産業衛生学雑誌
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57 巻 , 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
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原著
  • 河原 大陸, 浦辺 幸夫, 前田 慶明, 笹代 純平, 藤井 絵里, 森山 信彰, 山本 圭彦, 岩田 昌
    原稿種別: 原著
    57 巻 (2015) 4 号 p. 111-116
    公開日: 2015/08/20
    [早期公開] 公開日: 2015/05/19
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    目的:チェンソーを扱う多くの林業従事者は,腰痛に悩まされている.先行研究では腰痛の発症と,チェンソーを使用し木を伐り倒す(以下;伐倒)作業姿勢との間に関連性があると報告されている.しかしながら,伐倒作業中の体幹筋群の筋活動量の測定を行った研究は見当たらない.そこで本研究の目的は表面筋電図を用いて,伐倒作業姿勢と体幹伸展筋群の筋活動との関係を明らかとすることとした.方法:対象は非林業従事者10名とした.チェンソーを保持した測定姿勢は,直立位,体幹前屈30°,体幹前屈90°,片膝立ち位の4課題を設定した.左右の腰部傍脊柱起立筋群(LP)および腹直筋(RA)の活動電位を測定した.得られた活動電位を絶対値積分で処理し,%MVCとして正規化した.各筋の左右の筋活動量の比較には対応のある t 検定を,姿勢の違いによる筋活動量の比較には一元配置反復測定分散分析を使用した.危険率5%未満を有意とした.結果:片膝立ち位で右側LPの筋活動量は,左側より14.7%高かった(p<0.05).しかし,他の姿勢では有意な差が認められなかった.体幹前屈30°での右側LPの筋活動量は,直立位,片膝立ち位よりそれぞれ,25.6%,14.2%有意に増加していた(p<0.05).左右のLPの筋活動量は,体幹90°で最も高い値を示し,右側LPの筋活動量で片膝立ち位に比べて16.7%有意に増加していた(p<0.05).体幹前屈角度の増加にともない,左側LPの筋活動量も増加する傾向にあったが,4姿勢の間に有意な差は認められなかった.左右のRAの筋活動量は低く,4姿勢で有意な差は認められなかった.結論:本研究では体幹屈曲を屈曲させると,右側LPの筋活動量は,直立位と片膝立ち位と比較すると有意に増加するが,左側では有意な差が認められず,LPの筋活動量は左右非対称に変化するという結果が得られた.本結果より,体幹前屈位での伐倒作業姿勢は,LPに過度な負担を強いる姿勢であることが示唆された.
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  • 齋藤 とも子, 錦戸 典子, 松木 秀明
    原稿種別: 原著
    57 巻 (2015) 4 号 p. 117-129
    公開日: 2015/08/20
    [早期公開] 公開日: 2015/06/02
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    目的:産業看護職による心理社会的職場環境改善の支援状況,保有している知識・技術,自己研鑽・学習環境等の状況ならびにそれらの関連を明らかにする.さらに,支援についての関連要因モデルを作成し,産業看護職による心理社会的職場環境改善の支援を推進するための示唆を得る.方法:日本産業衛生学会会員で,企業または単一型健康保険組合に所属する産業看護職を対象に,無記名郵送式質問紙調査を実施した.356名(回収率46.4%)からの回答のうち,主要な項目に無回答がない産業看護職329名(有効回答率92.4%)を分析対象とした.心理社会的職場環境改善の支援7項目について因子分析を行い,抽出された支援因子ごとのモデルを作成し,共分散構造分析を行った.結果:因子分析より【ストレス状況の把握と助言による職場環境改善の支援】と 【職場参加型の環境改善の支援】の支援因子が抽出され,平均実施割合は,それぞれ約5~8割,および4割未満であった.【ストレス状況の把握と助言による職場環境改善の支援】には,「管理職へ,理解を促すための説明を行う」や「ストレス調査結果を部署毎に集計・分析する」からなる支援技術が関連し,これには「個人のストレス調査票」や「一般的な職場のストレス要因」からなる支援知識が関連していた.支援知識・支援技術には,「日頃の職場環境改善活動を振り返り,活動報告を行う」,「論文を読む」からなる自己研鑽が関連していた.【職場参加型の環境改善の支援】には,「キーパーソンを中心とした職場討議を間接的に支援する」や「職場のストレス調査結果を管理職へフィードバックする」からなる支援技術が関連し,それには「職場環境改善のツール」や,「職場のストレス調査票の活用方法」からなる支援知識が関連していた.支援知識・支援技術には,「グループワークを効果的に行うための研修会への参加」,「大学や研究機関の指導者からサポートや助言を受けられる」からなる自己研鑽・学習環境が関連していた.考察:産業看護職による心理社会的職場環境改善支援の内容およびその関連要因が明らかとなった.支援の実施割合より,特に 【職場参加型の環境改善の支援】を推進する必要性が示唆された.今後は,支援推進のために,支援との関連が明らかとなった支援知識・支援技術の獲得を促していく必要がある.
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  • 川崎 ゆりか, 西谷 直子, 榊原 久孝
    原稿種別: 原著
    57 巻 (2015) 4 号 p. 130-139
    公開日: 2015/08/20
    [早期公開] 公開日: 2015/05/27
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    目的:産業現場ではメンタルへルスの不調を訴える労働者が増加傾向にあるとされ,生産性への影響が危惧されている.しかし,製造業のブルーカラー,ホワイトカラーにおける抑うつに関する調査は十分とはいえない.本研究の目的は特に睡眠状況や生活習慣に注目してブルーカラー,ホワイトカラーの職種別に抑うつと関連する要因を明らかにすることである.対象と方法:製造業A社社員1,963名を対象に,定期健康診断時に同意を得て自記式質問紙調査を実施した.回収できた1,712名(回収率87%)のうち精神疾患の治療中もしくは既往歴のあるものを除いた男性社員1,258名(ブルーカラー674名,ホワイトカラー584名)を分析対象とした.調査票には基本属性,生活状況のほか睡眠状況についてはWHOの「アテネ不眠尺度」,抑うつについては「CES-Dスケール」を用いた.また,生活習慣は健康診断の問診票に記入されたデータを用いて分析した.結果:抑うつがあるとみなされたCES-D16点以上の労働者はブルーカラー,ホワイトカラーともに15.1%で同率であった.アテネ不眠尺度6点以上の不眠者はそれぞれ18.8%,18.3%であった.多重ロジスティック回帰分析で抑うつと有意に関連のみられた要因はブルーカラーでは①「アテネ不眠尺度6点以上」(オッズ比:10.93;95%信頼区間:6.12–19.51),②「睡眠で疲労がとれない」(オッズ比:3.36;95%信頼区間:1.85–6.09),③「朝食を週3回以上抜く」(オッズ比:3.10;95%信頼区間:1.42–6.76),④「同居家族なし」(オッズ比:2.08;95%信頼区間:1.05–4.12),⑤「片道通勤時間」(オッズ比:1.01;95%信頼区間:1.00–1.02)であった.ホワイトカラーでは①「アテネ不眠尺度6点以上」(オッズ比:14.91;95%信頼区間:7.54–29.49),②「同居家族なし」(オッズ比:2.54;95%信頼区間:1.27–5.09)であった.なお,睡眠時間は両職種に有意差は認められなかった.また,アテネ不眠尺度6点以上の不眠者のうちCES-D16点以上の抑うつ症状がみられたのはブルーカラーで51.6%,ホワイトカラーで53.8%であった.結論:ブルーカラー,ホワイトカラーの両職種ともに抑うつを有する者が同程度にみられ,職種にかかわらず保健対策を行うことが必要であると考えられた.また,抑うつには両職種ともに不眠が最も強く関連していることが明らかになり,職場での抑うつ対策として不眠に注目していくことの重要性が示唆された.職種による生活習慣の特徴と不眠状態に焦点を当てて保健指導に活かすことは意義があると考えられた.
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