産業衛生学雑誌
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46 巻 , 3 号
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原著
  • 鈴木 秀樹, 神代 雅晴, 草野 華代, 赤築 秀一郎, 藤井 敦成, 衛藤 理砂
    2004 年 46 巻 3 号 p. 71-77
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/21
    ジャーナル フリー
    この研究の目的は,加齢が数種の認知機能検査成績とWAI(Work Ability Index)で評価された労働能力に及ぼす影響と,認知機能検査の成績およびWAIで評価された労働能力の関連性について検討することである.対象は某製鋼工場の男性従業員139名である(平均年齢48.1±16.4歳).対象者にWAIと認知機能検査を施行し,WAIにおいては134名,認知機能検査に関しては88名から有効な結果を得た.対象者を45歳未満の若年群と45歳以上の中高年齢群に分けて,両群間でWAIの成績を比較したが,WAI得点は両群間で有意の差が認められなかった.しかし,WAIを構成する項目のうちWAI-2とWAI-7においては中高年齢群が若年群に比べて有意に高かった.反して,WAI-3は若年群に比べて中高年齢群が有意に低かった.両群間で認知機能検査の成績についても比較した.その結果,作動記憶,トラッキング,文書比較の各検査成績は中高年齢群が若年者より低下していた.さらに,中高年齢群の対象者において,認知機能検査が良好な者と悪い者の間でWAI-3の平均値を比較したが,いずれにおいても有意の差を認めなかった.この結果より,本研究対象者において身体機能の加齢による低下と認知機能の加齢による低下とは一致しないことが示された.その理由としては対象者が肉体労働者であり,認知機能の重要度が低いためと考えられる.
調査報告
  • 山本 華代, 神代 雅晴, 衛藤 理砂, 藤井 敦成, 赤築 秀一郎, 鈴木 秀樹
    2004 年 46 巻 3 号 p. 78-88
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/21
    ジャーナル フリー
    本研究は,作業と腰痛発生との関係を作業姿勢と生活習慣の両面から検討することを目的として,作業内容の異なる3つの職場(スリット職場,梱包作業職場,クレーン運転職場)を有する某中小企業従業員118名を対象とし,OWAS法に基づく作業姿勢評価とヒアリング調査を行った.その結果,OWAS法では3つの職場に共通して立位前屈姿勢の出現率が最も高かった.腰痛の状況については,全ての職場で70%以上の腰痛経験者が存在したものの3つの職場間に明らかな差は認められなかった.しかし,各職場ごとに腰痛発生の要因は異なり,カテゴリカル回帰分析及び問診の結果から,スリット職場においては過去の運動経験による腰痛発生への影響と加齢及び作業による腰痛の増悪が示唆された.梱包作業職場においては,経験年数の短い段階で移動している者が多いため,他の職場の腰痛有訴者率に影響を与えている可能性があった.クレーン運転職場においては,以前の職場での作業内容が腰痛発生に影響を及ぼしているようであった.本対象職場において,生活習慣よりも職場での活動の方が腰痛発生に大きく関与していると推定された.
資料
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