産業衛生学雑誌
Online ISSN : 1349-533X
Print ISSN : 1341-0725
58 巻 , 3 号
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調査報告
  • 池田 千聖子, 佐伯 和子, 平野 美千代
    2016 年 58 巻 3 号 p. 89-99
    発行日: 2016/05/20
    公開日: 2016/06/21
    [早期公開] 公開日: 2016/04/21
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    目的:2015年12月のストレスチェック実施に向けて,健診機関にはメンタルヘルスケアに加え新たにストレスチェックを実施するアウトソーシング機関としての期待が高まると考えられる.本研究の目的は,健診機関の看護職が実施しているストレスチェックの現在の状況と,ストレスチェック実施の自信とその関連要因を明らかにすることである.対象と方法:対象は,全国労働衛生機関連合会に加盟する173機関を7地区に分け,無作為に抽出した60機関の常勤看護職である.2013年11月~2014年1月に,各機関に5通ずつ無記名自記式質問紙調査を送付し調査を行った.質問項目は,個人属性,研修への参加,業務の内容,ストレスチェック実施を含むメンタルヘルスケアの実施状況である.分析方法は,ストレスチェック実施と関連する要因の検討はχ2検定を行い,有意水準を5%とした.倫理的配慮として,所属機関および必要時調査対象機関の倫理委員会の承認を得た.結果:162通の調査票が配布され,89通を回収(回収率54.9%)した.有効回答は85人(有効回答率53.1%)であった.ストレスチェックの実施について,「実施」38.8%であった.ストレスチェックの実施の自信について,「自信あり」70.6%であった.ストレスチェック実施の関連要因では,年代,経験年数,学歴,職位,産業看護継続教育の受講経験,メンタルヘルスに関する研修への参加,メンタルヘルス以外の研修への参加においては有意差がなく関連がみられなかったが,ストレスチェック実施頻度とメンタルヘルスに関する研修への参加については関連の傾向がみられた.ストレスチェック実施の自信との関連要因では,年代で自信との関連を認め,その他とは関連を認めなかった.メンタルヘルスケアの実施とストレスチェック実施の自信については,ストレスチェックなどスクリーニングの実施,ハイリスク者へのフォロー,上司の相談等から把握したうつが疑われるケースへの対応,医療機関や産業医への連携を実施している場合において自信との関連を認めた.結論:健診機関の看護職で,現在ストレスチェックを実施している者は約4割だが,業務の頻度は年一回以上が大半でまだ関わりは少ない.ストレスチェックを実施する場合の自信は約7割にあり,ストレスチェックに携わっていない場合でも,ある程度の自信をもっていた.ストレスチェック実施をきっかけとして健診機関の看護職がメンタルヘルスケアを行っていくためには,ストレスチェックの一連の実施や上司同僚・事業場内の産業保健スタッフとの連携など実践的な内容の研修を行うことで経験の不足を補い,メンタルヘルスケアの経験をつむことで実力と自信をつけていく必要がある.
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