安全工学
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最新号
安全工学_2020_1
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会告
安全への提言
総説
  • 向殿 政男, 早木 武夫
    原稿種別: 総説
    2020 年 59 巻 1 号 p. 2-7
    発行日: 2020/02/15
    公開日: 2020/02/15
    ジャーナル 認証あり

    ヒューマンエラーの中でも,意図的なルール違反は,ついうっかりとか等の単純なミスに比べて,故意によるものなのでなかなか対応が難しい.製造業安全対策官民協議会を通じて,意図的なルール違反に関する現場からの具体的な例が集められた.これらの259 事例を5 体系33 個の類型に分類してリスト化した.そして,なぜ,その様なことをやるのか等の考察を行った.意図的なルール違反は,教育がしっかりしていればあるはずがないとのことから,リスクアセスメントにおいて正しく評価されない傾向にある.しかし,現実には,これが原因で労働災害につながる例は多い.そこで,本稿では,意図的なルール違反をリスクアセスメントに反映させる手法の例を提案している.これらにより,職場での意図的なルール違反が表に出され,リスクアセスメントにおいて正しく評価されて,労働災害の減少に資することが期待される.

  • 高木 元也
    原稿種別: 総説
    2020 年 59 巻 1 号 p. 8-14
    発行日: 2020/02/15
    公開日: 2020/02/15
    ジャーナル 認証あり

    建設,化学,機械の産業分野の中小企業を対象にアンケート調査を実施し,産業分野別に安全管理活動の特徴を見出した.安全専門部署は全体で60%近くが設置しておらず,特に,機械でその割合が高かった.重点災害には,建設は墜落・転落及び重機関連の災害,機械は機械操作時の災害,化学は機械操作時及び危険物取扱作業時の災害があげられ,安全対策推進上の課題には,建設は作業員等の安全意識向上,機械,化学は,職場環境の改善が最も多かった.労働災害情報の収集先は,建設は加盟団体,建災防等が多い一方,機械,化学は自社の過去の労働災害等が多かった.安全活動の実施状況では,建設は作業員に対する教育・指導・監視等,機械,化学は職場環境等の改善に重点が置かれていた.

論文
  • 柴垣 光男, 福田 隆文, 佐藤 吉信
    原稿種別: 研究論文
    2020 年 59 巻 1 号 p. 15-26
    発行日: 2020/02/15
    公開日: 2020/02/15
    ジャーナル 認証あり

    危害は,可逆的又は不可逆的に変化し得る多状態を持つシステム要素に起因して複数の発現プロセスを持つ場合がある.ハザードの効果的抑制策を導出し,危害を未然に防止するためには,危害発現プロセスを網羅的に洗い出し,分析する必要がある. 本論文は,多状態を持つシステム要素の状態遷移モデルに基づいたハザードの動的分析技法を提案して いる.本提案技法は,まずシステムの状態をシステム要素が持つ状態の組合せによって定義し,各状態の遷移できる経路を状態遷移経路図で示す.次に,この状態遷移経路図上で初期状態と危害とを結ぶ経路をたどることによって,状態遷移経路が異なるハザードを系統的・網羅的に洗い出し,S-A プロセスチャートで図式化する手順が示されている.さらに,2 つの事例にこの技法を適用して,その有効性を実証している.

  • 宮内 博幸
    原稿種別: 研究論文
    2020 年 59 巻 1 号 p. 27-32
    発行日: 2020/02/15
    公開日: 2020/02/15
    ジャーナル 認証あり

    本研究では,作業者の化学物質曝露防止管理の普及を目指し,活性炭素繊維(ACF)を使用した層状の拡散型サンプラーを開発した.ACF のトルエン蒸気に対する吸着性能と保持能力試験を行った結果,サンプリングレート(SR)は1.2 ml / min(4.5 ng /(ppm・min)),添加回収試験の回収率は94%以上,20 ppm 標準ガスにて4 時間曝露後の8 日間保存試験では,4℃保存にて99.8%となった.一定の環境条件下における捕集試験では,温度15 ~30℃,相対湿度48 ~75%,風速0.1 ~0.3 m/s の試験条件の範囲内にてサンプリングが可能と言えた.形状はシート状で凹凸が無いため,装着時に工場の設備と接触するリスクはほとんど無く,狭いスペースでの測定にも適している.今後は多種類の有機溶媒についての検討や,さらに多くの環境条件下における試験が必要と言える.

資料
  • 荒井 保和
    2020 年 59 巻 1 号 p. 33-38
    発行日: 2020/02/15
    公開日: 2020/02/15
    ジャーナル 認証あり

    前報では気づく力を育むために取り組むべきことや注力すべき視点について整理した.今回はそうやって認識できた気づきを無駄にしないためにどうするか,活かすためにはどうするかについて整理する.製造現場は複数の人が共同で働く場所である.従って誰かの気づきや,疑問は全員に関わることになる.だから気づきは発信し,共有しなければ何の役にも立たない.ことが起きてから気にしていたけどなどと言っても遅いのである.全員で共有していれば,人数分のセンサーがその懸念点を見張ることになり,知識,経験,知恵も人数分が加算される.こうした共同作業によって,誰かの気づきが的確に処置され,有効に活用されるのである.本章では更に組織が持つルールや慣例に対する疑問,気づきについてもその位置づけを整理してみた.

  • 杉本 泰治, 福田 隆文, 森山 哲
    2020 年 59 巻 1 号 p. 39-47
    発行日: 2020/02/15
    公開日: 2020/02/15
    ジャーナル 認証あり

    安全確保には,リスクマネジメントに始まるマネジメントのプロセスがあり,ISO 9001 のQMS が利用される.画一的な規格のQMS に比べ,IAEA 提唱の安全文化は,人の心や意識という当事者の主観的要因,および規制行政のあり方を加える.規制行政は,安全確保の実務の枠組みを決め,その基盤を形づくる重要なものだが,そのあり方のルールが不明のまま,規制行政が行われてきた.本報は,ルールの仮説を提示して,福島原子力事故の前に起きたことを分析する.QMS 規制の迷走などの出来事は,規制行政のあり方そのものが,安全の基盤を掘り崩す要因となることを教える.一般国民には気づかれていない空白部分である.事故の直前の時期に,規制当局は,法令制度の問題を認識し,法の領域に目を向けたが,現実の事態はすでにその思惑を超えていたようだ.

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