安全工学
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53 巻, 1 号
安全工学_2014_1
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
会告
安全への提言
総説
  • 梶原 泰裕
    2014 年53 巻1 号 p. 2-7
    発行日: 2014/02/15
    公開日: 2016/07/30
    ジャーナル フリー

    2011 年3 月11 日の東日本大震災では,鹿島臨海工業地帯全域が地震及び津波により被災し,長期間の操業停止を余儀なくされた.そんな中,三菱化学(株)の鹿島事業所も被災し,全設備が地震により操業停止した.この鹿島事業所では,直接地震によるものや液状化による被害を受けたが,さらに地震後の津波が被害を大きくした.特に水際線設備(桟橋や海水取水設備等)で,非常に大きな被害を受けた.その後,復旧,再稼働へ向けた活動を実施した.今回,その結果を踏まえて,地震直後の初動から復旧と再稼働へ向けた取り組みを紹介する.

  • 山口 亮
    2014 年53 巻1 号 p. 8-13
    発行日: 2014/02/15
    公開日: 2016/07/30
    ジャーナル フリー

    2011 年3 月11 日の東日本大震災により,当時筆者が所長を務めていたJX 日鉱日石エネルギー(株)仙台製油所は甚大な被害を受けた. 地震被害として一部の機器に基礎損壊,煙突の座屈等が見られ,津波によって構内が2.5 ~3.5 m 浸水し被災,護岸やタンク基礎部の洗掘等があった.夜になって火災が発生し,被害が増大した. 復旧は,緊急出荷から始めた.全社員・協力会社員が一丸となり行政,関係各社の支援・協力によって復旧を進め,東北地方への石油製品供給基地として,製品を受け入れ配送する油槽所機能の回復を優先させた.原油を精製し石油製品を生産する製油所機能は,震災から1 年後の2012 年3 月9 日から再開した. 復旧に際しては改善を加えて復興を目指し,人命を守り設備被害を最小にする津波対策を盛り込んだ.

  • −プラント設備基礎設計の課題と対策−
    岩原 廣彦
    2014 年53 巻1 号 p. 14-20
    発行日: 2014/02/15
    公開日: 2016/07/30
    ジャーナル フリー

    発電プラントの建設は,土木・建築,機械,電気、化学など異なる工学分野の技術者が、相互に関係する構造物・機器の設計条件について,緊密に情報連携しながら実施する総合的なプロジェクトである.しかし,プロジェクト全体から見た場合,結果としては必ずしも最適な設計条件で構造物・機器が構築されているとは限らない.例えば,構造物・機器の設計条件の相互提示過程において、自らの担当構造物には安全面で余裕代を持たせた数値を関係者に提示する場合がある.この場合,提示された側は安全面での余裕代の存在を知らされないまま,設計・施工を行うことになる.その結果,プロジェクト全体から見れば,オーバースペックとなる構造物・機器が構築されることとなり,発電プラント建設におけるトータルコストが増加する. 本稿では,発電プラント建設におけるリスクマネジメントの視点として,「プロジェクトの発注方式」および,「実際に起きたプラント基礎変位事例」から,異分野間相互の設計条件設定において,プロジェクトを俯瞰した安全設計思想統一の必要性を,また,「プロジェクトの工事範囲」から地震対策において,プラント事業者が敷地造成計画段階から設計にかかわることの重要性について述べる.

  • -最近の化学プラントの事故からの教訓-
    中村 昌允
    2014 年53 巻1 号 p. 21-26
    発行日: 2014/02/15
    公開日: 2016/07/30
    ジャーナル フリー

    2011 年から3 件の化学プラントの重大事故が起きた.日本化学工業協会は保安事故防止ワーキンググループを作り,化学プラントの事故防止のためのガイドラインをまとめて発行. 「本ガイドライン」は,化学プラントの実務に詳しい専門家が,3 件の事故報告書をもとに討議を重ねて,背景要因を導き出し,多くの企業に共通する共通課題としてまとめている. 特徴は,現場が使いやすいように具体的な問いかけ方式の内容となっていることで,各企業では,安全指針,点検チェックリスト,さらには教育資料などに利用できるものと考える. 本稿は,3 件の重大事故の原因並びに安全上の共通課題,そして「本ガイドライン」のポイントを紹介 する.

  • -東アジア圏域を中心に
    細田 衛士
    2014 年53 巻1 号 p. 27-34
    発行日: 2014/02/15
    公開日: 2016/07/30
    ジャーナル フリー

    使用済み製品・部品・素材などのいわゆる静脈資源の東アジア圏域における取引が最近活発化している.静脈資源のなかには潜在汚染性の大きなものもあり,制度的制約を課さない状態で取引を進めてゆくと,汚染性が顕在化する可能性が大きい.中国などの一部の地域では静脈資源のリサイクルによる汚染が報告されている.こうした事態を防ぐためには,的確な制度的インフラストラクチャーを構築する事により,静脈資源の市場取引を健全で円滑にして市場の質を高める必要がある.国による強制執行力のあるハーロドーとともに非法的規範のソフトローを強め,静脈資源の市場取引からインフォーマルセクターを排除しなければならない.日本の民間企業のビジネス慣行や地方自治体のエコタウンの知恵を移植することによって東アジア圏域の資源循環を質的に向上する事が期待される.

  • 新田 裕史・道川 武紘
    2014 年53 巻1 号 p. 35-39
    発行日: 2014/02/15
    公開日: 2016/07/30
    ジャーナル フリー

    環境要因が胎児期から小児期にわたる子どもの健康に与える影響を明らかにすることを目的として,「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」が開始された.調査の対象者は全国15 地域の指定された市区町村に住んでいる妊婦さんと生まれてくるお子さん,加えてそのお父さんである.2011 年1 月から開始して3 年間リクルートを実施し,フォローアップは子どもが13 歳に達するまで行う.調査では,妊婦さんを対象とした質問票調査,診察記録などの医療情報の収集を行い,出産後は6 ヶ月おきに継続して質問票調査を実施する.また,参加者から血液・尿などの生体試料の採取を行って,化学物質などの濃度を測定し,環境汚染物質への曝露指標とすることになっている.10 万組の親子に参加していただくという目標は概ね達成できる見込みである.

資料
  • 消防庁危険物保安室
    2014 年53 巻1 号 p. 40-46
    発行日: 2014/02/15
    公開日: 2016/07/30
    ジャーナル フリー

    平成23 年3 月11 日に発生した東日本大震災を受けて,消防庁では,平成24 年度に「東日本大震災を踏まえた危険物の仮貯蔵・仮取扱い等の安全確保のあり方に係る検討会」を開催して,東日本大震災時に行われた仮貯蔵・仮取扱い等の実態を調査するとともに,震災時等における危険物の仮貯蔵・仮取扱い等の安全確保のあり方について検討を行った. 当該検討会における検討結果を踏まえ,製造所,貯蔵所又は取扱所が被災する等により,平常時と同様の危険物の貯蔵・取扱いが困難な場合において,危険物の仮貯蔵・仮取扱いの運用が円滑かつ適切に行われることを目的に,震災時等における危険物の仮貯蔵・仮取扱い等の安全対策及び手続きに係るガイドラインを策定した.

災害事例分析
  •  ―その2:考察,災害の原因,再発防止対策
    八島 正明
    2014 年53 巻1 号 p. 47-53
    発行日: 2014/02/15
    公開日: 2016/07/30
    ジャーナル フリー

    アルミニウム製品の研磨加工工場において爆発が発生し,室内で作業を行っていた7 名が死傷する重大災害が発生した.調査の結果,着火の原因は,作業員が製品かごを載せたハンドリフターにぶつかって不意に動きだし,研磨機に衝突し,着火性の火花が生じたことであった.そして,飛散した火花が集じんダクトに入り,内部に浮遊していた粉じんと堆積粉に着火・爆発したことでダクトが破裂し,火炎と未燃焼粉じんが作業場内に飛散して大きな爆発を起こした.人的被害が大きかったのは,作業場に製品かごが置かれ,狭い空間で避難に支障があったためである.考察では爆発に関与した粉の量を推算した.

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