安全工学
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特集号: 安全工学
48 巻 , 6 号
安全工学_2009_6
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
巻頭言
安全/環境関連国際規格特集
  • 野口 和彦
    2009 年 48 巻 6 号 p. 336-343
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル フリー

    汎用リスクマネジメント規格ISO 31000 は,リスクを「目的に対する不確かさの影響」と定義し,組織目的の達成を支援するためにリスクの運営管理の規格である.この概念を安全分野に適用し,リスクを安全目標達成に影響を与える要因として,把握,評価,管理することによって,リスクマネジメントの活動が,安全目標達成に直結する仕組みとなる.また,これまでのリスクマネジメントが,主として安全を脅かす可能性のある現象やその対象となる施設に着目していたのに対して,ISO 31000 では,その組織や産業をとりまく内外の環境にも着目し,リスクや安全に関する価値観を変化させる環境変化を見落とさないことも重要視している.

  • 渡辺 慎一
    2009 年 48 巻 6 号 p. 344-349
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル フリー

    グローバルな環境リスクを制御するための制度作りが国際社会,国,自治体,企業など,さまざまな社会的レベルで進んでいる.本稿では,それらの制度形成のプロセスが全体としてどのような方向に進んでいるか,また,より効果的にグローバルな環境リスクを制御するためにはどのような困難を克服しなければならないかなどの問題を,「宇宙船地球号」に関するBoulding の二つの必要条件を手がかりにして考察する.同時に,市場のグローバル化のプロセスが進むなかで,環境マネジメントに関する国際規格が,資源循環型社会に転換するために必要とされる,国や産業を超えた共通言語を作り出していることを示す.

  • 松浦 徹也
    2009 年 48 巻 6 号 p. 350-357
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル フリー

    化学物質規制法は製品含有規制法と化学物質規制法に大別できる.前者の代表であるRoHS 指令は2008 年12 月の改正提案がされ,対象製品に医療機器や監視制御機器などが追加され,CE マーキング制度の導入など大幅な改正が見込まれている.RoHS 指令はアメリカ連邦RoHS 法やシップリサイクル条約にも影響を与えている. 化学物質規制法としてはREACH 規則がある.REACH 規則は従来の化学物質メーカー中心の規制から化学物質を利用する川下ユーザーにも拡大した.REACH 規則は新たな枠組みの規制法であり,運用面では検討途中のものもあり,企業は困惑をしている. REACH 規則は2009 年5 月に公布されて日本の化審法などにも影響を与えている. 本稿では,日本企業に大きな影響を与えている日米欧の主要法令の概要と義務を解説する.

  • 藤本 康弘, 宮川 宗之
    2009 年 48 巻 6 号 p. 358-367
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル フリー

    2009 年に発行されたGHS 改訂第3 版におけるおもな改正点を紹介する.物理化学的危険性については,火薬類と引火性液体についての判定基準,健康影響については感作性における細区分の導入とその判定基準,環境影響については水生環境影響に関する慢性試験データに基づいた分類基準,またオゾン層破壊物質に関する新クラスの導入について概要を示した.また,GHS の分類基準に準拠した「分類JIS」案や,関係省庁などによって作成された新しいGHS 分類のためのガイダンス文書など,国内におけるGHS 対応状況を紹介した.

  • 梅崎 重夫
    2009 年 48 巻 6 号 p. 368-374
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル フリー

    1999 年に発効したISO 14121 は,2007 年にISO 14121─1(第1 部:原則)とISO/TR 14121─2(第2 部:実践の手引き及び方法の例)の2 部構成として改訂された.本報では,旧版であるISO 14121:1999 と改訂されたISO 14121─1 および─2:2007 の比較検討を行った.この結果,改訂されたISO 14121─1 は,労働安全の観点である事故の型,起因物,ライフサイクル,作業形態などを考慮した総合的な手法に変更された.これは,あるべき方向への改訂として評価できる.また,ISO 14121─2 は現場における実践的リスクアセスメント技術の高度化に寄与するものであり,今後は労働安全分野でもこの規格の活用が望まれる.

  • 池田 博康
    2009 年 48 巻 6 号 p. 375-378
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル フリー

    近年,機械の制御システムが高度化,複雑化するなかで,制御システムの安全設計の重要性が認識されている.機械の安全性を確保するためには,制御システムであっても機械の国際安全規格に従って設計することが求められ,そのためISO 13849 により安全性要求事項が規定されている.この規格は従来の定性的評価から,定量的な安全性能評価手順を導入して大きく改訂されたため,その変更点を中心に改訂規格の内容を述べる.

  • 福田 隆文
    2009 年 48 巻 6 号 p. 379-384
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル フリー

    機械の安全関連系に関する規格であるIEC 62061 はIEC 61508 の傘下規格として制定された.その背景には,機械類の制御にPLC など電子技術とソフトウェアを用いた機器が使われるようになったことがある.一方,機械類の安全制御部の規格としてすでにISO 13849 があった.そこで両規格の機械安全規格体系での位置付け,適用推奨案を確認したうえで,本規格の内容の概説を行った.IEC 62061 は機能安全の考え方をベースにしており,検知できない危険側故障の1 時間当たりの発生確率(PFHD)を基準に安全インテグリティレベル(SIL)を定めていることを述べ,その計算の基礎を示した.また,IEC/TR 62061─ 1/Ed.1 に例示のPFHD 推算結果を紹介した.両規格に従って1 時間当たりの危険側故障確率を求めると結果に差異が出る.また,SIL はPFHD をもとにしているので,故障率データベースの構築が必要である.

  • 齋藤 剛
    2009 年 48 巻 6 号 p. 385-390
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル フリー

    形状や寸法の工夫で危険源に人が触れないようにすることは,機械のリスク低減としてきわめて本質的である。この際,適切な寸法を与えるのがISO 13857 である。また,ISO 13857 は,安全防護の正当性を計る基準でもあり,ガードの上を越えたり開口部から手を通したりしても危険区域への到達を阻止するのに必要なガードの大きさと設置位置を示す。ただし,ここで規定された数値は欧州各国で得られた人体計測値をおもな根拠にしており,欧米人と明らかに体格が異なるわが国の労働者にとって必ずしも適切とはいえなかった。本稿では,このISO 13857 の概要を述べるとともに,本規格の規定値を日本人に適用することの妥当性を検証した測定結果について紹介する。

  • 川島 興, 佐藤 吉信
    2009 年 48 巻 6 号 p. 391-394
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル フリー

    モーターの動きを自由に制御する可変速電気駆動システムは,機械の駆動源として幅広く使用される一方,人に危害を及ぼす大きな力を生み出す危険源でもある.一般にモーターまたは可変速電気駆動システムによる機械的な危険が発生した場合には電気機械式部品で確実に電源を遮断し安全を確保するよう設計してきた. しかし,機械類の安全関連制御系に関する規格は,この数年の間に機能安全や定量的評価の概念を採り入れ大きく変化し,非常停止さえも電子制御できるようになった.本稿では,可変速電気駆動システムの安全確保および関係する諸規格について解説する.

  • 永石 治喜
    2009 年 48 巻 6 号 p. 395-400
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル フリー

    工場電気設備防爆指針(以下,防爆指針という)は,これまでに,可燃性ガスまたは引火性液体の蒸気による引火爆発の危険のある箇所に設置する電気設備に関する唯一の技術指針として,JIS の防爆関連規格,船舶の防爆規格あるいは電気事業法,消防関連の関係法令等の制定に際し,そのよりどころとして広く活用されるとともに,防爆構造電気機械器具の検定にも活用されている.2006 年以降はIEC 規格に対応した防爆指針Ex 版も制定され,まさにIEC 60079 シリーズに含まれる電気機器の構造・設置・危険箇所の分類・内圧防爆室・保全およびガス蒸気の燃焼特性等もデータ等を含む集大成された内容となることを目指している.

  • 山隈 瑞樹, 児玉 勉
    2009 年 48 巻 6 号 p. 401-406
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル フリー

    静電気放電は,依然として爆発・火災の着火源および半導体・電子デバイスの生産障害要因として軽視すべからぬ地位を占めている.静電気災害の発生過程は多岐にわたっているが,災害が多発する作業・工程に関しては,静電気対策のための用品類および危険性評価方法が国内外の規格および指針として制定されている.本報では,国内の静電気の発生状況を俯瞰するとともに,静電気関連障災害に関係する規格類の整備状況および動向を履物,衣服,フレキシブルコンテナ,除電器および粉じんの最小着火エネルギー測定法を中心に解説する.

  • 市川 健二
    2009 年 48 巻 6 号 p. 407-412
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル フリー

    厚生労働省より毎年公表される感電災害統計から,わが国の産業職場で発生した感電災害の発生状況や特徴を調査した.その結果,全労働災害は長期的視野で見れば減少傾向を示すなかで,感電災害は特に昭和50 年代において著しく減少し災害防止の成果を上げたが,それ以降は他の労働災害と同程度の減少傾向で推移している.感電災害の特徴としては,災害発生件数こそ少ないものの,いったん発生すると死亡危険性が高いこと,低圧電気での災害は夏季(7~9 月)に集中して発生し,電撃が人体の皮膚の発汗現象(人体抵抗の低下)と密接に関係していること等を示している. 電撃の危険限界については,過去に多くの研究者が実施した人体実験や動物実験の結果,およびそれらをもとに公表されたIEC(国際電気標準会議)の技術報告書で示された人体反応やその危険限界(電流/時間領域)等を紹介する.

  • 田村 裕之
    2009 年 48 巻 6 号 p. 413-418
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル フリー

    電気用品が発火源となった火災の近年の動向として,おもな発生原因,電気用品種類別の火災件数の推移,火災事例を紹介し,あわせて,電気用品の製造や販売に関連した法規制についても紹介する.

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