安全工学
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52 巻, 3 号
安全工学_2013_3
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
会告
安全への提言
総説
  • 瀬田 重敏
    2013 年 52 巻 3 号 p. 147-154
    発行日: 2013/06/15
    公開日: 2016/07/30
    ジャーナル オープンアクセス

    本稿は2012 年12 月11 日,東京大学弥生講堂で開催された第22 回東京大学環境安全研究センターシンポジウムに招かれて行った特別講演を基に,「大学の環境・安全」について筆者としての思いを提起した一文である.昨今,化学産業の事故,災害が増えており,産業界ではその対策とともに原因と背景が論じられている.一方,大学でも実験中の事故が増えている.産業界の事故災害に対し,抜本的な対策を考えていくには,世代の気質の変化を考慮し,大学からの環境・安全教育,さらには中高等教育過程からの環境・安全教育が重要ではないかと考える. 本文では筆者の化学産業と大学の両方で環境・安全対策に従事した経験を基に,化学産業関係者や大学関係者からの現状取材を含めて,産業界の環境安全への対応と最近の動向および大学の環境・安全のあり方について考察し,産学の交流,並びに必要に応じた両者の連携により大学の環境・安全に貢献する道を探る.

  • ―ノンターゲット分析の必要性と手法
    門上 希和夫
    2013 年 52 巻 3 号 p. 155-161
    発行日: 2013/06/15
    公開日: 2016/07/30
    ジャーナル オープンアクセス

    近年の化学物質の種類と使用量の増大に伴い,従来のように限られた数の規制物質をモニタリングするだけでは安全・安心を担保するには不十分となってきた.意図的,非意図的を含め想定外の化学物質に対応するには,可能な限り多くの物質を分析する必要がある.最近のガス(液体)クロマトグラフ- 質量分析計(GC-MS やLC-MS)や分析カラムの技術的進歩及びコンピュータの性能向上により,揮発性から難揮発性,無極性から高極性までの広範囲な物理化学的性質の物質を一斉に網羅分析したり,一千種を超えるノンターゲット分析が可能となった.本稿では,環境や食品中の未規制化学物質を含む網羅分析やノンターゲット分析に関する最近の動向を紹介し,併せて未規制物質の検出濃度の評価手法について解説する.

  • 大関 崇, 吉富 政宣
    2013 年 52 巻 3 号 p. 162-172
    発行日: 2013/06/15
    公開日: 2016/07/30
    ジャーナル オープンアクセス

    太陽光発電システムが持つ上記の特徴は,電源構成の豊富さや新規雇用創出といったメリットを社会にもたらす一方,ハザードをも内包している.各種構成要素から発生するリスクとして,電気火災,電気感電,構造物飛散,設計・施工時の人身事故などが想定される.太陽光発電システムを本格的にエネルギー源として利用するためには,メリットをより拡張しつつ,これらリスクに関して,個人財産および公衆安全の観点から許容可能なところまで低減する必要がある.本稿ではこれらのリスクのうち,直流電気火災に注目し,事前の火災防止・抑止の観点と,発生後の消火活動における消防士保護の観点におけるリスク等を概説することで安全工学の研究者の方々と太陽光発電システムの現状について情報共有することを目的とする.

  • 中村 崇
    2013 年 52 巻 3 号 p. 173-178
    発行日: 2013/06/15
    公開日: 2016/07/30
    ジャーナル オープンアクセス

    レアメタルの供給逼迫感については,一時期より落ち着いているが,世界景気の回復と共にさらなる需要の増大が予想され,油断はできない.本総説ではレアメタルのリサイクルの考え方を社会システムと技術にわけて,かつ関連しながら記述した.特に社会システムでは,最近開始された小型電子機器等のリサイクル法を中心に解説し,リサイクル,廃棄物処理の手法にパラダイムシフトが起こりつつあることを示した.技術については,廃製品の前処理が重要である.さらにレアメタルを意識した新たな化学分離技術が望まれている.それらの要望に応えるために文部科学省素材技術先導プロジェクトで希少元素高効率抽出技術開発領域が設置され,活動している.

  • 三舩 康道
    2013 年 52 巻 3 号 p. 179-188
    発行日: 2013/06/15
    公開日: 2016/07/30
    ジャーナル オープンアクセス

    東日本大震災における被災自治体の復興計画は,概ね2011 年末までに策定された.前稿1)では,広大な仙台平野にいくつかの自治体が連なる宮城県南部地域の復興計画を検証し,地方分権が復興計画策定にもたらす問題を取上げた.本論では三陸地域の復興計画を取上げ検証した.三陸地域は,それぞれの自治体が独立的に入江単位で存在するリアス式海岸で構成されている.宮城県南部地域とは異なり,三陸地域における安全な復興計画の基本は高台移転である.高台移転を基本とする復興計画の土地利用は分散型になる.高台移転により安全が確保されたとはいえ,分散型の都市は,さらに自然を減少させ環境問題を引き起こし,また人口減少社会においては非効率的で非経済的である.そのような観点から,分散型の土地利用計画による復興計画の課題について論じた.

トピックス
資料
  • 菊池 武史
    2013 年 52 巻 3 号 p. 196-203
    発行日: 2013/06/15
    公開日: 2016/07/30
    ジャーナル オープンアクセス

    ISO(国際標準化機構)は,ISO 4126 シリーズとして,超過圧力に対する保護用安全機器の規格を提供しており,順次JIS 規格化されつつある.このうち,ISO 4126 Part 10 は,気液二相流に対する安全弁の包括的なサイジング方法を初めて提案したものである.本稿では,5 回に分けて,暴走反応に伴って発生する気液二相流に対する圧力逃し装置(安全弁および破裂板)の実務的なサイジング方法を紹介する. 本号では,気体放出系および混成系の吹出し必要質量流量計算方法,吹出し可能な質量流束計算方法の基本事項,オメガ法による緩和系および気体放出系の吹出し可能な質量流束計算方法について計算例とともに記載する.

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