産業衛生学雑誌
Online ISSN : 1349-533X
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53 巻 , 3 号
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総 説
  • 村田 勝敬, 苅田 香苗, 堀口 兵剛, 岩田 豊人, 広瀬 明彦
    原稿種別: 総 説
    53 巻 (2011) 3 号 p. 67
    公開日: 2011/06/04
    [早期公開] 公開日: 2011/04/04
    ジャーナル フリー
    ベンチマークドース法の臨床的基準をもつ健康影響指標への適用:村田勝敬ほか.秋田大学大学院医学系研究科環境保健学講座―目的:欧州食品安全機関(EFSA)は「リスク評価におけるベンチマークドース法の利用」を発表し,これまで伝統的に用いられてきた無毒性量の代わりに,ベンチマークドース(BMD)法が健康指針値や曝露マージンの基準点を決定する選択肢として使用されるべきと勧告した.またBMD法は全ての化学物質,さらには疫学データの量-反応評価にも広く適用可能であると述べている.BMD法が初めて提唱された時,BMD法は低レベルではあるが測定可能な標的臓器影響を引き起こす量(臨界濃度)を推定する手法として期待されていた.本稿は,上述のBMD法が臨床的基準をもつ健康影響指標に適用可能かどうか検討した. 方法:臨床的基準のある疫学データを用いて,上のBMD法と古典的BMD法(Hybrid法)の比較を行った. 結果:EFSAが推奨するBMDの95%信頼下限値はHybrid法のそれよりもかなり低い傾向がある.また,前者の方法は,交絡因子の影響を調整することは難しいが,既報の量-反応データにも容易に適用可能である.一方,Hybrid法で計算される健康影響指標のカットオフ値は臨床的基準とほぼ一致する. 結論:EFSAが推奨するBMD法を用いて得られる有害物質のより低い基準点によって,ヒトへの安全性は大いに保証されよう.しかし,臨床的基準に照らすと疫学データへのBMD法の適用は必ずしも毒性学的意義を反映しているとは言えない.
    (産衛誌2011; 53: 67-77)
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原 著
  • 大塚 俊昭, 川田 智之, 矢内 美雪, 北川 裕子, 菅 裕彦
    原稿種別: 原著
    53 巻 (2011) 3 号 p. 78
    公開日: 2011/06/04
    [早期公開] 公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
    一職域男性集団におけるメタボリックシンドロームの発症率およびメタボリックシンドローム発症に関連する生活習慣因子の検討:大塚俊昭ほか.日本医科大学衛生学・公衆衛生学講座―目的:メタボリックシンドローム(MetS)の予防は職域健康増進活動における主要課題の一つである.そこで今回,我々は一職域男性集団におけるMetSの発症率およびMetS発症に関連する生活習慣因子の検討を行った. 対象と方法:対象は,神奈川県内の精密機器開発事業所における2005年度定期健康診断を受診し,本邦におけるMetSの診断に非該当であった男性社員948名(平均44歳)である.対象者の2006年度から2009年度の定期健康診断データを追跡し,MetSの新規発症の有無を調査した.2005年度の健康診断結果から,対象集団を腹部肥満の有無とその他のMetS構成因子(血圧高値,脂質代謝異常,空腹時血糖高値)保有数の組み合わせで分類し,各群におけるMetS発症率を算出した.また,生活習慣因子(食事内容,喫煙,睡眠,運動,飲酒)の相違によるMetS発症率を比較した.コックス比例ハザードモデルを用い,上記各因子からMetS発症リスク上昇を規定する因子を求めた. 結果:平均3.7年の追跡において,76人にMetS新規発症を認めた.MetSの年間発症率は2.2/100人年,カプラン・マイヤー法による4年発症率は8.5%であった.対象を腹部肥満の有無とその他のMetS構成因子保有数の組み合わせで分類すると,腹部肥満を認めずその他の構成因子を二つ以上保有する群で最も高い発症率(37.9%)を示し,これに腹部肥満を認めその他の構成因子を一つ保有する群が続いた(24.6%).年齢で調整したコックス比例ハザードモデルでは,「腹部肥満の保有」および「その他の構成因子数の1増加」はともにMetS発症に対する有意なハザード比の上昇を示した(5.23および4.79,ともに p<0.001).同様に,睡眠時間5時間以下,現在喫煙,およびエタノール摂取量300 g/週以上がMetS発症に対する有意なハザード比の上昇を示した.結論:本検討においては,腹部肥満を有する者のみならず,腹部肥満を有さずともその他のMetS構成因子を複数認める者においてMetS発症率は高率であった.また,睡眠不足,喫煙,および過剰飲酒がMetS発症リスク上昇に関わっていた.職域におけるハイリスク・ストラテジーに基づいたMetS発症予防対策を行うにあたっては,これらの病状や生活習慣を有する者を優先した活動の有用性が期待される.
    (産衛誌2011; 53: 78-86)
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調査報告
  • 牧 祥, 縄田 英樹, 小川 康恭
    原稿種別: 調査報告
    53 巻 (2011) 3 号 p. 87
    公開日: 2011/06/04
    [早期公開] 公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    平成7年から18年までの我が国の有機溶剤中毒事例の解析:牧  祥ほか.独立行政法人労働安全衛生総合研究所―目的:有機溶剤中毒症例の収集・解析は様々な形で行われているが,我々は発生率をベースとした統計データとして解析を行った. 対象と方法:「労働衛生のしおり」に掲載されている「主な職業性疾病発生事例」,「職業性疾病発生状況」を基本とし,情報公開法に基づいて厚生労働省から入手した業種別有機溶剤等健康診断実施状況報告における対象労働者数を有機溶剤取扱作業者の母集団として解析した. 結果:平成7年から18年までの有機溶剤中毒事例の年間発生率(件/10万人)は中毒,死亡,二次災害事例がそれぞれ,3.3-5.4,0.0-0.83,0.0-0.34であった.業種別年間発生率は,製造業,建設業,その他のサービス業それぞれ2.5,52.0,6.1で建設業が顕著に高かった.製造業は平成11-15年にやや増加傾向を示し,16年以降は横ばいに推移していた.建設業は平成12年に94.2で突出していた.その他のサービス業は平成11-18年にかけて14.4から2.5へと減少した.中毒事例の月次分布では1月に被災者数が突出していた.溶剤別年間発生率では中毒,死亡,二次災害事例が,トルエン3.9,0.5,0.2,キシレン3.5,0.5,0.3,トリクロロエチレン16.4,4.7,2.3でトリクロロエチレンが最も高かった.業種別溶剤別年間発生率は,製造業では特徴的な年次推移傾向は認められなかったが,建設業ではトルエンの発生率が平成12年88.6から平成18年12.0へ大きく減少した. 結論:有機溶剤事例を統計的に検討するためには,皮膚障害を含む包括的なデータベースの構築が必要と思われる.
    (産衛誌2011; 53: 87-100)
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