産業衛生学雑誌
Online ISSN : 1349-533X
Print ISSN : 1341-0725
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54 巻 , 4 号
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総説
  • 西山 勝夫, 原田 規章, 辻村 裕次, 石竹 達也, 榊原 久孝, 松本 泰尚
    原稿種別: 総説
    54 巻 (2012) 4 号 p. 121-140
    公開日: 2012/09/21
    [早期公開] 公開日: 2012/06/04
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    目的:1975 年に制定された日本産業衛生学会の全身振動に関する現行許容基準の改訂の必要性ならびに改訂案の検討に資することのできる全身振動の健康影響を明らかにすることを目的とした.対象と方法:全身振動に関する現行許容基準については主に以前に行われたレビュー結果に基づき検討した.全身振動曝露と背腰部症状の関連に関する研究のレビュー論文とそれらのレビュー論文で抽出された英文原著論文ならびに著者がMEDLINEで抽出した2002–2010年の全身振動と背腰部症状の量反応関係に関する英文および邦文の原著論文を対象とし,知見について吟味した.結果:全身振動に関する現行許容基準の改訂は可及的速やかに行うべき状況にある.全身振動と健康影響に関する研究では,背腰部症状との関連を示す疫学研究が圧倒的に多い.全身振動の職業的曝露の有無と背腰部症状の有無の関連を示す疫学研究は28文献30研究である.全身振動,背腰部症状とも様々な指標により,全身振動の曝露と背腰部症状の量反応関係が示されている.全身振動の曝露量としてAsum(8) x, y, z 軸の合成振動値の8時間周波数補正加速度実効値)を指標にして背腰部症状の量反応関係を検討している文献はわずかであるが,いずれも量・反応関係を示しているといえる.考察:全身振動の曝露の有無と背腰部症状の有無が関連していることは明らかである.最近のレビューでは全身振動0.5 m/s2を背腰部症状リスクの閾値として検討されているが,その根拠は薄弱である.Asum(8) に着目すると,0.30 m/s2を超えると背腰部症状のリスクが増大することが示唆されているので,0.30 m/s2 前後に着目したさらなる疫学研究等が待たれる. 結論:全身振動に職業的に曝露される場合の健康影響についての疫学研究は非曝露の場合に比べて,背腰部症状のリスクを増大させることを明らかにしており,背腰部症状のリスクを指標にして許容基準を検討できるといえる.全身振動と背腰部症状の関連についてはAsum(8) を全身振動の許容値の指標として勘案できる知見があるといえる.
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原著
  • 畑中 陽子, 玉腰 暁子, 津下 一代
    原稿種別: 原著
    54 巻 (2012) 4 号 p. 141-149
    公開日: 2012/09/21
    [早期公開] 公開日: 2012/05/29
    ジャーナル フリー HTML
    目的:20歳代のBMIやその後の体重変化が,40歳代での高血圧・糖尿病の服薬率・有病率や医療費に及ぼす影響を検討する.対象と方法:1989年時点で20歳代の男性10,125人を対象とし,BMI区分別,およびBMI区分と20年間の体重増減の組み合わせ別に40歳代の高血圧・糖尿病の服薬率・有病率と医療費について分析した.BMI区分別の服薬率,有病率,受療率をロジスティック回帰分析により,平均医療費を共分散分析により,1989年時点の年齢,ならびに20年間の体重変化の程度を調整して検討した.結果:20歳代から40歳代にかけて20年間で平均7 kgの体重増加を認めた.40歳代の高血圧服薬率・有病率,糖尿病服薬率・有病率のいずれも20歳代のBMI区分が高くなるほど有意に上昇し,BMI 18.5–19.9の群に比べ25.0以上の群では高血圧有病率は6.81倍,糖尿病有病率は16.62倍であった.40歳代の外来医療費,総医療費も同様に20歳代のBMI区分が高くなるほど高額となり,1人当たり平均総医療費はBMI 18.5未満の群の818.7円から25.0以上群の5,311.5円に増加した.さらに,20歳代のBMIが20.0–21.9,22.0–24.9であっても20年間に体重が10㎏以上増加した場合には40歳代の高血圧・糖尿病のリスクが増加した.考察:20歳代のBMIが高い区分ほど40歳時の高血圧や糖尿病の有病率は上昇し,同様に医療費も増加した.20歳代でBMI 25.0未満の場合でも,20歳代のBMI区分とその後の体重増加に依存して有病率が高くなった. 終身雇用を基本とした日本企業における保健活動では,若年期からの肥満対策はもちろん,肥満でない人も含めて体重コントロールができるよう支援することが重要である.
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