に,津波被害が大きかったことから,常用薬を失った慢性疾患患者への対応も必要であった. 医薬品の支援物資については,震災直後から被災自治体の備蓄倉庫までは供給されていたが,備蓄倉庫から各医療救護所・避難所等への供給に課題があった.一方,平時の医薬品流通ルート,つまり医薬品卸から医療機関や薬局への医薬品の供給は,早期に回復していた. 支援物資の備蓄倉庫から医療救護所等への配送は,行政の役割となっているが,現在,医薬品のサプライチェーンが高度化しており,行政による流通には限界がある.このため,平時に医薬品の流通に携わる医薬品卸等において,災害時の流通の一部を担当することが,効率的であると考えられる.その際,医薬品卸の役割を明確にするのみでなく,職員派遣や施設貸与を伴う場合は保障等の法的・財政的裏づけを整備することが必要であろう.

論文
  • 小林 永樹, 高野 研一
    2012 年 51 巻 4 号 p. 229-240
    発行日: 2012/08/15
    公開日: 2016/08/31
    ジャーナル オープンアクセス

    労働災害の撲滅を目指した安全活動が進められているがこの数年間,災害発生件数の減少率は鈍化して いる.厚生労働省労働基準局より日本版安全文化導入の提言が行われ,災害撲滅へ向けた活動が推進されてきたが,事故の減少率には充分に繋がっていない. 昨今の事故調査では災害発生要因の8 割が人的要因であると云われ,安全文化定着の難しさを物語って いる.文化の定着には作業特性や過去からの経緯,慣習等に負うところが大きく,これらを把握し見える化することが肝要である.本研究では,従業員の安全に対する意識を見える化する手法として,安全文化の8 軸を基軸とした,アンケート調査,根本原因分析,インタビュー調査のトライアンギュレーションとして多視点から特性を抽出し問題点を具象化し,特性に応じた施策立案が可能となる事故未然防止システムを提案した.

資料
  • 仲村 彰・岡野 晃二・相羽 清彦
    2012 年 51 巻 4 号 p. 241-247
    発行日: 2012/08/15
    公開日: 2016/08/31
    ジャーナル オープンアクセス

    HFACS(Human Factors Analysis and Classification System)は事故調査におけるヒューマン・ファクターの分析技法の一種であり,近年米国を中心に軍民問わず活用されている一方,HFACS に要因間の論理的整合性の点で問題がある事が指摘されている. 現在,航空自衛隊では定められた分析技法はないこと,HFACS の有効性が認められていることから,HFACS の問題点を解決した上で航空自衛隊の航空事故調査技法として適合させるため,ワーキンググループを作り,各要因等の検討を行いJ-HFACS 案を作成した. その案に対し,操縦者等現場からの意見を収集した上で,J-HFACS の完成とした.意見からは,概ね理解できるとの回答が得られた.

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