安全工学
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特集号: 安全工学
30 巻 , 6 号
安全工学_1991_6
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
巻頭言
寿命予測特集
  • 北川 英夫
    1991 年 30 巻 6 号 p. 378-391
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー

    現在まだ若く自由度の高い技術課題であるとの認識に立った,“寿命予測”の概論に代わるべき展望であ る, まず,1.何を寿命予測というか,2.何が要求されているか,3,その要求の背景は何か,4,寿命予測の科学・技術の構成と達成度の現状について述べた. つぎに,現在までに蓄積の特に多いと思われる,5.疲労寿命予測について詳述し・さらに,今後の発展が期待される,6・腐食・高温環境を考慮した寿命予測と,7.劣化を考慮した寿命予測とにおける特徴的問題の若干を略述し,最後に,8.寿命予測全般について,現状での問題点と感想を述べたものである.

  • 大島 榮次
    1991 年 30 巻 6 号 p. 392-399
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー

    プラントの計画,設計から始まって建設,運用を経て廃棄に至る過程をプラントライフサイクルと呼んでいるが,その間にプラントの設備は,劣化現象のような内的条件,経済状態のような外的条件など,さまざまな変化に遭隅する.こうした経時変化を前提にしたプラント管理はどのようにすべきかが問題となるが,投資計画における経済的評価,すなわちLCCの考え方と設備管理における統計的寿命予測 の方法論および故障物理による劣化傾向管理の動向についての解説を行った.

  • 西島 敏
    1991 年 30 巻 6 号 p. 400-406
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー

    金属材料の疲労は,単に力学的作用のみでは決まらない,むしろ環境との相互作用が本質的に重要な,物理化学的現象と理解すべきである.き裂の閉口を避ける新しい試験方法を導入すれば,腐食環境下での疲労き裂伝ぱの加速率が,新生面の電気化学的反応量と対応することや,高温環境での疲労き裂伝ぱの下限界速度が,そのときの酸化膜厚さと対応があることを例に挙げて,寿命予測の考え方を示した.また,大形構造物などでは寿命の支配要因となる溶接継手では,強い引張り残留応力のためき裂閉口がないから,寿命予測は考えやすいことを述べた.さらに,高温疲労による材質変化について,ひずみ繰返しに伴う内部組織の変化と時間依存性の考え方を示したほか,クリープ損傷の重畳による寿命低下の 予測方法について提案した.

  • 山内 幸彦
    1991 年 30 巻 6 号 p. 407-414
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー

    代表的な構造用セラミックスである窒化ケイ素,炭化ケイ素などの動疲労特性からセラミックスのき裂進展機構とそれに影響を与える因子にっいて考察した,また,動疲労特性からの推定疲労寿命と,実際に静あるいは繰返し応力下で測定した寿命を比較することにより,き裂進展特性から疲労寿命を推定 することの妥当性を検討した. その結果,セラミックスのき裂成長は室温においては粒界ガラス相の水分による応力腐食が,高温においてはガラス相の軟化による粒界強度の低下が主因と考えられた.静および繰返し応力下での遅れ破壊は潜在欠陥のゆっくりとした成長により生じており,基本的にはき裂進展特性から疲労寿命を予測することは可能である.しかし,粒界ガラス相の結晶化,R曲線挙動など,疲労特性に影響を与える因子は少なくなく,実際に部材の寿命予測を行うにはセラミックスの遅れ破壊機構を把握し,測定したき裂進展特性が実際に部材のさらされる条件下でのき裂成長を反映していることを確認しておく必要がある.また,寿命保証の手段としては保証試験が有効であり,試験片レベルでは疲労試験前の予負荷試験により室温における最低寿命を保証できることを確認した.

  • 宮川 豊章
    1991 年 30 巻 6 号 p. 415-420
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー

    土木コンクリート構造物における代表的な劣化メカニズムとして,塩害とアルカリ骨材反応をとりあげ,これらの劣化過程について説明した後,これらの劣化メカニズムから見た,寿命,余寿命の考え方 について紹介した.

  • 柿崎 正義
    1991 年 30 巻 6 号 p. 421-431
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー

    コンクリート構造物は半永久的なものと思われていたが,構造物を構成している主要材料のコンクリートおよび鉄筋類の劣化が引き金になり,これらの材料の個々の劣化ならびに相乗作用によって寿命を縮めている,これらはテレビ,冷蔵庫などの劣化と異なり,社会的に与える影響が大きい、 本報文はコンクリート構造物の寿命に大きな影響を与える供用後の要因である『塩化物,中性化,アルカリ骨材反応,凍害および水和熱(温度)など』をもとにして寿命を予測したものである.鉄筋コンクリート造建物の寿命予測は,材料・施工面からの一次評価でおおむね判明できるので,二次評価によゑる構造耐力の検討によって評価することは必要ないものと思われる.

  • 松井 繁之
    1991 年 30 巻 6 号 p. 432-440
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー

    昭和40年代初頭から道路橋床版の陥没事故が発生し道路管理者には重大な問題となっている、このような事故の原因は自動車の走行によるもので,広義の疲労であると認識されるようになった.輪荷重の走行をシミュレートする実験によって破壊機構が解明されて,有用な疲労データ収集によって,床版の疲労寿命予測が可能となった.本報文はこれらの概要と疲労寿命算定法,および,算定の例を述べたものである.さらに精度を上げるには今後とも自動車の荷重特性,走行状況について調査の必要性を強調 している.

  • 永嶋 興治
    1991 年 30 巻 6 号 p. 441-449
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー

    近未来開発のターゲットの1つとして地下空間開発の動きが脚光を浴びてきている. これらは,近年の都市機能の再生および少なくとも人問生活圏の環境保全を対象としているが,中でも放射性廃棄物における地中処分がクローズアップされ,この分野の研究・開発は汎地球的規模で避けては通れない問題となってきている. 本報は,これら地下構造物の安定評価の上で最も基本的な要素をなすとみられる岩盤の安定性について,特に岩盤の寿命およびこれを研究するために注目を集めているナチュラルアナログについて各種文献から最近の動向について述べたものである.

  • 大塚 尚武
    1991 年 30 巻 6 号 p. 450-457
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー

    近年プラントの延命化に対する要求が高まっていることから,プラントの寿命予測技術が重要となっている。プラントの寿命予測手法には,材質劣化を非破壊的に計測する非破壊評価法や,実機部品から採取した少量のサンプル等の各種試験を行う破壊評価法,運転履歴や材料特性に基づき余寿命を算出する解析的方法などがあり,亀裂などの欠陥がある場合には破壊力学的手法による解析的方法が必要となる。ここでは非破壊評価法および解析的方法に基づくプラントの主要な寿命予測手法の概略と実務への 応用例を紹介した.

  • 亀井 浅道
    1991 年 30 巻 6 号 p. 458-464
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー

    板厚貫通腐食孔の発生時点を石油タンクの寿命とみなし,その寿命に関与する因子と寿命評価法について解説したものである.はじめに,実測データと解析結果に基づいて,腐食深さ分布と最大深さの実態について紹介している.また,全面検査が難しい底板裏面の最大腐食深さの評価手段として極値解析による推定法を解説している,つぎに統計的に解釈した最大腐食進行速度について示している,最後に,このような考察結果に基づいて石油タンクの寿命を評価すると,その分布はワイブル分布で与えられる ことを述べている.

  • 新田 明人
    1991 年 30 巻 6 号 p. 465-471
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー

    わが国では,電力供給の過半を火力に依存しているが,その設備の6割強は憩万時問以上運用された経年火力である.しかし,経年火力といえども直ちに廃棄すべき技術的な根拠はなく,事実,その有効利用が電力の安定した供給力の確保に役立っている.ただし,そのためには,経年火力設備の適切な運用管理が肝要であり,その技術的基盤をなす余寿命評価法の確立が必要とされている。ここでは,火力発電の主要設備の1つであるボイラを対象に,その損傷要因に基づく余寿命評価法について概説する.

  • 高橋 亨
    1991 年 30 巻 6 号 p. 472-479
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー

    電線・ケーブルに対する特徴的ストレスは電気的ストレスであり,このストレスによる経年劣化は高電圧電力ケーブルの場合が対象となる.現在,高電圧電力ケーブルとしてはOFケーブルおよびCVケーブルが汎用されているが,前者は油浸紙,後者はXLPEを絶縁体としており,寿命予測に対する考え方がかなり異なる.おのおのの絶縁体に対する寿命推定の考え方を解説した.

  • 高橋 英明
    1991 年 30 巻 6 号 p. 480-488
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー

    原子力発電所の設計時には,寿命として一般に40年がとられ,機器類の基本的な設計仕様が決められている.原子力の開発国である米国においては発電所の新設がしばらくとだえているが,このままの状況が続けば,古い発電所が近い将来40年という耐用年数に達して引退するため,発電量の総量が不足するという事態に至ることが憂慮されている.この対策の1つとして,米国では原子力発電所の寿命延長に関する研究が多方面で実施されており,1991年内には開発初期の発電所について寿命延長の申請がな される予定となっている. この寿命延長にあたっての技術的課題解決のために実施されてきた研究について,およびわが国にお ける状況について報告する.

  • 飯塚 一雄
    1991 年 30 巻 6 号 p. 490-493
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー
  • 請川 孝治
    1991 年 30 巻 6 号 p. 494-498
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー

    石油が今日の文明社会にいかに重要な役割を果たしているかについて述べるとともに,石油の生因,発見方法,埋蔵量から石油の寿命について議論した.結論からいえば,すでに大規模な油田の大部分は発見されていると考えるべきであり,今後中小規模の油田の発見はあるものの全体として石油の不足は避けられない,この問題に対処するためには,石油の将来の使い方を充分検討することが重要である.

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