産業衛生学雑誌
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45 巻 , 2 号
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原著
  • 高田 康光, 中西 理恵子, 礒田 千賀, 新野 真弓, 前田 友希
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2003 年 45 巻 2 号 p. 43-49
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/09/10
    ジャーナル フリー
    30, 35, 40歳に到達した勤労者で血清コレステロール(CHO)あるいは血清中性脂肪(TG)高値例に運動習慣の見直し, 高脂血症についての知識の習得を目指した1年間の教育プログラムを職場で実施した. 8年間でのべ420名を選定し, プログラム項目の最大酸素摂取率測定, 高脂血症教室, 試食会, 血清脂質測定への参加率は各々平均86%, 59%, 35%, 61%だった. 初回の最大酸素摂取率推定値と前後の血清脂質値が測定できた男性214名(1年後), 125名(5年後)をリポタンパク表現型でII a型, II b型, IV型に分類し教育効果を判定した. II a群は1年後(n=117)にCHO値, low density lipoprotein (LDL)-CHO値がともに約10mg/dl減少しLDL-CHO値の低下は5年後(n=69)も認めた. II b型群のTG値, LDL-CHO値は1年後(n=44)のみ有意に低下し, CHO値は1年後, 5年後(n=25)とも有意な低下を認めた. IV型群ではTG値の改善は認めなかったが1年後(n=53), 5年後(n=32)までHDL-CHO値の有意な増加を認めた. II b型ではII a型に比しBMI, 体脂肪率とも有意に高く最大酸素摂取率推定値は低値を示した. また, IV型は喫煙率が高い特徴を示した. 40歳以下の高脂血症例をリポタンパク表現型で分類すると特徴ある体型, 習慣がみられ, 健康教育の効果も異なった. 血清脂質異常の改善につながる教育には対象の特徴に合わせた効果判定が必要と考えられた.
調査報告
  • 磯野 富美子
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2003 年 45 巻 2 号 p. 50-56
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/09/10
    ジャーナル フリー
    産業看護職に対する事業所の期待を探るために, 関東および関西地区の282事業所を対象にした自記式調査票による郵送調査を1998年に実施した. 研究の目的は産業看護職への事業所の期待と事業所の特性による違いを明らかにすることである. 149通の回答が得られ, 138通を分析対象とした. 結果は以下のとおりである. 1. 看護職が専門外の業務に関与することや, 組織優先に対しては事業所がそれらを期待している状況が示唆された. 2. 産業保健活動における事業所の期待は全体的には高かったが, 作業 · 環境分野では低かった. 3. 個別の事後指導, 生活習慣病予防のための健康教育および健康の保持増進のための健康教育, 労働に起因する健康障害予防教育, 労災防止のための安全衛生教育などで, 事業所の規模による違いがみられた.
  • 李 廷秀, 川久保 清, 川村 勇人
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2003 年 45 巻 2 号 p. 57-66
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/09/10
    ジャーナル フリー
    職場の健康づくりにおいては, 個々人を対象とした健康づくりより, 個人を取り巻く職場環境への組織的アプローチの重要性が注目されている. しかし, 職場の健康づくり支援環境を評価した研究は少ない. 本研究では, 職場における健康づくり支援環境の実態を調査することにより, 従業員の健康づくりに取り組む職場が整備すべき諸条件を明らかにすることを目的とした. 全国の事業場450カ所の産業医に対して質問紙を郵送調査した. 質問紙は182項目からなり身体活動 · 運動, 栄養 · 食生活, ストレス, たばこ, 健康診断, 組織的支援の6つの領域からなる. 有効回答数は142(32.7%)で, 従業員規模はすべてが300人以上, 71.1%は製造業であった. 最も実施割合が高かったのは健康診断領域(72.5%), 次いでストレス領域(45.9%)であった. 実施割合が最も低かったのは喫煙対策領域(22.0%)であった. 健康づくり関連施設としてはストレス相談場所(97.9%), 社員食堂(91.6%), 運動施設(67.6%), 休憩場所(78.9%)が比較的多かった. しかし, 施設の利用を勧める方策を実施している事業場は少なかった. 健康教育として最も多く実施していたのは運動プログラム(63.6%)であった. しかし健康的な食事は45.8%, 体重管理プログラム35.9%とその実施率は比較的低かった. 従業員規模別では6領域全ての平均実施割合とストレス領域での平均実施割合に有意差がみられ, 規模が大きいほど実施割合が高い結果であった. 業種間では6領域全ての運動領域において有意差がみられ, 製造業においてその実施割合が高かった. 本研究により, 従業員の健康づくりに取り組む職場が整備すべき諸条件が明らかになった.
  • 寺田 勇人, 井谷 徹, 庄司 幸子, 宮川 るみ, 徳永 幸彦
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2003 年 45 巻 2 号 p. 67-75
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/09/10
    ジャーナル フリー
    健康保険組合(以下「健保」という. )及び加入企業(以下「職域」という. )と地方自治体等(以下「地域」という. )との連携活動事例を分析し, 職域と地域の連携活動の形態及び方向性について模索し, 健保が被保険者等を対象に実施している保健福祉事業の発展に資することを目的とする. 2000年8月~2001年1月, 様々な社会情報から6事例を選定しその連携活動の内容について訪問調査をおこなった. 2001年2月~3月, 健康保険組合連合会(以下「健保連」という. )が1999年3月に実施した「保健福祉事業実施状況調査」を基に, 地域と連携して活動している可能性の高い36健保を選出し, 郵送による質問紙調査をおこない, その中から実際に連携して活動していた7事例について詳細なデータを得るために, 後日電話による聴き取り調査を追加実施した. 連携活動の形態及び方向性は, (1)個別事業連携型, (2)施設共同利用型, (3)人的交流による連携型, (4)健康管理情報共有型, (5)総合的事業連携型の5つのタイプに分類できた. 職域が保有する人材, 施設 · 設備, 組織等の能力(以下「ポテンシャル」という. )は, 健保が保健福祉事業を実施する上で重要な資源であるとともに, 地域との連携のための資源としても重要であると思われる. 一方, 職域で不足する資源については, 地域を始め外部保健資源を積極的に活用する必要があると思われる. 職域と地域が連携することによりそれぞれが保有する能力を最大限に活かすことができるとともに弱点を補完し合える効果があると思われる.
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