済生会総合研究所報
Online ISSN : 2759-6966
最新号
済生会総合研究所報
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 表紙
    2025 年 2025 巻 5 号 p. 0
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/05/12
    研究報告書・技術報告書 フリー
  • 2025 年 2025 巻 5 号 p. 0-2
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/05/12
    研究報告書・技術報告書 フリー
  • 炭谷 茂
    2025 年 2025 巻 5 号 p. 1
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/05/12
    研究報告書・技術報告書 フリー
  • 山口 直人, 松原 了
    2025 年 2025 巻 5 号 p. 3-15
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/05/12
    研究報告書・技術報告書 フリー
    【要旨】
    目的:
    2023年5月に5類感染症に移行した後のコロナ後において済生会病院の急性期入院患者数は2019年までのコロナ前の状態に回復していないが、この状況に済生会全体として取るべき対策を検討する一助とするために、DPC データを基に、コロナ前、コロナ期、コロナ後の3期間の間で、急性期入院患者にどのような変化が起きてきたかを分析することを目的にした。
    方法:
    対象としたのは済生会病院の中で2023年度までのDPCデータを本部経営情報システムに提出し、対象期間中に移転等がなかった64病院。分析の対象とした期間は、2016年9月~2019年12月までのコロナ前、2020年1月から2023年4月までのコロナ期、2023 年5 月から2024 年3 月までのコロナ後の3 期に分類し、各期間中に急性期病棟に入院した患者を対象として、月間新規入院患者数、平均在院日数、1日平均入院患者数を算出した。平均在院日数に影響する因子として、入院時の主要傷病の中で平均在院日数が特に減少した疾患群がないか特定を試みた。さらに、コロナ前に比した場合のコロナ後の新規入院患者数の増減に影響する要因として、同時期に各病院の入院患者が居住する地域の人口増減との関連を分析した。
    結果:
    64病院の中で、コロナ前に比べてコロナ後の1日平均入院患者数が10%以上減少したのは49病院(77%)であり、49病院の中で平均在院日数が10%以上減少したのは34病院(69%)、月間新規入院患者数が10%以上減少したのは16病院(33%)であった。コロナ前と比較してコロナ期の平均在院日数の減少は僅かであったが、コロナ後の減少はより大きかった。入院時の主要疾患別にコロナ前とコロナ後の平均在院日数の変化を比較すると、ほとんどの疾患群でコロナ後に平均在院日数が減少しており、在院日数短縮に向けた診療報酬上の誘導を受けて病院全体が在院日数短縮に努力したことによると考えられた。各病院におけるコロナ前とコロナ後の新規入院患者数の比(入院比)と、病院の急性期入院患者の居住地域のコロナ前とコロナ後と人口比を比較すると、人口減少よりも新規入院患者数の減少がより大きかった病院も多く、1日平均入院患者数が減少した病院では平均在院日数の減少に対抗して入院患者数を維持するまでには新規入院患者数が増加していなかっ た。一方、1日平均入院患者数が減少していない病院では、人口減少に対抗して新規入院患者数が確保できており、1日入院患者数の減少が抑えられていることが明らかとなった。
    考察:
    今回の分析では新規入院患者数が10%以上減少した病院が16病院あったが、これらの中には急性期病床を減らした病院、看護師不足等で一時的に休床している病院も含まれており、人口減少の影響や、患者の受療行動の変化による低下を必ずしも意味しない。一方、2024年度の診療報酬改定では、急性期一般入院料1の平均在院日数の基準が18日から16日に短縮されたが、診療報酬改定による在院日数短縮に向けた政策的な誘導が今後とも継続されると考えられ、病院が新規入院患者数を確保して入院患者数を維持するには、人口減少に対抗して新規入院患者を増やす必要がある。2045 年までの急性期入院患者数の予測では、2018/19年と比較して2045年では15~64歳群で80%まで大きく減少するのに対して、65~7歳で98%と横ばい、75歳以上では133%と増加することが予想されており、高齢者の急性期入院に重点をシフトすることも人口減少による急性期入院患者数の減少への対応策として選択肢となるであろう。

    結論:
    済生会病院における急性期入院患者数の減少は、平均在院日数の短縮が背景にあり、それに対抗して新規入院患者数の増やすことは、今後の人口減少から容易ではない。人口が増えることが予想される高齢者への重点シフトなどの対応策が選択肢となる。
  • 原田 奈津子
    2025 年 2025 巻 5 号 p. 16-26
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/05/12
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本研究では、医療と福祉の連携に関して、地域の社会資源である3つの組織(病院、福祉施設、在宅サービス事業所)への調査から明らかにする。

     3つの調査結果から、地域における「医療と福祉」・「医療と介護」の一体的な提供において、地域の社会資源としての連携、つまり、それぞれの組織のキーパーソンの連携が必要であることが明らかになった。また、共通認識を持った環境づくりとして、情報の共有化、専門職確保、改善へ向けた取り組みが求められていることがわかった。

     医療と福祉の連携では、専門職・機関との連携だけでなく、地域特性の理解やニーズの把握も重要となる。地域にあわせた医療と福祉の連携の推進に向けて、さらに実践に寄与できるような研究を進めていきたい。
  • 植松 和子, 曽我部 直美, 田中 嘉一, 菅野 浩, 柴崎 智行, 則武 有美, 田嶌 襄, 山口 直人, 松原 了
    2025 年 2025 巻 5 号 p. 27-40
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/05/12
    研究報告書・技術報告書 フリー
    昨年度実施した調査から、済生会の高齢者施設における薬物治療、服薬等に関してどのような課題があるか、また、済生会病院の薬剤師がどのように関与しているかについて一定の状況を把握することができた。
     済生会は多くの高齢者施設を有しており、ほとんどの入所者が薬物治療を継続している。高齢者の薬物治療では、服薬方法の煩雑さ、多剤併用による相互作用の確認等が増加している。高齢者施設の介護では服薬しにくい錠剤の粉砕や、飲食物への混合が日常的に行われており、服薬方法、服薬支援に関する適正化が必須となっている。
     そこで済生会の薬剤師会として福祉施設会との連携により入所者の服薬の適正化、薬物治療の安全性を確保し、入所者の不利益をできるだけ回避するための支援を進めることとした。
    (1)介護と薬に関する研修会を定期的に開催する
    (2)施設の実情を把握するために薬剤師が施設を訪問する
    (3)施設と病院との医薬品情報の連携を図る
    の3項目である。
  • 船﨑 俊一
    2025 年 2025 巻 5 号 p. 41-56
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/05/12
    研究報告書・技術報告書 フリー
    全国済生会指導医のためのワークショップ(以下「SWS」)は医師が国家資格としての指導医資格を得るための講習会として平成18(2006)年から開催されている。その一方、済生会ではSWSを単に人材育成講習会としてではなく、人材開発を隠れたカリキュラムhidden curriculumとし「済生会における医師の人材開発」に関わる研修会として重要視してきた。今日、「教育の済生会」の基盤をなす「済生会における医師の人材開発」のための研修会として発展し、益々その重要性が高まっている。SWSを受講することで期待される指導医の姿は「研修医clinical internsの行動に変化をもたらし、自らも成長する指導医としての態度を身につける」ことである。しかし、主催してきた側には、果たしてSWSはその成果をあげているのか、という内なる問いかけがあった。今回、済生会保健・医療・福祉総合研究所と済生会本部のスタッフの協力を得て、過去行われてきた51回のSWSの成果をSWS以外の指導医講習会受講者を含め自己の行動変容の有無についてアンケートを実施することで検証した。

    結果:どの指導医講習会を受けても、修了すれば厚労省から指導医講習会修了の資格が付与されるため、SWS と他団体の指導医講習会での修了証取得率は同等と考えられる。受講者数においては他の指導医講 習会を受講した医師が7割と多く、SWSは3割でした。この差をもたらす理由としては、1)当初年4回であったSWSが、現在は年2回開催となり受講機会が減ったこと、2) 開催地が大阪と東京(千葉県・海浜幕張)の定点開催であるため、受講に際して勤務地からの移動等距離的負担が大きくなることが考えられた。済生会における医師の人材開発に関する行動変容についての結果は、以下の3点に集約できた。1)SWSを含め、指導医講習会受講者の6〜7割が行動変容していた。2) いずれの行動変容もSWS受講者が有意に多く、変化なしが少なかった。3)済生会の事業をより良く理解する点ではSWS受講者が顕著であった。医師が周囲に与える影響力は大きく、一人でも多くの医師が自己を開発し、望ましい態度習慣に変容することが各地の済生会病院の発展のきっかけとなると考えられることから、指導医講習会受講に際してはSWSを選択することが済生会人の育成の観点からは望ましいと思われる。
  • 済生会総合研究所 人材開発部門
    2025 年 2025 巻 5 号 p. 57-63
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/05/12
    研究報告書・技術報告書 フリー
    初期研修医合同セミナー ----57
    医師臨床研修管理担当者研修会 ----58
    済生会全国次世代指導者研修 ----59
    臨床研修指導医のためのワークショップ ----60
    医療技術者(PT・OT・ST)マネジメント研修会 ----61
    薬剤部(科・局)長研修会 ----62
    臨床研修指導医のためのワークショップ(SWS) ----63
  • 2025 年 2025 巻 5 号 p. 64-0-64-1
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/05/12
    研究報告書・技術報告書 フリー
    済生会保健・医療・福祉総合研究所 所報 第5号
    令和7年3月31日 第1版 第1刷発行
    発行
     社会福祉法人 恩賜財団 済生会
    理事長
     炭谷 茂
    編集
     済生会保健・医療・福祉総合研究所

    〒108-0073
    東京都港区三田1-4-28 三田国際ビル26階
    電話:03-3454-3315

    URL http://soken.saiseikai.or.jp/
feedback
Top