本研究は、放送人が高齢者に対してどのような意識を持っているのかを明らかにすることを目的とした。調査は、2005年、全国の放送人20代から70代の321人を対象に、郵送回収法によりアンケート調査を行った。回収率は68.5%であった。「高齢者」を「70歳以上」と答える人がほぼ半数を占めた。
現在放送している番組のなかで実際に「高齢者向け」・「高齢者が好む」と思う具体的な番組名をあげてもらったところ、NHKの番組をあげる放送人が多かった。さらにはPalmoreのクイズを用い、エイジズムとの関連を見た。Palmoreのクイズの正答率は、「女性ほど」、「年齢が高いほど」、「高齢者を視聴者として意識する程度の高いこと」、「高齢者と接する機会の多いこと」、そして「高齢者向け番組への関与経験のあること」で有意に高くなった。
抄録全体を表示