安全工学
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60 巻, 2 号
安全工学_2021_2
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
会告
安全への提言
総説
  • 小松原 明哲
    原稿種別: 総説
    2021 年60 巻2 号 p. 71-76
    発行日: 2021/04/15
    公開日: 2021/04/15
    ジャーナル フリー

    事故,あるいはそれをもたらしたヒューマンエラーについて,その再発防止に関わる対策の導出方法としては,事故,あるいはヒューマンエラーをもたらした原因を探索し,その原因に対して是正措置を講じる「原因分析アプローチ」が代表的である.しかし明確な原因が見いだされない“発現する事故”に対しては,このアプローチには限界がある.安全の目標を事故を避けることに置き,さらには被害や損害を最少にとどめることも視野に入れると,業務の目的達成のための代替策を考案する「目的達成アプローチ」,さらには安全にかかわる費用配分を考える「コストバランスアプローチ」も事故対策を導出する方法として有益である.本稿ではこれら3 つのアプローチについて,その特徴を考察する.

  • 小澤 守
    原稿種別: 総説
    2021 年60 巻2 号 p. 77-84
    発行日: 2021/04/15
    公開日: 2021/04/15
    ジャーナル フリー

    台風や地震など自然起因の災害や老朽化や運転監視不足などによる産業機器の事故が多発傾向にある.事故・災害は表面上の機構だけではなく,社会,経済,歴史,組織,構築したシステムに対する理解不足,そして人そのものなど様々な要因が絡み合って重大化する.しかしたとえ詳細な物理的,化学的機構が未解明で適切な技術的対応が取れなかったときでさえ,我々は第三者検査などの社会制度を構築し,かろうじて安全を実践してきた貴重な歴史を有している.本稿ではそのような社会安全問題全般を展望して,どのような視点を持つべきかについての私見を述べる.

論文
  • 崔 光石, 崔 旻, 柳田 建三, 白松 憲一郎
    原稿種別: その他
    2021 年60 巻2 号 p. 85-92
    発行日: 2021/04/15
    公開日: 2021/04/15
    ジャーナル フリー

    本研究では液体用静電塗装ガンの着火性評価の試験方法として,爆発容器に試験用プロパンガスを充填し,3 品目(S1 ~S3)の静電塗装ガンに異常放電を発生させて着火の有無を判断しながら,その妥当性および着火の原因を調べた.爆発実験装置は主に爆発容器,静電塗装ガン,接地鋼球電極,小型ロボット,試験用ガス,ガス濃度計,制御用ノートパソコン等から構成されている.結果によると,いずれの静電塗装ガンにおいても安全機能装置が着火爆発防止に有効であり,着火・爆発は起こらなかった.しかし,安全機能装置を停止させた状態の実験では,一部の静電塗装ガン(S2)で着火・爆発が起きた.これは針電極の近傍にある接地されていない金属製の塗料噴霧部が原因であることが明らかになった.なお,本研究で製作した爆発容器と方法を用いて,安全性を確保しながら再現性に優れた結果が得られ,その妥当性が確認できた.

  • 宮内 博幸, 青木 隆昌
    2021 年60 巻2 号 p. 93-100
    発行日: 2021/04/15
    公開日: 2021/04/15
    ジャーナル フリー

    VDT 作業により眼疲労を評価するため,瞳孔対光反応解析装置を用いて検討した.対象者は21 ~23 歳(平均21.8)の25 名(男性12,女性13)とし,VDT 作業として数字探索課題ソフトによる作業を1 時間行った.作業の前後には自覚症状調査票への記載と単回光刺激の瞳孔対光反応測定を行った.25 名中11 名については,連続した10 回の光刺激測定も行った.光刺激は赤色LED(635 nm)と青色LED(470 nm)を用いて左右の眼を対象とた.自覚症状調査より,VDT 作業後は前より有意に(p <0.05)眼などの疲労を訴えた.単回の光刺激では,青色刺激のCR(縮瞳率)にて左右眼で作業後が前に比べて有意(p <0.05)に低値となった.連続光刺激では青色のCR にて,刺激10 回目と1 回目の縮瞳率差は,疲労により作業後には前より有意に小さくなった.青色刺激による縮瞳率を計測することで,眼疲労の指標の一つになる可能性が示唆された.

  • 桑名 一徳, 金 佑勁, 茂木 俊夫, 土橋 律
    2021 年60 巻2 号 p. 101-108
    発行日: 2021/04/15
    公開日: 2021/04/15
    ジャーナル フリー

    粉塵爆発の下限濃度が物性値やプロセスパラメータにどのように依存するかは,安全工学上重要な問題である.本論文では,粉塵爆発の数値シミュレーションにより得た下限濃度付近の条件における爆発挙動に関する知見を報告する.粒子間の熱伝導により既燃粒子から熱を受けた未燃粒子の温度が着火温度に達することにより燃焼波が伝播するというモデルを採用し,熱伝導方程式の発熱項をデルタ関数で表した.このとき熱伝導方程式の基本解(グリーン関数)を用いて温度分布が得られるため,計算負荷を低減できる(粒子配置が規則的な場合は伝播速度や下限濃度を解析的に求めることができる).ランダムな粒子配置に対して数値シミュレーションを実施し,実験結果と矛盾しない結果を得た.さらに,粒径分布が伝播速度や下限濃度に及ぼす影響についても検討した.

技術ノート
  • 八島 正明
    2021 年60 巻2 号 p. 109-120
    発行日: 2021/04/15
    公開日: 2021/04/15
    ジャーナル フリー

    近年のガス切断等に関する労働災害の頻発を受け,労働安全衛生総合研究所では災害情報の収集とともに,現場のガス切断器具等の実態調査と回収調査を行った.本研究は,(一社)日本溶接協会の協力で行ったもので,回収したガス溶断器の火口を取り外した吹管について,逆火に及ぼす劣化・不具合をまとめたものである.吹管は32 事業所からアセチレン用31 本,LPG 用43 本を回収した.使用年数は2 ~18 年である.回収調査票を分析し,吹管の外観試験,気密試験,分解試験を行った.分解試験では,吹管を分解・切断し,バルブとすすの付着の状況を調べた. 測定の結果,吹管の切断酸素管と混合ガス管が曲がったものがあったこと,不具合として漏れが多かったこと,漏れは混合ガス管と混合管の接続部が多かったことなどがわかった. 吹管の約4 割のバルブに閉そく不良が見られた. 予熱酸素バルブの弁体と弁座に摩耗や損傷が見られ,このことで閉そく不良となり,逆火が生じる原因の一つと考えられた.気密試験で漏れはないが逆火したものが多く,吹管から燃料ガスホースに逆火したものもあった.測定結果から,事故の防止策を述べた.

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