産業衛生学雑誌
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37 巻 , 3 号
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  • 野見山 哲生, 大前 和幸, 上村 隆元, 中島 宏, 武林 亨, 石塚 千鶴, 山崎 一人, 櫻井 治彦
    1995 年 37 巻 3 号 p. 157-160,A54
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    本研究は,半導体特殊材料ガスであるジボランの比較的低濃度の毒性評価を目的とし,雄性ICRマウスに, 1 ppm, 5 ppmジボランに1, 2, 4, 8時間曝露(急性曝露実験), 0.2 ppm, 0.7 ppmジボランに一日6時間,週5日間で2, 4週間曝露(亜急性曝露実験)を行った.血液生化学検査と,角膜・鼻腔粘膜・気管支・肺の病理組織学的検索を行った.急性曝露実験では, 5 ppm, 8時間曝露群において有意に肺重量が増加していた.組織病理学的に汎細気管支炎様変化(Diffuse panbronchiolitis-like lesion)が5 ppm, 2, 4, 8時間曝露群で見られた.亜急性曝露実験では, 0.2 ppm, 0.7 ppmの2, 4週間曝露群で軽度の好中球浸潤が主として細気管支領域において見られた.急性・亜急性曝露実験で血液生化学検査に曝露と関連する変化は見いだされなかった.本実験において,急性曝露によるマウス呼級器系への無影響量は1 ppmであったが,亜急性実験においては0.2 ppmでも呼吸器系には安全とは言えない.
  • 川田 智之, 鈴木 庄亮
    1995 年 37 巻 3 号 p. 161-163,A54
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    健康満足度に焦点をあて,それと健康習慣,自覚症状,および現在の治療歴との関連を検討した.定期健診時のカルテの裏面に簡単な自記式質問項目を並べ,問診時に保健婦が再確認する方法を採った.年齢18-54歳(平均値±標準偏差は41.4±7.61歳)の男子3,639名を最終的に対象者とした. 7つの好ましい健康習慣とは, (1)禁煙を含めた非喫煙, (2)飲酒しないか一週間に5日以内の飲酒, (3)一週間に3日以上の定期的運動, (4)体格指数BMI 20以上28以下, (5)全睡眠時間6時間より長く9時間以内, (6)毎日の朝食摂取,および(7)毎日は間食しない,である.各項目で好ましい場合には1,そうでない場合は0として,単純加算し健康習慣指数とした.また,「この1年間,自分の健康にどの程度満足していますか.」で満足またはほぼ満足している者を1,不満である者を0として健康満足度を示すデータとした.さらに,この2・3カ月の自覚症状の有無についての20個の選択肢から少なくとも1つ選んだ者を自覚症状ありとして1とし,それがない者を0とした.なお,現在治療中の者を1,治療していない者を0とした. 45-54歳の健康満足群の健康習慣指数は同じ年齢階級の健康不満足群のそれに較べて有意に高値を示した.また健康不満足群では, 35歳未満で毎日間食する者, 45-54歳でBMIが20未満または28を超える者, 50歳以上で定期的に運動しない者の割合が,健康満足群のそれらに較べて有意に高かった.自覚症状,現在の治療歴,年齢,および健康習慣を用いて,判別分析で健康満足度を予測した.その結果,自覚症状と現治療歴のそれぞれの標準化判別係数は0.672と0.610で,各健康習慣や年齢よりも3倍以上大きく,健康満足度を最も強く規定していた.
  • 大村 実, 田中 昭代, 趙 満根, 平田 美由紀, 槇田 裕之, 井上 尚英, 後藤 薫
    1995 年 37 巻 3 号 p. 165-166,A55
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    ガリウムヒ素(GaAs)は半導体素子,発光ダイオード等に幅広く利用されており,今後その需要は急速に伸びていくものと思われる.本研究ではGaAsを雄ラットの気管内に反復投与し,雄性生殖系への影響について検討を行った. 12週齢の雄のWistarラットに対して7.7 mg/kgのGaAs (NMD: 1.32μm, σg: 1.76)をリン酸緩衝液(pH 6.9)に懸濁して週2回・計16回気管内に投与した.対照群に対してはリン酸緩衝液のみを同様に投与した.投与期間終了後,ラットはエーテル麻酔下で生殺し,精巣および精巣上体の重量・精子数,異常精子の出現頻度によって, GaAsの雄性生殖系への影響について評価を行った. GaAsの投与によって精巣の重量や精子数には変化は認められなかった.しかし,精巣上体においては,精巣上体重量の減少,精巣上体体尾部における精子数の減少,および異常精子出現頻度の増加を認めた.精巣上体体尾部における精子数は対照群では167.4±21.3×106であったのに対して, GaAs群では98.6±23.8×106であり,約40%の減少が認められた.また異常精子を形態から未熟精子,奇形精子,無尾精子の三つに分類して評価すると, GaAs投与群ではそれぞれで対照群と比較して27倍, 14倍, 4倍の増加が認められた.さらに形態的に未熟な精子の増加のほとんどは, straight head型の未熟精子の増加によるものであった.以上の結果から,ラットではGaAsの気管内反復投与により精子数の減少,異常精子の増加を来たすことが確認された.今後は精巣の病理組織学的評価を行い, GaAsの雄性生殖系への影響について,より詳細な検討を行う予定である.
  • 登坂 由香, 石崎 昌夫, 山田 裕一
    1995 年 37 巻 3 号 p. 167-168,A55
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    職業性ストレスが心血管性疾患発生の危険因子の一つとして注目されている. Karasekらは仕事の意志決定度(Decision latitude: DL)と仕事の要求度(Job demand: JD)の2つの尺度を提唱し, JDが高くDLが低い集団に虚血性心疾患の発症が多いことを報告した.またJohnsonらは,これに社会的支援(Social support: SS)を加えたモデルにより, SSが低いほど心血管性疾患死亡率,有病率が高いことを示した.近年,川上らによりKarasekの考案したJob Content Questionnaire (JCQ)の日本語版が紹介されたので,これを用いて,あるコンピュータ製造企業の35-61歳の労働者の性および従業上の地位と, Karasekのモデルにより評価される職業性ストレスとの関連性を検討した.該当する労働者308人を対象としてJCQ質問票を用いた自己記入式のアンケート調査を実施した.最終的に286人から有効回答を得た(有効回答率93%).その結果,特にDL, SSにおいて,男性より女性で,また従業上の地位が低くなるほど得点が低くなり,したがってKarasekのモデルによる職業性ストレスが大であるという結果であった.対象者数も限られた今回の調査結果から断定的な結論は下せないが,従業上の地位の低い労働者の健康管理等にあたり,職業性ストレスが大きくなりがちであることと,それによる虚血性心疾患の発生にも,今後注意を払う必要のあることが示唆される.
  • 塩川 和彦, 高倉 公朋, 加川 瑞夫, 佐藤 和栄
    1995 年 37 巻 3 号 p. 169-175
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    くも膜下出血411例について,その発症に影響する因子をretrospectiveに解析し,労働との関連について検討した.発症時間では7時と16-17時の2つのピークがみられた.就労中発症は全くも膜下出血例の15.1%に見られ,運動,性交なども含めて,何らかの外的ストレスの関与が示唆されるものは66.7%に見られた.職務内容では,就労中発症例はその他の発症例に比較して,管理職を除く男性会社事務と肉体労働に多かった.就労中発症例はその他の発症例に比較して,高血圧症,喫煙歴,不眠の既往に有意差はみられなかったが, 40-59歳男性の就労中発症例(特に事務労働中発症例)はその他の発症例に比較して,有意に喫煙歴が高かった.労働そのものがくも膜下出血発症の原因になるか否かは未だ不明の点も多いが,就労中発症の機転として外的ストレスによる-過性の血圧上昇が示唆され,肉体的および精神的ストレス(外的ストレス)に対する個人の反応性が問題と考えられた.したがってその予防には新しい健康診断方法や健康管理が必要と思われる.
  • 成清 雄一, 塚島 英明, 名古屋 俊士
    1995 年 37 巻 3 号 p. 177-185
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    取替え式防じんマスクについては,着用者自身がその顔面と面体との密着性の良否を随時容易に検査できるものであることが規定されている.一般的にこのテストは,マスクを着用し吸入口をふさいだうえに,息を吸うことにより内部を陰圧にして.面体との接顔部から空気の漏れ込みを調べる方法(以下,陰圧法と略称)が採用されている.しかしながら,この方法では着用者自身の確認は可能であるが,管理監督者や衛生スタッフ等の第三者によるフィットネスの確認は難しい.そこで,着用者に対する教育指導およびマスクの保守管理に関し良好な状態にある実操業の衛生陶器製造事業場において,労研式マスクフィッティングテスターMT-02を用いてテストを実施し,併せてアンケートを行ない,その実用性について検討を行なった結果,下記事項が明らかとなった. 1)着用者に対し特に指導を行なわず,通常の着用状態で行なった1回目のフィットネステストでは, 50.0%の者が目標値とした漏れ率5%以下を達成していないことが発見できた. 2) 1回目のフィットネステストで目標を達成しなかった者は,衛生スタッフの指導により3回目のテストまでに全員が目標を達成した. 3)目標を達成するまでの指導事項としては,しめひもおよび装着位置の調整で目標を達成した者が88.2%を占めており,フィルターの取替えおよび吸排気弁の取替え・清掃を指導された者はいなかった.またこのことは,衛生スタッフによる着用指導,着用者による日常の点検・清掃および定期的なフィルターの一斉交換といった諸施策の効果であると考えられる. 4)しかしながら,マスク本体の取替え,フィルターの位置修正および接顔メリアスの取替えといった指導が必要だった者が11.8%いたことは,従来の着用者自身による陰圧法テストでは発見できていなかったことであり,この点もマスクテスターによるフィットネステストの効果であると考えられる. 5)着用者に対するアンケート結果では,「マスクテスターによるフィットネステストは防じんマスクの着用および保守管理に役立つ.」といった回答をした者が多く,着用者自身がこのテストの有効性に関し評価しているものと判断される. 6)また管理監督者に対し実施したアンケート結果から,このフィットネステストは単にフィットネスの状態が定量的に把握できるだけでなく,粉じん対策に関する作業者の認識向上にも有効であると考察される.以上より,マスクテスターによるフィットネステストは,防じんマスクの着用指導・保守管理および粉じん対策に関する作業者の認識向上といった点で効果があると考えられるため,今後本事業場では防じんマスク着用者全員に対しこのテストを定期的に実施していくこととなった,
  • 広部 一彦, 大脇 多美代, 松沢 佑次
    1995 年 37 巻 3 号 p. 187-194
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    近年,職域においても免疫学的便潜血検査は,大腸癌のスクリーニング検査として広く普及しつつある.しかし感度,特異度又費用効果の面から,何日法が適しているか,又精検効率を高めるにはどうすればよいか等まだ残された問題は多い.我々は1986年より免疫学的便潜血検査(RPHA) 3日法と問診による大腸癌のスクリーニング検査を40才以上の全従業員に対して毎年実施してきた.この7年間に便潜血検査を受検したのは延べ5,386名で,そのうち261名が陽性であった(平均陽性率: 4.8%).大腸癌検診から7年間に12例の大腸癌(早期癌7例,進行癌5例)が発見された.そのうち10例は便潜血検査陽性者から, 2例は問診(家族歴と顕出血)からの精検によって発見された.便潜血検査の感度と特異度はそれぞれ83.3%と95.3%であったが,進行癌に限れば感度は100%であり診断の精度としては満足すべき結果であった.又,発見大腸癌の75% (9/12)は55才以上の者であった. RPHA 3日法のうち1回のみ陽性を示した174名からは, 1例のみの大腸早期癌が発見され,陽性反応適中度は0.6%であった.一方, 2回以上陽性を示した63名からは9例の大腸癌が発見され,陽性反応適中度は14.3%と1回のみ陽性の場合に比し,きわめて高率であった.以上の結果より職域における逐年検診において,効率的な精検を実施するためには,この2回以上の陽性者(high Risk群:全陽性者の24%)に対してはただちに精検(注腸レントゲン検査又は内視鏡検査)を実施し, 1回のみの陽性者(low Risk群)に対しては再度RPHA 3日法を実施し,その陽性者のみ精検を実施するという方法が妥当と考えられた.これによって,要精検者を約50%減らすことも可能である.以上RPHA 3日法は感度・特異度ともに良好で,職域における大腸癌のスクリーニング検査として高い診断精度を示すとともに,逐年検診を前提とすれば, 2回以上陽性者を中心に精検を実施することで,精検効率を高めることが可能であると思われた.
  • 新井 淑弘, 孫 貴範, 下條 信弘
    1995 年 37 巻 3 号 p. 195-196
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
  • 名古屋 俊士, 三宅 弘子
    1995 年 37 巻 3 号 p. 197-198
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
  • 垂水 公男, 杉田 篤生, 萩原 明人, 森本 兼曩
    1995 年 37 巻 3 号 p. 199-206
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    近畿圏の6国公立大学医学部に在籍する5年次生を対象に,卒後の希望進路と産業医業務に関する意識調査を行った.有効な回答が返却された368名(有効回答率: 68.4%)について,産業医志向とその関連要因を検討した. 1)卒後に産業医を志望するものは1名(0.3%)であったが,産業医を進路として考えたことがあるものは24.2%であった.産業医志向は,女子と26歳以上の男子に高く,また産業医志向は医師過剰への不安と関連していた. 2)産業医志向のないものでも,産業医業務に対する否定的な回答は少なかった.また,全体の88.3%が,産業医を含めて卒後の進路についての情報が不足していると回答していた. 3)産業医志向の有無によって,産業医業務に従事する場合の要件が異なり,産業医志向のあるものでは会社の受け入れ体制,ないものでは臨床との並行業務の回答が最も多かった. 4)以上の結果と考察を通じて,医学部学生への産業医関連の情報提供,産業医養成のための卒後研修制度の拡充は,産業医の確保に重要であると考えられた.
  • 1995 年 37 巻 3 号 p. 207-211
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 37 巻 3 号 p. 211-220
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 37 巻 3 号 p. 220-224
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 37 巻 3 号 p. 224-226
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
  • 山田 裕一
    1995 年 37 巻 3 号 p. A53
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 37 巻 3 号 p. A67-A68
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
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