産業衛生学雑誌
Online ISSN : 1349-533X
Print ISSN : 1341-0725
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53 巻 , 6 号
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調査報告
  • 中村 佐紀, 丸山 崇, 長谷川 久美, 永田 智久, 森 晃爾
    原稿種別: 調査報告
    53 巻 (2011) 6 号 p. 211
    公開日: 2011/12/12
    [早期公開] 公開日: 2011/10/11
    ジャーナル フリー
    外資系企業の労働衛生・健康管理活動に関する実態調査―特に海外親会社との関係について―:中村佐紀ほか.産業医科大学産業医実務研修センター―目的:外資系企業の労働衛生・健康管理活動の現状を明らかにすることを目的として,我々は本調査を行った.本研究は,海外に親会社を持つ外資系企業の労働衛生・健康管理担当者が現地法人としての活動をより戦略的に遂行しようとする際や,グローバル展開する日本企業が企業の方針に基づいた労働衛生・健康管理活動を各国・地域において円滑に展開しようとする場合に役立つと考える.方法:東洋経済新報社の「外資系企業総覧2009」に掲載のある従業員数50名以上の外資系企業1,220社を調査対象とした.対象企業の「労働衛生・健康管理に関する実務を担当する最上職位の方」宛に質問票を送付し,回収した.質問票の中で,我々は(1)労働衛生・健康管理に関するグローバル基準とローカル基準の状況,(2)海外親会社との関係性,(3)労働衛生・健康管理担当者の実務上での所感について調査した.なお,外資系企業と海外親会社が目指すべき関係性について,本研究では「連携感」という肯定的ニュアンスをもつ言葉で表現される労働衛生・健康管理担当者の主観に基づき評価を行った.結果:有効な回答を得たのは123社であり,そのうちグローバル基準を有する企業は50社に留まった.基準に記載がある項目は,グローバル基準では業務起因性のある健康障害へのリスク対策に関する内容が中心であり,ローカル基準では従業員個々への対応に関わる内容が多く,両者で異なる傾向を示した.海外親会社からの人員関与度・経費関与度・海外上司報告頻度は低く,外資系企業の労働衛生・健康管理担当者の従事者数満足度・予算満足度は高かった.また,連携感がない企業は71.5%を占めた.さらに,海外親会社との連携感と,グローバル基準の活用度,海外上司への報告頻度,監査の頻度,海外親会社における労働衛生・健康管理の組織体制への理解度との間にやや強い相関を認めた.結語:我が国の外資系企業における,子会社側としての労働衛生・健康管理活動の独立性・独自性の高さと,その現状に満足している労働衛生・健康管理担当者が多い実態が示された.一方で海外親企業との関係性については,連携感という肯定的な認識をもたない労働衛生・健康管理担当者が多い状況であった.外資系企業の労働衛生・健康管理担当者がグローバル基準を実務上で活用し,海外親会社における上司等のキーパーソンとの定期的な業務報告や監査の機会等を通じて積極的に海外親会社の労働衛生・健康管理組織体制への理解を深めることで,海外親会社との連携感を高められる可能性がある.
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