産業衛生学雑誌
Online ISSN : 1349-533X
Print ISSN : 1341-0725
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58 巻 , 6 号
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調査報告
  • 池上 和範, 野澤 弘樹, 道井 聡史, 菅野 良介, 安藤 肇, 長谷川 将之, 喜多村 紘子, 大神 明
    58 巻 (2016) 6 号 p. 251-259
    公開日: 2016/12/03
    [早期公開] 公開日: 2016/09/30
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    目的:我々は,産業分類および事業場規模別の産業医活動の課題を明らかにするために,嘱託産業医が作成した活動記録(産業医活動記録票)を用いて,その活動実態を調査した.方法:嘱託産業医として活動している11名の医師(研究協力者)の協力を得て,96事業場561枚の産業医活動記録票を収集した.産業医活動記録票から,契約先事業場の業種,および産業医による事業場への出務回数,職場巡視の実施回数,健康管理活動の実施回数を調査した.また,作業環境管理,作業管理,健康管理,総括管理に関する年間の活動状況を調査した.産業分類(第二次産業,第三次産業)による2群間の比較検討,さらに産業分類に加え,従業員数100人以下の事業場群(≤100群)と101人以上の事業場群(≥101群)とに分けた4群間での比較検討を行った.結果:全ての嘱託産業医による事業場への出務回数の中央値は4回/年であり,第三次産業における事業場への出務回数は,第二次産業に比べて有意に少なかった.具体的な産業医活動に関して,リスクアセスメントへの参加,過重労働対策,労働衛生管理体制の構築・年間計画の策定で,第三次産業は第二次産業に比べ有意に低かった.産業分類別の従業員数による比較では,事業場への出務回数,職場巡視の実施回数において,≤100群は≥101群に比べ有意に少なかった.考察:本研究から,第三次産業や100人以下の小規模事業場では十分な嘱託産業医活動が実施されていない可能性が示唆された.第三次産業や小規模事業場における労働衛生サービスの提供方法や嘱託産業医活動の在り方に関して更なる検討を行い,事業場と嘱託産業医の双方の活動を支援する総体的な仕組みが必要であると考えられる.

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  • 豊田 裕之, 久保 達彦, 森 晃爾
    58 巻 (2016) 6 号 p. 260-270
    公開日: 2016/12/03
    [早期公開] 公開日: 2016/10/12
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    目的:危機対応体制における労働安全衛生機能の位置づけに関する米国の現状を把握するために,米国政府関係機関を対象としたインタビュー調査および文献調査による情報収集を行った.方法:米国連邦緊急事態管理庁(Federal Emergency Management Agency;FEMA)と国立労働安全衛生研究所(National Institute for Occupational Safety and Health;NIOSH)を訪問しインタビュー調査を実施した.併せて,米国労働安全衛生庁(Occupational Safety and Health Administration;OSHA)から,今回の目的に合わせて用意された関連資料を入手した.また.インタビュー調査の前後に文献調査および訪問機関のインターネット公開情報の収集を行った.結果:米国には,国内の諸機関が共通した枠組みで危機対応に連携して臨むためのシステムである国家危機管理システム(National Incident Management System:NIMS)が構築されていた.また,連邦レベルで対処する危機において各政府機関が連携した対応を可能とする枠組みである国家危機対応枠組(National Response Framework;NRF)が基盤となった危機対応体制が存在していた.NIMSの具体的な危機対応体制である現場指揮システム(Incident Command System:ICS)の中で,指揮者に直接進言する指揮担当官(Command Staff)として安全監督官(Safety Officer)が明確に位置付けられていた.ICSの中で役割を果たすスタッフは,諸トレーニング修了等の要件を満たすことが求められており,Safety Officerについても,体系的な研修修了に加えて実務経験が必要とされていた.また,米国の危機対応体制は,All-Hazardsモデルと呼ばれ,危機の種類にかかわらず共通した体制で臨むことが基本となっていた.一方,危機対応に従事する労働者の安全衛生に関して,NRFを基本として,危機発生時に支援業務を一元的に調整する役割を果たす行政組織であるFEMAと労働者の安全衛生に関する組織であるOSHAおよびNIOSHが連携を図る体制が構築されていた.これらの組織の中には,多数の認定インダストリアル・ハイジニスト(Certificated Industrial Hygienist;CIH)が在籍し,専門的な機能を果たしていた.特にNIOSHは,近年の危機発生時の労働安全衛生対策において多様な実践活動を行っていた.考察:米国の危機対応体制には,対応者の安全と健康を確保するための様々な特徴があり,それらの有効性は体系的な研修と経験を有する人材によって裏付けされていた.日本の危機管理体制における労働安全衛生機能を考えるうえで,重要な視点であると考えられた.

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  • 菊地 由紀子, 石井 範子
    58 巻 (2016) 6 号 p. 271-279
    公開日: 2016/12/03
    [早期公開] 公開日: 2016/10/21
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    目的:本研究は,訪問看護師の夜間のオンコール業務による負担感および睡眠への影響を明らかにすることを目的とした.方法:訪問看護師614人に対して質問紙調査を行い,対象の概要,夜間オンコールの担当状況,オンコール担当による精神的負担感,身体的負担感,睡眠の状況を調査した.オンコール担当日と非担当日の睡眠の状況を比較し,また,オンコール担当による負担感や睡眠の状況に影響する要因を検討するために,『精神的負担あり』『身体的負担あり』睡眠の状況『不良』を目的変数としたロジスティック回帰分析を行った.結果:有効回答であった187人を分析対象とした(有効回答率30.5%).オンコールを担当することを,81.3%が精神的に負担に感じており,69.4%が身体的に負担に感じていた.オンコール担当日は非担当日に比べ,睡眠時間は短く,中途覚醒回数が多かった.また睡眠の深さ,良眠感,すっきり感,睡眠満足感,入眠困難感の得点が悪化していた.オンコール担当による負担感や睡眠の状況に影響する要因を検討した結果,1ヶ月のコールを受けた回数が3回以上で,『精神的負担あり』および『身体的負担あり』の年齢調整後のオッズ比がそれぞれ2.51(95%信頼区間:1.05-6.00),2.44(95%信頼区間:1.20-5.00)で,有意に高かった.結論:1ヶ月のコールを受けた回数が3回以上で精神的負担および身体的負担を感じる者が多いことが明らかになった.オンコール担当日は非担当日に比べて睡眠の状況が悪いことがわかった.オンコール担当に対する手当,および休息や休日を適切に設ける必要があることが示唆された.

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