目的:運動習慣のある地域在住高齢者における社会的孤立の実態とその変化に関連する要因について検討する.
方法:対象はラジオ体操会に参加している118名とし,社会的孤立状態はLubben Social Network Scale短縮版を用いた.孤立状態に変化があった者7名に,ストレスフル・ライフイベントアンケート,半構造化インタビューを用い,変化の要因を調査した.
結果:社会的孤立者は14名(11.9%)存在した.変化の要因として,ストレスフル・ライフイベントが調査時期近くに発生していた.孤立に至る要因は《他者と親密になることへの敬遠》,《加齢に伴う他者との関係の減少》,脱出する要因は《自主グループ活動への参加》,《環境の変化への適応》のカテゴリーが抽出された.
考察:ストレスフル・ライフイベント発生による心理的要因が他者との関係を一時的に減少させ,孤立に至らせる可能性があるが,時間経過と自主グループ活動の参加が孤立からの脱出につながる可能性が推察された.
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